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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20233282154分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、現場写真や地図付きでネット配信されていた。

28日午前11時半ごろ、京都府亀岡市の保津川(桂川)で、川下りの舟が座礁したと119番があった。

舟は転覆し、子ども3人を含む乗客25人と船頭4人が川に投げ出され、船頭の50代男性が死亡。
別の船頭の40代男性の行方が分からなくなっており、京都市消防局などが下流で捜索している。

船頭が操船を誤って岩に衝突したとみられ、府警亀岡署が詳しい事故原因を調べている。

運航は当面、中止される見通し。

亡くなったのは田中さん(51)。
消防局などによると、田中さんは川に転落した後、助け出されたが、搬送先の病院で死亡した。
操船歴18年のベテランだったという。

また、乗客のうち女性9人(1050代)が低体温症などで病院に運ばれたが、いずれも軽症とみられる。

川下りを運営する保津川遊船企業組合(亀岡市)によると、川下りは同市の乗船場から、嵐山(京都市右京区)までの約16キロを下る。

転覆した舟は同日午前1040分ごろに出航。
15分後、5キロほど下ったあたりの「大高瀬(おおたかせ)」と呼ばれる急流で事故が起きた。

船頭は4人乗る場合、船首や前方に3人、船尾に1人が配置される。

組合の豊田代表理事によると、船尾にいた船頭が、かじが水を捉えられず空振りする「空舵(からかじ)」と呼ばれるミスでバランスを崩し、川に転落したという。

前方の船頭が、方向操作を保つためにかじを取りに行ったが、間に合わず、急流を抜けた先の岩に正面から衝突。
舟は転覆し、乗っていた乗客・船頭全員が川に投げ出されたという。

後続の舟が事故を報告し、組合が救援に数隻を出すなどして乗客らを救助した。

亡くなった田中さんは船首でさおを持って舟を操る役割で、豊田代表理事は、「(衝突を防ぐため)正面の岩に対してさおを差そうとしたのではないか」と話す。

保津川下りの運航上の決まりでは、水位が50センチまでの通常時は前に2人、後ろに1人の船頭計3人が乗船するが、28日朝の運航前は前日までの雨により水位が69センチにまで上がっていたため、安全管理のため、前に1人増員した計4人で運航していた。

舟は全長12メートル、幅約2メートルで定員30人。
乗客には救命胴衣の着用を求めており、組合は「乗客・乗員とも全員着用していた」としている。

 

【年間30万人乗船、過去にも事故】

「保津川下り」は、京都府亀岡市と名勝・嵐山(京都市)を結ぶ約16キロで運航されている。
巨岩や奇岩が点在する山あいの渓谷を約1時間半かけて遊覧し、桜や紅葉の季節には多くの客でにぎわう京都観光の定番だ。

水運で使われていたものが明治時代から観光として行われるようになったといい、新型コロナウイルス禍の前は年間約30万人の観光客が乗っていたという。

一方で、過去にも事故が起きている。

19984月には舟が岩に衝突した弾みで浸水し、約100メートル流された。
乗客26人は岩場に降ろされ、後続の舟に乗り換えて無事だった。
前日の雨で川が増水していたといい、船頭は当時、警察の事情聴取に「舟のスピードが速く、制御できなくなった」と話したという。

20019月には舟が岩に衝突して横転。
乗客19人と船頭5人の全員が川に投げ出され、船頭1人が顔をぶつけて軽傷を負った。

158月には乗員の男性(58)が川に転落し、死亡する事故が起きた。
舟の後方から前方に移動しようとした際、落ちたとみられるという。

https://mainichi.jp/articles/20230328/k00/00m/040/338000c

 

3281942分にYAHOOニュース(関西テレビ)からは、船の上下動時に舵が浮いた可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事故の原因や、舟の運航に伴う危険性について、水難事故の専門家、水難学会理事で明治国際医療大学教授の木村隆彦さんに伺いました。

・・・

【水難学会 木村さん】
「ミスが出るというより、むしろ舟が常に上下しながら進んでいて、バウンドでかじが浮いたのだと思います。
事故が起きた地点の映像で見ると、波を打つように白くなっています。
波を打っているところを舟が通れば、どうしても上下すると思います。
その時、水の切れ目と言いますか、隙間があったところにかじが入って、急に軽くなったのではないか」

