2014年8月19日7時30分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今年2月に関東甲信地方に降った大雪で屋根が崩落する被害が相次いだのは、積雪に雨やみぞれがしみこんで密度が高まり、建築基準法の想定より2〜8割重くなったことが一因とみられることが、文部科学省の「大雪災害調査研究グループ」(代表・和泉薫新潟大教授)の調査で分かった。
グループは、「建物にかかる雪の重みは雪の深さで想定されてきたが、(雨を含めた)降水量で評価すべきだ」と提言している。
建築基準法は雪の密度を一定とみなし、関東では、積雪1cmにつき、屋根1m2に約2kgの重みがかかる計算で設計することを求めている。
2月15日に市立市民総合体育館の屋根が落ちた埼玉県富士見市、屋内運動場の屋根が落ちた同県熊谷市と東京都青梅市では、いずれも同法が想定する最大積雪が30cmで、屋根1m2あたり約60kgの重みに耐える設計が義務づけられていた。
一方、気象庁の観測などによると2月14〜15日には、富士見市周辺で約100mm、熊谷市で約140mm、青梅市で約120mmの雨や雪を含めた降水があった。
研究グループの高橋徹・千葉大教授(建築構造学)らは、雨が雪にしみこみ、溶けずに残ったと推定。その後の雪の重みを計算したところ、積雪1cmあたりの重みは富士見市で2.3〜2.8kg、熊谷市で約2.5kg、東京・大手町で約3.6kgなどとなった。
富士見市の体育館では、積雪の深さは35〜39mcと想定の2〜3割増しだったが、雨の後の雪の重みは屋根1m2あたりで90〜100kgと5〜7割増しになった。
総務省消防庁のまとめによると、この雪により、全半壊または一部破損した住宅は全国で657棟に上った。
高橋教授は、「積雪予報の値が小さくても、雨を含めた降水量が大きくなりそうなら建物への影響を警戒してほしい。国の設計基準の改定も提言したい」と話す。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140819k0000m040122000c.html
(ブログ者コメント)
以前、屋根雪の平均的な密度は0.3以上という気象協会の報文を、本ブログで紹介したことがある。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2651/
それが今回の報道によると、建築基準法では0.2の想定、実際の密度は大手町で0.36だった由。
気象協会の情報は、建築基準法改訂関係者に届いていたのだろうか?、
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。