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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(1/2から続く)

 

 

【攻撃されても死んだ振りをすることで…】

 

・クマの一撃後に被害者が「死んだ振り」に転じた場合、クマは攻撃性を低下させている。  

・クマは「強反撃には強襲」で反応してくる。  

・クマは「静対応には力を弱める」習性がある。  

 

2008917日、登山家の山野井泰史氏は東京都の奥多摩で子連れのクマに襲われ、顔、腕に重傷を負った。

 

流石に道を究めた人だけあって、コメントが秀逸だ。

「生きているクマに触れられるなんて……貴重な体験をした」。

 

同氏は『岳人』12月号で事故の詳細を語っている。

 

最初にクマの吠え声がして、右腕を咬まれて引かれ倒され、次いで顔面を咬まれたそうだ。

 

なにより私が興味を覚えるのは、事故直後のこの発言だ。

 

『クマは鼻付近に食いついて放さなかった。これ以上抵抗するともぎ取られると思い、抵抗をやめたら力が抜けたので脱出した』  

 

ここに被害軽減の極意があるように思える。

 

同氏が最後まで頑強に抵抗していたらどうなっていただろう。

もう一撃を受けていたら、より重体化したに違いない。  

 

同じ日、北海道中標津町で男性がヒグマに顔面粉砕されて死亡しているが、こちらは小さく報道されただけだった。

 

『クマに襲われたカナダ人女性、「死んだふり」で命拾い』 ロイター(2010729  

 

米モンタナ州ギャラティンのキャンプ場で28日未明、男女3人が野生のクマに襲われたが、そのうちの1人は「死んだふり」をして命拾いした。

 

デブ・フリールさん(58)はテント内で就寝中、痛みで目が覚め、『クマの歯が腕に食い込み、骨が折れて悲鳴を上げたらクマは、さらに歯を食い込ませてきた。それで死んだふりをして、筋肉をだらりとさせたらクマも力を抜いて、自分を離して去った』

 

 

【闘うよりも現代の高度医療に頼るべき】

 

繰り返しになるが、我々クマ研究家は、クマが攻撃してきたら「首を両手でカバーし、体を丸めて地面に固着することによって、重要器官を守れ」と提唱している。

 

頭頚部を守るために死んだ振りをするのは、現代のクマ研究者が勧めている「うつぶせ首ガード法」と同義なのだ。  

 

人間の体の前面は加害に弱く、攻撃は背で受けて凌しのぐべきだ。

 

我々も怖く感じる大グマほど攻撃は短時間で終わり、悠々と森に隠れる。

 

闘うよりも現代の高度医療に頼るべきだ。

 

《クマの攻撃性が低い状態で襲われたときは、首をガードして「死んだ振り」をした方が重傷化を防ぐ。山に慣れていない一般人には適した方法だ》――米田

 

「死んだ振りは致命的だ、ナタで闘え」とする発言は、昭和期の医療水準の低い山間僻地で行われた手法なのだ。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/61c5dcbd080cd34498aac1373f596be3c484f309

 

 

 

※以下は前編の記事。

クマ被害の事例中心で、事例の一部は本ブログでも最近紹介したばかりにつき、各段落の冒頭部分のみ紹介する。

 

20165月から6月にかけてタケノコ採りに出かけた一行がクマに襲われた「十和利山クマ襲撃事件」。

 

4人が死亡し、4人が重軽傷を負うなど、本州で発生した事件としては記録上最悪といっても過言ではない大きな被害をもたらした。

 

なぜクマはこのような凶行に及んでしまったのか。

 

さまざまな要因が重なるものの、なかでも大きな原因として考えられているのは、“空腹からくる強い食害意欲”によるものだ。

 

しかし、熊が満腹状態である場合も、決して安全だと言い切ることはできない。

 

空腹でなかったにもかかわらず、人を襲い、喰らった事件が記録に残されているのだ。

 

その事件こそ「戸沢村3人殺人事件」である。

 

ここでは、日本ツキノワグマ研究所理事長を務める米田一彦氏による著書『 熊が人を襲うとき 』を引用。

日本で起きたクマによるおぞましい食害事件を紹介する。

 

◇◇◇

 

88年山形県戸沢村3人殺人事件】

 

十和利山クマ襲撃事件が発生するまで、クマによる死亡事故で最も衝撃的だったのは、1988年に山形県戸沢村で3件連続した食害事件だ。  

 

発生直後と近年の三度、私は現地入りして状況を聴取している。

 

その後、遺体の詳細な資料も入手した。

 

・・・・・

 

【満腹でも人を襲う】

 

加害グマは調査の結果、年齢は4歳とされた。

体長が140㎝で体重は84㎏とされたが、写真で見るクマの死体は秋にしては体に張りがなく、疾病を思わせたが、それについての情報はない。

 

・・・・・

 

【事件が継続する地域がある】

 

一見して何頭ものクマが出没して事故が多発したように見えるが、クマの家族サイズ、体型などが類似していることなどから、実は同一家族系のクマが事故を起こし続けた、再犯を疑わせる例がある。

 

・・・・・

 

【多人数事故】

 

94831日早朝、新潟県笹神村で90分間に農作業中の男女4人が、別々に襲われ女性(72)顔に重傷、クマは大きく移動し女性(72)腕を骨折、男性(62)腕に重傷 、女性(76)腕に重傷を負わせた。』 新潟日報(199491

 

・・・・・

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/10f1512f9d49de02b711d38e85303c3d25e8e07f?page=3 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

昨年暮れ、クマと遭遇した場合、武器の携帯で生存率は上がるという報道を紹介したが、今回の報道は、それとは逆。 


相手のクマ次第ということかもしれない。

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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