2019年6月13日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9732/
(2019年6月20日 修正1 ;追記)
2019年6月13日5時0分に神奈川新聞からは、担当の保守管理所にのみ当該作業の手順書がなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場一帯を管轄する市交通局上永谷保守管理所(同市港南区)に、事故原因となった装置の点検作業に関する手順書が存在しないことが12日、明らかになった。
他の2カ所の保守管理所には置かれているものの、上永谷にだけないという。
市交通局は、早急に作成し手順の周知徹底を図るとともに、事故調査委員会を設置し、事故原因を詳しく調べる方針。
横取り装置の点検に関する作業手順書は、3カ所ある保守管理所のうち、新羽(同市港北区)と川和(同市都筑区)には置かれているが、上永谷にはないことが事故後に判明した。
同局は、「どういう経緯かは分からないが、手順書がなくても作業員は(点検について)理解している」としつつ、「本来は保守管理所ごとに作成し、手順書に従って作業を行うべき」と不備を認めた。
事故が起きた6日、国交省は同局に対し、厳重注意する警告書を出した。
事故の原因究明と再発防止策について、文書で回答するよう求めている。
これに対し同局は7日、当面の緊急対策を報告。
作業手順書を作成するほか、線路上に装置が置かれたままだと警報が鳴り続ける仕組みづくりや、装置を認識しやすいよう着色することなどに取り組む考えを示した。
同局は、「できることから早期に着手する」としている。
一方、同局は近く事故調査委員会を設置。
有識者ら第三者を加えることも視野に入れており、作業員への聴取などを行った上で国交省への回答文書をまとめる。
「国交省には速やかに報告するよう言われている。設置時期やメンバーなどは現在、協議中」と説明している。
出典
『点検作業、手順書なし 横浜市、事故調査委設置へ』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-174249.html
(2019年8月1日 修正2 ;追記)
2019年7月30日7時5分にNHK神奈川から、現場責任者の作業手順理解不足が原因だったとする事故報告書がまとまったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市の事故調査委員会は、現場の責任者が点検作業の手順を理解せず終了後の確認も怠っていたことが原因だとする報告書をまとめた。
29日、公表された委員会の報告書によると、事故当時、作業をしていた3人のうち、現場責任者の50代の助役が作業方法を教える過程で、一度外した点検器具を再びレール上に置いたという。
しかし、助役は点検器具を動かす際の手順を理解しておらず、装置の置き忘れを防ぐための警告灯やブザーのスイッチを切っていたほか、作業終了後の確認や報告も怠り、置き忘れに気づかなかったことが事故の原因となったとしている。
横浜市交通局の土屋統括安全管理者は、「ルールが守られていない現場の実態を、管理部門も含め把握しておらず、反省しないといけない。現場の責任者が役割を認識するよう働きかけ、教育の見直しなどの再発防止策を進めていきたい」と話していた。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20190730/1050006958.html
7月29日20時43分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市は29日、管理部門が現場の作業実態を把握しておらず、「組織全体のマネジメントに問題があった」とする調査委員会の報告書を公表した。
https://this.kiji.is/528538688067961953?c=39546741839462401
7月29日21時27分に神奈川新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市交通局は29日、6月に起きた市営地下鉄ブルーラインの脱線事故に関する調査報告書を公表した。
線路上に放置された装置に電車が乗り上げた事故原因について、事故調査委員会は、職員が漫然と点検し、作業手順も明確になっていなかったと指摘。
事故による損害額は約4億700万円に上るとの見通しも示した。
放置されたのは、工事用車両を移動させるために使う「横取り装置」。
動かすにはピンを抜く必要があり、ピンを抜くと、ブザーや警告灯が作動する仕組みになっている。
報告書によると、6月5日の営業運転終了後、職員3人が3カ所の装置を点検した。
その際、1カ所の装置が線路上に固定されたままの状態にもかかわらず、50代の責任者はピンを挿入。
警告灯などが消えたため、3人は作業を終えた。
最終確認もしなかった。
調査委は、職員が装置の危険性を十分理解せずに慣例的に点検し、責任者も自らの役割を認識していなかったと指摘。
点検に関する手順書が存在せず、現場の作業実態を組織として把握していなかった点も問題視した。
被害額のうち、車両関係は3億1900万円で、レールの修繕など施設関係は8800万円。
加えて代行輸送バスや振り替え輸送に約2500万円かかったとしている。
調査委は7月1日に設置され、城博俊局長が委員長に就任。
会合を4回開いて報告書をまとめた。
29日に開かれた市会水道・交通委員会で市側が示した。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-185315.html
※市からのプレスリリースは下記参照。
・・・・・
【事故調査報告書のポイント(概要)】
事故原因の分析(報告書P.16)
1.作業実施者の作業内容、規定に対する理解や意識が不足していたこと。
2.作業手順や最終的な確認の方法が明確でなかったこと。
3.作業における役割分担が機能していなかったこと。
4.組織としてこうした実態を把握できていなかったこと。
再発防止策(報告書P.20)
1.緊急的に実施した取組
横取り装置における課題解決のための再発防止策と安全運行の確保に向けた緊急的な取組を実施
(1) 横取り装置検査の手順書作成、作業手順の明確化や作業責任者の役割の明確化
(2) 横取り装置の取扱いチェックシートの作成等、最終確認方法の明確化
(3) 全職員への通知等、ルール遵守の再徹底
2.今後実施する対策
(1) 規定の整備やマネジメント強化の実施
(2) 職員教育の抜本的な見直し
(3) 安全に関する情報収集や共有を速やかに行う仕組みづくり
(4) 横取り装置のさらなる安全性向上の取組
3.「ゆるぐことのない安全」に向けた組織風土改革
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/koutuu/2019/20190729.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。