2020年3月9日11時0分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
座間市に住む住民有志2人が、地域の樹木に木材腐朽菌と呼ばれる「キノコ」によって倒木する危険性がないかを独自に調査している。
4年ほど前に巨木が前触れもなく倒れ、木材腐朽の危険性を目の当たりにしたのを契機に調査を開始。
これまでに約600本を調べ、うち約15%で腐朽を確認し、管理する県や市に伐採を要請した。
2人は、「樹木を『街角の凶器』にしないために、住民にも関心を持ってほしい」と話している。
調査しているのは小林覚さん(72)=同市入谷西=と岡臣一さん(75)=同市入谷東。
2015年9月。小林さんの自宅近くの市道沿いで、直径約1メートルの樹木が倒れ、駐車されていた車両2台を押しつぶした。
周辺には小学校や高校があり、小林さんは、「児童や生徒ら通行人が巻き込まれていたら大惨事になっていた」と回顧。
「青々とした巨木が風も吹いていないのになぜ倒れたのか、不思議に思って調べ始めた」という。
倒れたケヤキを観察したところ、根元にベッコウタケが生えていた。
小林さんは、切断された根の部分から菌が侵入し、内部が腐朽して強度を失ったためと原因を推定した。
その後、市の生涯学習講座「あすなろ大学」で岡さんと知り合い、一緒に調査することに。
対象を市内の街路樹や公園の樹木に広げた。
2人は、根元付近にベッコウタケなどのキノコ類が生えているかを手掛かりに、腐朽や空洞が見られる箇所に細い鉄の棒を差し込んで内部の状態を探る独自手法を確立。
切り口に保護剤を塗布する予防策を紹介するほか、倒木する危険度を簡易判定する計算式も考案した。
今年2月には「あすなろ大学展」で調査結果を発表。
これまでに613本を調べ、94本で木材腐朽菌が発生していることを確認。
うち24本は倒木の危険性があると判断し、県や市に伐採してもらった。
ただ、危険な樹木が管理者不明の民有地に残っているという。
小林さんは、「近年、台風が大型化し、市内でも倒木被害が目立つようになった。1960~70年代に多く植栽された街路樹は寿命期を迎えている」と指摘。
一方、市道路課は、「街路樹の適正な維持管理に努めているが、予算や人手の制約もあり、十分に対応できているとまでは言えない」と説明。
「住民からの指摘には、専門家に見てもらい、危険性を判断している」としている。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-292869.html
(ブログ者コメント)
樹木が強風などで倒れ、あるいは枝が落ちてきて通行人が死傷したりした事故は、本ブログで多数紹介している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。