2019年4月26日23時26分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原子力規制委員会は26日、東京電力福島第1原発で、核物質の防護措置が徹底されない違反が2件あったとして、東電に注意文書を出した。
昨年12月、1号機の原子炉建屋につながる扉に汎用品の南京錠が使われ、事務棟のキャビネットなどから、厳重に管理されていない合鍵が約9050本見つかったという。
規制委によると、この扉は2011年の東日本大震災で変形。
12年5月からはチェーンをくくり付け、南京錠を取り付けることで、本来の錠の代わりにしていたという。
規制委は、適切な錠に取り換え、開けられる鍵を厳重に管理すべきだったとしている。
また昨年11月には、東電社員が、同建屋にある別の扉の鍵1本をレジ袋に入れて着替えていたところ、同僚がゴミと誤認して捨てた。
鍵を貸し出した当直室に管理簿がなく、1週間ほど紛失に気付かなかった。
レジ袋は焼却され、鍵も見つからなかったという。
東電はいずれの錠も取り換えた。
規制委は、建屋内は放射線量が高くて侵入が難しい上、監視カメラなどでも不審な出入りは確認できなかったとしている。
(共同)
出典
『原子力規制委、東電福島第1原発で注意文書 東電の管理不十分』
https://mainichi.jp/articles/20190426/k00/00m/040/297000c
4月26日19時49分に時事ドットコムからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
規制庁によると、昨年11月29日、東電社員が作業のため、1号機原子炉建屋出入り口の鍵を当直室から借り出した。
社員は鍵をレジ袋に入れて携行。
作業後の着替えの際、同僚社員が気付かずにレジ袋ごとごみ箱に捨ててしまったという。
社員は同僚が鍵を返却したと思い込んでいたが、12月6日に別の作業の際に紛失が判明。
鍵はごみと一緒に敷地内で焼却された可能性が高いことが分かった。
出典
『原子炉建屋の鍵紛失=焼却か、規制庁が東電注意-福島第1』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019042601344&g=soc
(ブログ者コメント)
〇原発の鍵管理については規制委員会が確認項目の一つに入れているらしく、過去にも他の原発で同様な指摘があった。
(大飯原発事例 ; 2018年12月17日19時17分 朝日新聞)
関西電力大飯原発(福井県)で、核物質を扱う重要施設のカギを許可を得ていない下請け業者らに貸したとして、原子力規制委員会は17日、原子炉等規制法に基づいてテロ対策を定めた核物質防護規定に違反すると認定し、関電に文書で注意した。
不正なカギの複製や機密情報の持ち出しは確認されていないという。
規制委によると、大飯原発では昨年9月以降、カギを扱う許可を得ていない社員や下請け業者に計14本を貸し出していた。
カギは最長で約11カ月間、返還されずに敷地内の事務所の引き出しなどに置かれていた。
今年8月の規制委の調査で発覚したという。
出典
『大飯原発で重要施設のカギをずさん管理 規制委が注意』
https://www.asahi.com/articles/ASLDK4FHSLDKULBJ007.html
(泊原発事例 ; 2016年3月27日 日本共産党嶺南地区委員会HP)
原子力規制委員会は3月25日、北海道電力泊原発(北海道泊村)で、立ち入り禁止区域に入る扉の鍵の管理などに不備があったとして、文書で注意した。
鍵が紛失するような事態は起きていないが、規制委は「核物質防護上、重大事案に発展する恐れがあった」としている。
規制委事務局の原子力規制庁によると、昨年9月、規制庁が定期的に行っている検査で発覚。
重要な鍵はリストを作って管理することになっているが、一部の鍵がリストから漏れているなどの不備があった。
また、警備員が巡視などの際、鍵を持ち出す手続きが定められておらず、厳重な管理がされていない可能性があったという。
出典
『北海道電泊原発・・鍵の管理に不備/規制委が注意』
〇毒劇物の場合、保管庫の鍵は厳重な管理が求められる。
今回事例に当てはめれば、放射性物質は毒劇物、建屋は保管庫ということだろう。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。