2017年1月15日付で毎日新聞東京版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
バス運行会社「T社」(静岡県沼津市)が、アルコール検知器の不具合に気付かないまま乗務前の検査をしたため、酒気帯び状態の男性運転手(58)に路線バス2便を運転させていたことが、14日までに分かった。
事故はなかった。
同社の規定では、検知器は週に1度、動作確認をすることになっているが、使用した検知器は昨年11月30日以降、確認していなかった。
同社は「再発防止に取り組む」とコメントした。
同社によると、今月10日午前7時ごろに出勤した際の検知器による検査でアルコールが検出されなかったため、運転手が2便運行。
その後、規定に基づく営業所での対面検査で発覚した。
運転手は前日午後8時ごろまでにワイン720mℓを飲んでいた。
出典
『酒気帯び運転 路線バス運転手が乗務』
http://mainichi.jp/articles/20170115/ddm/041/040/126000c
1月14日19時8分にNHK静岡からは、若干ニュアンスの異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運行会社によると、沼津市内の車庫のアルコールの検知器が故障していたのに気づかずそのまま使用していて、今月10日の朝、58歳の男性運転手が酒気帯びの状態だったことを把握できなかった。
運転手は、路線バス2便を運行して三島市内の車庫に戻り、別の検知器を使ったところ基準を超えるアルコールが検出されたということで、「前日、ワインを飲んだが、検知器が反応しなかったので運転できると思っていた」と話したという。
事故などはなかったが、運行会社は、その日のうちに警察に酒気帯び運転を届け出た。
運行会社によると、故障していた検知器は去年11月末以降、必要な点検が毎週行われておらず、「利用者の皆様には大変申し訳ありません。今後は再発防止に取り組みます」とコメントしている。
出典
『検知器故障で路線バス酒気帯びに』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/k/shizuoka/3033027481.html
(ブログ者コメント)
アルコール検知器の点検内容は、国交省HPに以下のように記されている。
アルコール検知器の保守
運行管理者はアルコール検知器を故障がない状態で保持しておくために、アルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、次の事項を実施しなければいけません。
毎日確認※
・電源が確実に入ること。
・損傷がないこと。
※遠隔地で乗務を終了または開始する場合等、アルコール検知器を運転者に携行させ、又は自動車に設置されているアルコール検知器を使用させる場合にあっては、運転者が所属営業所を出発する前に実施すること
少なくとも週1回以上確認
・酒気を帯びていない者がアルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知しないこと。
・アルコールを含有する液体又はこれを希釈したものを、口内に噴霧した上でアルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知すること。
※アルコール検知器メーカーから販売されているキットを使用することもできます。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03alcohol/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。