上下動の中で起きうることなので、ミスと断定して言うべきでものではないのかもしれません。

・・・

https://news.yahoo.co.jp/articles/6b566b7fc086eb1270af7e84a3ad828bebc3de0f

 

330530分にYAHOOニュース(スポニチアネックス)からは、乗客は座っていたため衝撃が和らいで助かったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

乗客が全員助かった要因について、水難学会会長の斎藤秀俊氏は、「座っていたことが大きい」との見方を示した。

「座っていたため、衝突時の衝撃を和らげることができた」と指摘。

立っていた船頭と明暗を分けたとした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7ce6dbcc157c12b372b56cd39882f8ee2414cffd 

 

3281918分にYAHOOニュース(京都新聞)からは、乗客が手動式救命胴衣を着用していたとすれば、全員助かったのはタマタマだなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

スリルが魅力の川下りにはどんな危険が潜み、何が乗客たちの生死を分けるのか。

水難学会会長で長岡技術科学大教授の斎藤秀俊さんに聞いた。

(齋藤さん)
救命胴衣を着用するのは当然だが、その中でも「ベスト式」を選ぶのが望ましい。
手動で膨らませる腰巻きタイプでは、冷たい水に落ちると手が動かなくなり、膨らませるのが難しくなる。
今回、乗客は全員無事だったが、もし、手動の腰巻きタイプを使っていたとすれば、無事だったのはたまたまと言うしかない。
腰巻きタイプの救命胴衣は、膨らんだとしてもうつぶせ状態になると顔が浮かばず、呼吸できなくなる問題もある。
この点でも、ベスト式が望ましいと言える。

https://news.yahoo.co.jp/articles/08c8f1f8a821fe3bf14451e015cc49227077f2ee 

 

329223分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からは、複数の船で集団運航するため無線は数艘に1台しか設置していなかった、転覆現場付近は無線がつながりにくい場所だった、消防通報まで30分以上かかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

運航組合は会見で、転覆した船には、無線機を積んでいなかったことを明らかにしました。

事故現場は、携帯電話がつながらなかったということです。

川下りについて国が10年前に定めたガイドラインでは、すべての船に無線機を装備することが望ましいとされていますが、「保津川下り」は複数の船が集団で運航するため、「2艘から3艘につき1機設置する」と定めていて、増やすかどうか検討していたということです。

また、後続の船が無線機で組合に連絡しましたが、つながりにくく、事故が起きてから消防に通報するまでに、30分以上かかったことも分かりました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/75429e4f5826088b4f616080be2a3425a7a3ba51

 

3292134分に産経新聞からは、死亡した田中さんは発見時、救命具を装着していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

亡くなった船頭の田中さん(51)は発見時、ベルト型の救命具を着用しておらず、川に落ちた後に外れたか、身に着けていなかった可能性がある。

https://www.sankei.com/article/20230329-5Z7HWYA7QRP7XEBA7L7BAAGCYE/

 

3311941分にYAHOOニュース(関西テレビ)からは、もう1人の船頭も死亡していて救命胴衣は膨らんでいない状態だった、船頭4人と半数の乗客の救命胴衣は手動式だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・船頭の田中さん(51)と関さん(40)が死亡しました。

警察によると、関さんは救命胴衣をつけていましたが、膨らんでいない状態でした。

舟を運行する組合は、ことしから救命胴衣を自動で膨らむものに切り替えている最中で、船頭4人とおよそ半数の乗客は手動式だったということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c1af4fc33ee8c44143745746cb4a388c8826a8be

 

3292147分にYAHOOニュース(ABEMA  TIMES)からは、人が川に落ちたときの訓練は8年前ぐらいからやらなくなっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

29日、運航組合が会見を開いた。

代表理事の豊田氏によると、船が乗船場を出発したのは1040分。
大人22人、子ども3人、船頭4人の計29名で出発したという。

その後、大高瀬(おおたかせ)という急流で舵(かじ)を持っている船頭が投げ出されて航行不能になったといい、櫂(かい)を引いていた別の船頭がリカバリーに行ったが、間に合わず、船が航路から外れて大きな正面の岩に激突。
船が岩にへばりつくような形で横になり、波を受けて転覆したという。

