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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2024810930分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

「JR九州高速船」(福岡市)が、博多と韓国・ 釜山を結ぶ旅客船「クイーンビートル」で、亀裂による浸水を把握しながら、3か月以上運航を続けていたことがわかった。

国土交通省の抜き打ち監査で発覚し、同省は「安全確保に関わる重大な問題がある」と指摘。

同船は13日から当面の間、運休する。

親会社・JR九州の9日の発表によると、JR九州高速船は2月、亀裂で浸水が発生していることを把握したが、法令で義務づけられた検査や修理を行わず、国交省に報告しなかった。

浸水を感知する警報センサーの位置をずらして作動しないようにしたほか、浸水に関するデータも改ざん。浸水していないように偽装していた。

ポンプで排水して運航を続けていたが、浸水の悪化で対応できなくなり、5月30日に初めて浸水が確認されたように装って同省やJR九州に報告。

船体の修理を実施し、7月に運航を再開していた。

2~5月の乗客は延べ約5万5000人だった。

JR九州高速船は、昨年2月にも船体の亀裂による浸水が発生したにもかかわらず、法令で義務づけられた検査を受けずに航行したとして、同6月に国交省から行政処分を受けた。

同7月、「社外関係機関への速やかな報告と相談」などを柱とする改善報告書を国交省に提出していた。

今月6日に国交省が抜き打ちでヒアリングや書類の確認などを行ったところ、今回の事案が発覚した。

JR九州は7日に初めて報告を受けたという。

JR九州高速船が偽装をした理由などについて、国交省の担当者は「監査を継続しており、現時点で詳細は答えられない。精査の上、処分を検討する」と話した。

JR九州は、「JR九州高速船の経営層の交代なども含めて、安全意識の改革に努めていく」としている。

同船は定員502人、総トン数2582トン。

博多―釜山間の約200キロを3時間40分かけて航行する高速船で、1日1往復している。

JR九州によると、運休となる13日以降の予約客は延べ約2万1500人に上るという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240810-OYT1T50062/

 

815153分に読売新聞からは、社長の指示で浸水を隠蔽した、当初の浸水量は1220ℓで港に停泊中にポンプで排水した、5月に浸水量が増えたためセンサー位置を上げ航行中も排水するようになったなど、下記趣旨の記事が亀裂場所などの解説図付きでネット配信されていた。

親会社のJR九州の松下・取締役常務執行役員は14日、記者会見し、浸水の隠蔽はJR九州高速船前社長の田中氏の指示で行われていたことを明らかにした。

松下氏は「許されない行為が発生していた。大変申し訳ない」と謝罪した。

松下氏らの説明によると、2月12日にクイーンビートルの船首部分で2~3リットルの浸水が確認された。

浸水発生は現場から田中氏に報告されたが、田中氏の指示で国土交通省に報告しないことを決定。

法令で義務づけられた検査や修理も行わなかった。

さらに、浸水を隠蔽する工作の具体例も明らかにされた。

設備の不具合などを記載する航海日誌や整備記録には「異常なし」と虚偽記載をした上で、外部には出さない「裏管理簿」を作成し、実際の浸水量を日々記録していた。

同船は浸水を隠蔽したまま運航を継続。

1日の浸水量は2~20リットル程度で、港に停泊中にポンプで排水していた。

しかし、5月27日に突如、浸水量が736リットルに急増。

隠蔽を続けるため、船首部分の船底に設置されていた浸水警報センサーを高さ44センチから1メートルまで上部にずらして発動しないようにした。

航行中もポンプで排水しながら運航を継続した。

これらの隠蔽工作はすべて、田中氏も把握した上で実行されていた。

その後、浸水はさらに悪化し、30日には1メートルの高さまでずらした警報センサーが発動。

JR九州高速船は、この時点で初めて浸水が確認されたように偽装して国交省に報告、船はドック入りした。

船首部分からは1・1メートルの亀裂が見つかった。

船は修理を終えて7月11日に運航を再開。

今月6日に国交省の抜き打ち監査があり、乗務員への聞き取りで隠蔽が発覚した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240815-OYT1T50058/ 

 

815日付で毎日新聞西部版からは、浸水は船首部分にとどまり沈没するレベルではなかったと常務が説明した、海外との旅客定期航路事業は届け出制のため事業停止命令は出ないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

浸水は船首部分にとどまり、松下常務は「沈没するレベルではない」とする一方で、浸水の隠蔽や警報センサーの位置の変更については「許されない行為だ。安全に対する意識や体制ができていなかった」と謝罪した。

JR九州高速船は20232月にもQBで浸水が発生しながら報告せずに運航を続け、236月に国交省から行政処分となる輸送の安全確保に関する命令を受けた。

同社は237月、国交省に関係機関への速やかな報告など安全確保の方針を示した改善報告書を提出したが、守っていなかった。

・・・

浸水は船首部分にとどまり、松下常務は「沈没するレベルではない」とする一方で、浸水の隠蔽や警報センサーの位置の変更については「許されない行為だ。安全に対する意識や体制ができていなかった」と謝罪した。

JR九州高速船は20232月にもQBで浸水が発生しながら報告せずに運航を続け、236月に国交省から行政処分となる輸送の安全確保に関する命令を受けた。

同社は237月、国交省に関係機関への速やかな報告など安全確保の方針を示した改善報告書を提出したが、守っていなかった。

国交省によると、現在も監査は継続中で、海上運送法に基づく行政処分を検討している。

ただ、海外との旅客定期航路事業は許可制ではなく、届け出制のため、事業停止などの処分対象とはならない。

最も重いのは前回同様、輸送の安全確保命令になるという。

https://mainichi.jp/articles/20240815/ddp/041/020/007000c 

 

(ブログ者コメント)

今どき、社長が隠蔽を指示するとは・・・。

これまで安全にさほど関わりがなかった人が社長になったのだろうか?

