2019年12月27日5時0分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高齢者が道路を横断中に車にはねられる事故が後を絶たない。
目立つのが横断歩道以外を渡った際の事故で、死者の大半がこのケース。
足腰が弱くなることなどで遠回りを避けがちになることが背景の一つとされる。
分析機関や専門家に取材すると、事故には三つのパターンがあり、多発する時間帯があることも判明。
悲惨な事故を避けるにはどうしたらいいのか探った。
道警旭川方面本部管内で2016~18年の3年間に起きた横断中の事故は計173件。
13人が亡くなったが、12人が65歳以上の高齢者だった。
このうち、横断歩道がない場所を横断中に死亡したのは10人にも上る。
なぜか。
公益財団法人・交通事故総合分析センター(東京)によると、こうした事故には3パターンがある。
道路を渡ろうとする高齢者から見て、
《1》右から来た車が通過後、左から来た車にはねられる
《2》右からの車が通過後、その後続車にはねられる
《3》右からの車の通過後に横断開始、左からの車が目の前を通過後、その後続車にはねられる
―だ。
帝塚山大(奈良市)の蓮花一己教授(交通心理学)によると、高齢者は自分の近くを通過する車には危険を感じて注意するものの、向こう側の車線で距離のある、左からの車への注意はおろそかになりがち。
さらに、加齢による視力や聴力の低下、視野が狭くなることなどで、遠くの車を見落としたり、動体視力の衰えから車の速度や距離感覚も見誤るという。
また、横断を始めると、「足元を見て転ばないように」と前かがみになり、視線が下に向いて左右を見なくなる。
「交差点以外だと、車の速度が出ている時の横断になるので、被害も大きくなる」と蓮花教授は指摘する。
173件の事故の半数以上の97件は、左から来た車にはねられる事故だった。
同本部交通課の新妻次席は、「渡る前の左右確認だけでなく、横断中も安全確認を忘れずにしてほしい」と呼び掛ける。
ドライバーの方は、右から横断してくる人に注意が必要になる。
事故が起きる時間はどうか。
同課によると173件中、半数近い83件は午後4時~8時に集中。
次いで午後8時~10時、午前8時~10時、午後2時~4時が、それぞれ17件で並んだ。
同センターは、薄暮で視界が急に狭まる上、通勤帰りで交通量が増え、ドライバーも仕事などで疲れて注意力が散漫になるなどの悪条件が重なる点を指摘。
自身の存在にいち早く気づいてもらうため、「明るい色の服で夜光反射材を身につけるなど、できる限りの防衛策を取る必要がある」と助言する。
早めの点灯や、郊外などではハイビームでの運転も有効になる。
旭川市内では11月、永山の道道を横断中の80代の男性が大型トラックにはねられて死亡。
横断歩道がない直線道路で、数十メートル先に信号機と横断歩道があった。
同月下旬には80代男性を含む2人が死亡するひき逃げ事件が発生。
事故の詳細は捜査中だが、現場には横断歩道や信号機はなかった。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/378741/
(ブログ者コメント)
本ブログでは今年4月、横断歩道が近くにあるのに利用しない「乱横断」事故が増えているという情報を紹介した。
当該記事中、高齢者は横断歩道まで行くのが面倒という識者の意見も紹介している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。