・・・

「船員や乗客が川に落ちてしまったときの対応マニュアルや訓練はなかったのか」という質問に、豊田氏は「消防の訓練はできていないことが続いていた」と釈明。

8年くらい前まで毎年救助訓練をしていたが、やるべきときに緊急が入ったり、できないことが続いていたときにコロナ禍になってしまった」と述べた。最後の訓練は8年前だったという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e09fb32fc173202e58b60e6a6752eb46f04f28a8 

 

3301756分にYAHOOニュース(TBS NEWS)からは、事故の様子などに関する解説映像がネット配信されていた。(記事本文は転載省略)



























https://news.yahoo.co.jp/articles/5b8d5e27ffaebddb170d7e865ad10e157050bccc 

 

(2023年6月14日 修正1 ;追記)

20236121839分にYAHOOニュース(読売テレビ)からは、転落防止のため足場を改良するなどの再発防止策が公表されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

今年3月、京都府亀岡市の保津川で川下りの船が転覆し、2人が死亡した事故を受け、運航する組合が再発防止策を公表しました。

「保津川遊船企業組合」は12日午後、会見を開き、当時の船の運航や救助活動における問題点や再発防止策の案をまとめた資料を発表しました。  

事故は、かじを取る船頭が川に転落したことが発端になったため、船頭の転落を防止するため足場を改良し、かじが落ちないようにする装置を設置することが盛り込まれました。  

救命具については、これまで使用してきた「腰巻型」を廃止し、客には原則ベスト式のものを提供するほか、すべての船にGPS付きの無線機などを携帯します。  

今後、組合ではこれらの対策を徹底するということですが、運航再開の見通しはまだ立っていません。









https://news.yahoo.co.jp/articles/ada6891a103682e95ed88b88d83fae361e5da91e

 

(2024年3月24日 修正2 ;追記)

20243221220分にNHK京都からは、川に落ちた船頭が書類送検された、船頭は重心を船内にとどめられなかったなどと話している、会社は出航基準を見直したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

警察は、後方にいた船頭が、十分な体勢を取らずに漫然とかじを取ったことでバランスを崩して川に落ち、操船を困難な状態にさせたとして、業務上過失致死傷の疑いで22日、書類送検しました。

船頭は警察の調べに対し、「操船時の体勢やこぎ方に問題があり、重心を船内にとどめられなかった」などと容疑を認めているということです。

会社では、事故後、

▼船頭の転落を防ぐ舟の改良
▼確実に浮く救命胴衣の導入
▼出航できる水位の基準の引き下げ

などの再発防止策を講じています。

去年7月の運航再開後は、こうした対策を徹底するとともに、風速15メートル以上で運航休止という基準についても、基準以下でも現場の船頭が危険を感じれば運航を取りやめるなど、より安全を重視した運航を行っているとしています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20240322/2010019753.html

 

3221522分に毎日新聞からは、運航組合側の過失は確認できなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

舟を運航する保津川遊船企業組合(同市)の代表者らについては、刑事責任を問うほどの過失は確認できなかったという。

https://mainichi.jp/articles/20240322/k00/00m/040/205000c

 

(2024年9月28日 修正3 ;追記)

2024926100分に毎日新聞からは、調査報告書が公表された、舵を船体に取付ける部材が樹脂製に変わっていて滑りやすくなっていた、死亡した船頭のうち1人の手動救命胴衣は膨張していなかった、もう1人は救命胴衣不着用だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)

運輸安全委員会は26日、船尾の船頭がかじを空振りして川に落ち、操舵(そうだ)不能になったとする調査報告書を公表した。

かじを船体に取り付ける「かじ緒」とよばれる部材を昨年1月以降は樹脂製に交換しており、かじの動きがスムーズになる一方、摩擦が減って滑りやすく、本来の位置からずれた可能性があると指摘した。

報告書によると、死亡した船頭2人のうち1人は、手動で膨らむ救命胴衣を着ていたが膨張させていなかった。

もう1人は救命胴衣を着用していなかった。

運航する保津川遊船企業組合が各船に無線を搭載しておらず、救助要請に時間がかかったほか、救助訓練が7年間実施されていない問題も判明した。

安全委は再発防止策として、船頭の落水やかじのずれの防止、救命胴衣の着用徹底、運航休止基準の見直しなどが必要とした。

組合はこれらを既に実施している。

(共同)

https://mainichi.jp/articles/20240926/k00/00m/040/021000c 

 

  

   

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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