気になって経歴を調べたところ、氏は20236月に社長に就任しており、カッコ書きでJR九州・長崎支社長とあった。兼務?前任ポスト?

20237月に同様な浸水隠蔽事案に関する改善報告書を国交省に提出した、ちょうどその時期に社長に就任したということは、再発防止の責任者として赴任したという意味合いがあったのではないだろうか?

それなのに・・・。
ましてや、安全最優先だとブログ者が思っているJRの幹部でもあるのに・・・。

一方、準幹部の中には諫めた人がいたと思うのだが・・・。

JRの安全に対する意識はこんなもの・・・ということはないとは思うが、こういった観点からの報道をブログ者はまだ見ていない。


 

(2024年8月25日 修正1 ;追記)

2024823648分に読売新聞からは、浸水報告を受けた上層部が「これくらいなら問題ないだろう」と判断していた、運航に携わる社員のほぼ全員が不正を把握していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

22日に開かれた定例記者会見で親会社のJR九州の古宮社長は、当時の社長の田中氏(JR九州から出向)ら上層部が、現場から浸水の報告を受けた際、「これぐらいの浸水量なら問題ないだろう、報告しなくていいだろうと甘く判断した」と明かした。

さらに、「異常なし」と虚偽を記載した航海日誌とは別に、浸水状況を記していた「裏管理簿」の存在は、JR九州高速船の田中氏から船員まで16人が認識し、浸水を知らせる警報センサーの位置を付け替えた隠蔽工作は田中氏以下21人が知っていたことも明かした。

運航に携わる社員のほぼ全員が把握していたとした。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240823-OYT1T50021/

 

823734分にYAHOOニュース(現代ビジネス)からは、LCCとの競争に勝ち残るため建造され20207月に就航予定だったクイーンビートルだったが、コロナ禍でデビューできず、利益が出ない状況が続いていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

■コロナ禍で就航白紙、「パナマ船籍」で収入ほぼゼロ

JR九州の子会社「JR九州高速船」は、約60億円を投じた「クイーンビートル」で対:航空(LCC・エアプサンなど)の競争を勝ち残ろうとしていた。

しかし、ここで最大の誤算が生じる。

コロナ禍で海外への渡航が大幅に制限されてしまい、20207月に就航する予定だった「クイーンビートル」のデビューが、まったく白紙となってしまったのだ。

JR九州高速船」は基本的に博多~釜山航路専業のため、この時点で会社としてほぼ無収入となる。

3隻のジェットフォイルは急遽開設された博多~平戸間などの国内航路でわずかな日銭を稼いでいたものの、「クイーンビートル」は税金の節約目的でパナマ船籍にしたがために、原則として国内での定期便就航(2地点間の就航)ができない。

少しでも「クイーンビートル」を動かしたいJR九州高速船は、国に窮状を訴えて特例での国内運航を模索するも、「自国の沿岸輸送は自国船に限る」という「カボタージュ制度 」の堅持を目指す業界団体が「たとえコロナ禍でも、規制緩和はもってのほか!」とばかりに猛反発。

「クイーンビートル」は博多湾を1時間少々回って帰る遊覧船のような用途にしか使えず、「利益を生めない」として、建設費用にあたる約60億円を特別損失として計上。

会社は資金繰りに行き詰まり、本来であれば1隻のみであったジェット船の売却を、「3隻すべて」に方針転換せざるを得なくなった。

■不安定な「一本足経営」

「クイーンビートル」は、202211月にようやく就航。

3隻のジェット船「ビートル」「ビートル2世」「ビートル3世」は役目を終えた。

たった1隻のみの船(クイーンビートル)が動かないと日銭が入らないという、JR九州高速船の不安定な「一本足経営」は、ここからスタートする。

・・・

■最悪の場合は「認可取り消し」?国交省に聞いてみた

・・・

■声を大にして伝えたいこと

・・・

https://news.yahoo.co.jp/articles/a09e35db99a613857a058755eaf4e3a34e3a9156  

 

(2024年10月13日 修正2 ;追記)

2024109934分にNHK福岡からは、船長が「これ以上は厳しい」と会社に伝えたことが会社からの報告につながった可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

クイーンビートルを巡っては、JR九州の子会社のJR九州高速船が船首内部の浸水を把握しながら事実を隠蔽し、3か月以上、運航を続けていた問題が明らかになっています。

会社はことし5月末に初めて浸水を認識したように装い、九州運輸局に報告していました。

問題の発覚後に運輸局が改めて検査に入り、報告のいきさつについて聞き取りを行ったところ、高速船の船長が「これ以上は厳しいと判断し、会社に伝えた」と証言していたことが関係者への取材で新たに分かりました。

運輸局は、船長の申し出が会社からの報告につながった可能性もあるとみています。

この問題で、国は先月、海上運送法に基づき、会社に対して安全統括管理者と運航管理者の解任を命じるとともに、輸送の安全確保を命じる行政処分を出しました。

この法律に基づく解任命令は全国で初めてで、JR側は今月中に再発防止策をまとめた改善報告書を国に提出することにしています。

https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20241009/5010025840.html

 

1091145分にFNN PRIME(テレビ西日本)からは5月の運輸局臨時検査時にはセンサー位置を元に戻していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

九州運輸局では今年5月にJR九州高速船からの報告を受けた後、臨時検査を行ないましたが、センサーがずらされていることに気づかなかったということです。

この点について、8月の問題発覚後の調査で説明を求めたところ、「臨時検査の前日にセンサーの位置を元に戻した」という証言が得られたということです。

https://www.fnn.jp/articles/-/770138  

 

 

  

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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