2024年9月15日8時2分にYAHOOニュース(THE GOLD ONLIME)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。
今回のテーマは「窓」。
冬暖かく、夏涼しい家にするためには、窓の断熱性能が極めて重要だといわれています。
しかし、日本の窓事情は深刻で「日本最高評価の断熱窓は、海外では違法レベルの低性能」です。
この状況の真相について、詳しく解説していきます。
■実は日本の住宅の断熱性能は、先進国で最低水準
知っている人の間では常識でも、多くの人が知らない事実というのは結構あるものです。
日本の住宅性能、特に断熱・気密性能(冬暖かく、夏涼しく、省エネの家)は、先進国で、突出して性能が低いという事実もそのひとつです。
残念なことに、家を新築する、もしくは分譲住宅の購入を検討している多くの人は、この事実を認識していないようです。
このことを知った上で住まいづくりをするかどうかは、建てたあとの満足度に大きな差が生じます。
■決定的に劣っている、日本の窓の断熱性能
冬暖かく、夏涼しい家にするためには、断熱・気密性能が大切です。
なかでも窓の断熱性能が極めて重要です。
なぜなら、夏に流入する熱のうち74%、また冬に流出する熱の50%は、窓からなのです(図表1)。
そのため諸外国では、窓の断熱性能に厳しい基準を定めています。
U値〔W/m2・K〕は、窓の断熱性能示す値で、小さいほど高断熱であること意味します。
たとえば、ドイツではU値1.3〔W/m2・K〕以下のサッシでないと使うことができません。
中国、米国の基準も下図の通りです。
日本は地域によって基準が違います。
6地域は、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡といった人口が集中する温暖な主要都市を含む地域ですが、この地域の基準は、4.65〔W/m2・K〕です。
他国に比べて、窓の断熱性能の基準があまりに違うことをおわかりいただけると思います(図表2)。
■日本で最高等級の断熱サッシは、他の国では違法レベル
さらに驚くべきことに、日本では、一般社団法人日本サッシ協会が定める窓の断熱性能表示制度では、2.33〔W/m2・K〕の断熱性能で、最高等級の星4つがもらえます(図表3)。
【図表2】を見返してほしいのですが、日本で最高等級の評価が得られる断熱性能のサッシは、他の国に持って行くと、断熱性能が不十分で違法になってしますのです。
このように、日本で普通に家を建てるということは、他の国では考えられない低性能な家になってしまうのです。
窓の性能はわかりやすい例ですが、他にも多くの面で、日本の住宅性能は、他の国に比べて劣っています。
つまり日本では、施主が知識を持ち、意識して性能にこだわらないと、他国の基準に照らして、まともな性能の家にはならないのです。
■アルミサッシは他の国では使われていない
ではなぜ、こんなに窓性能の基準が違うのでしょうか?
背景の一つに、アルミサッシが普及していることと、樹脂サッシの普及の遅れが挙げられます。
他の国々では、基本的にはアルミサッシは使われていません。
なぜなら、アルミと樹脂で比較すると、アルミは樹脂の約1,400倍も熱を通してしまうのです。
つまり、アルミサッシを使っている時点で、十分な住宅の断熱性能の確保は困難なのです。
そのため、他の国々ではアルミサッシはほとんど使われず、樹脂製もしくは木製サッシが主流を占めています。
日本も樹脂サッシの割合が少しずつ高まっていますが、図の通り、新築住宅における樹脂サッシの割合はまだ29%程度で、他国に比べて圧倒的に普及が遅れています(図表4)。
■なぜ、窓の性能向上が重要なのか?
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■アレルギーや喘息のリスクも低減される
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■引違い戸はなるべく避けたい
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■「パッシブデザイン」も意識したい
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■既存住宅の窓の断熱改修の大チャンス!
新築中心に説明してきましたが、アルミの単板ガラス(1枚ガラス)の冬寒く、夏暑い家で、我慢しながら暮らしている人も多いと思います。
窓だけの断熱リノベは、もともとかなり手軽でコスパもいいのでお勧めなのです。
そこに、今年度は、「先進的窓リノベ事業」という国の手厚い補助制度が用意されているため、手軽に居住環境を改善する大チャンスです(関連記事:『 今年の夏こそ涼しく過ごす…朗報!窓の断熱改修の大型補助金「先進的窓リノベ2024事業」募集開始 』)。
窓を高断熱化するだけで、いきなり他国並みの高性能住宅になるわけではありませんが、現在の居住環境に比べれば、劇的に改善します。
ぜひ、冬の寒さ、夏の暑さを我慢する生活から脱却することを強くお勧めしたいと思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4012334f3b10a417d08ad13f347d9d0a6c37c29a
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。