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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2022916130分にYAHOOニュース(北海道新聞)から、下記趣旨の記事がスタンドの写真付きでネット配信されていた。

室蘭市高砂町の19世帯の水道水から国の基準値を超える発がん性物質ベンゼンが検出された問題で、付近にある給油所を運営するHエネルギー(札幌市)とENEOS(エネオス、東京)は16日、給油所の地下埋設管から漏れたガソリンに含まれるベンゼンが混入したとする調査結果を発表した。

給油所は消防法に基づく漏えい検査を怠っていた。

給油所は「D社室蘭高砂店」(室蘭市高砂町1)で、88日、異臭などの通報が寄せられた一帯の配管を市が調べたところ、国の水質基準(1リットル当たり001ミリグラム)の2倍のベンゼンが検出された。

7月上旬には、給油所がガソリンの漏えいを市消防本部に報告しており、その後のエネオス側の調査で敷地の地下水から最大510倍のベンゼンが検出されていた。

エネオス側は地下埋設管から漏れたガソリンのベンゼンがポリエチレン製水道管を透過したと判断。

消防法は週1回、地下埋設管の漏えいを発見する検知管の点検を義務づけているが、給油所は少なくとも1年前から怠っていたという。

今後、給油所の敷地外の土壌調査と汚染除去を行う。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6728435e4e5d3dc5a572636d15e5364e41f14012

 

1週間ほど前、98856分に北海道新聞からは、2年前に異変が市に知らされていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

発がん性物質のベンゼンが室蘭市高砂町1の一部19世帯が使う水道水から検出された問題で、2年前、住民が市水道部に異変を知らせたのにもかかわらず放置されていたことが7日、分かった。

この地区にある給油所敷地の地下水からは国の水質基準の最大510倍のベンゼンが検出されており、住民は健康調査を早急に行うよう求めている。

市水道部によると、「水道水から油の臭いがする」「水がべたつく」などという相談が2020年夏に地区住民から寄せられたが、市は対応していなかった。

今年6月中旬に再び住民が通報。

市水道部が調べたところ、19世帯に通じる水道水から国の水質基準(1リットルあたり0・01ミリグラム)の2倍に相当する0・02ミリグラムのベンゼンが検出された。

市水道部には苦情や通報の内容を記録したり、上司に報告したりするルールがなく、当時の記録も残っていなかったが、住民への聞き取りから通報はあったと判断。

佐藤部長は取材に「すぐに対応すべきだった。二度と起こらないようにしたい」と話した。

19世帯に通じていた水道管はポリエチレン製で、ベンゼンを透過する性質がある。

6月中旬の住民からの通報を受けて市水道部が配管を切り替えてから、異臭などは確認されていない。

市水道部はベンゼンが水道水に混入した原因を調べているが、地区の給油所「D社室蘭高砂店」を運営するHエネルギー(札幌市)とENEOS(エネオス、東京)は今月6日夜、敷地の地下水から国の基準値の510倍に相当する5・1ミリグラム、土壌からは同64倍の0・64ミリグラムのべンゼンをそれぞれ検出したと公表した。

エネオス北海道支店は取材に、「(水道水のベンゼン検出との)因果関係については調査中」と話した。

市に通報を放置され、給油所の地下水などから高濃度のベンゼンが検出されたことに住民は不満を募らせ、健康調査の実施を求めている。

地区にある店舗で働く女性は「2年ほど前、トイレ便器から店内に充満するほどガソリンの臭いがして不安に感じていた。市と給油所は早急に健康被害を調べるべきだ」と憤る。

市水道部によると、国の基準値は1リットルあたり0・01ミリグラムのベンゼンが含まれた水を1日2リットル、約70年間摂取した場合に10万人に1人ががんを患うかどうかという数値だが、摂取量が基準を上回れば発がんリスクは高まる。

市水道部は「早急に健康調査を実施する」と話し、エネオス北海道支店は「(ベンゼン混入の)原因調査と健康調査に全面的に協力する」とコメントしている。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/727698 

 

(ブログ者コメント)

〇市は2年前に異変を知らされた際、今回のブログ者と同様、まさか内圧のある水道管の中に土中に浸み込んだガソリンが入ってくるとは思ってもみなかったため調査しなかった・・・ということかもしれない。

〇ガソリンがポリエチレンを透過する件については、富山大学などによる、以下のような研究もおこなわれていた。

(財 団 法 人 北 陸 産 業 活性 化 センター) 

プロジェクト名)
低温コーティングによるガスバリアー薄膜作成技術の開発

研究背景)
ガソリンタンク用ポリエチレン樹脂は、ガソリンを微量ではあるが透過する ので、それによる環境汚染がアメリカのカリフォルニア州では問題となり、ガソ リン透過量に対する環境基準が制定された。
このため従来使用されている 樹脂上にコーティング膜を塗布しこの基準をクリアーするとともに、自動車の 軽量化による燃料向上などを通じて、環境対策としても有用な新しい技術 を持った製品が求められていた。

https://www.chubu.meti.go.jp/b31technology/report/h14/13hg4011.pdf

 

(2023年1月19日 修正1 ;追記)

20231171012分に読売新聞からは、住民説明会が開かれた、漏れ出したのは202010月以降で推定漏洩量は2100ℓなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

北海道室蘭市内の水道水から国の基準値を超える発がん性物質ベンゼンが検出された問題で、住民説明会が15日に開かれ、ガソリンが漏出した給油所を所有するENEOS(東京都)と、運営していたHエネルギー(札幌市)の幹部が住民らに謝罪した。

新たに3か所から基準値の最大46倍のベンゼンが検出され、汚染範囲の拡大も明らかにした。

昨年12月のENEOS北海道支店の追加調査によると、給油所の地下埋設管から漏れたガソリンの推定総量は、ドラム缶10・5本分に相当する2100リットル。

2020年10月以降に漏れ出し、市の指摘を受け営業を停止した22年7月まで続いたとみられるという。

同社と市は、汚染範囲の特定を急ぎ、16日から地下水をくみ上げて浄化の作業を始める。

説明会はENEOSと市が合同で開催。

同社の佐藤・北海道支店長は、地域住民ら約40人に対して、「心配と迷惑をかけてしまい、申し訳ない」と陳謝した。

住民からは「今でも不安で水道水は飲めない」「いつまで血液検査が続くのか」と悲痛な声が上がった。

40歳代の男性は、「住民の健康面や精神的な苦痛、風評被害について真剣に考えてほしい」と憤った。

給油所の敷地は土壌汚染対策法に基づく道の「要措置区域」に6日付で指定され、ENEOSは28年4月までに汚染された土壌や地下水を浄化する必要がある。

同社は「計画を前倒しし、地下水の浄化や土壌の改良を早急に進めたい」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230117-OYT1T50069/

 

1151918分にNHK北海道からは、住民説明会は2回目、202010月の点検で問題なかったので漏洩はそれ以降と推定されるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

15日に開かれた2回目の住民説明会には、ガソリンスタンドを所有する「ENEOS」の担当者が初めて出席し、「ご心配やご迷惑をおかけし、おわび申し上げたい」と陳謝しました。

そのうえで、配管から漏れ出したガソリンの量は推定で2100リットルにのぼることや、2020年10月の点検で異常がなかったことから、漏れ出したのはそれ以降だと見ていることを報告しました。

また、健康調査を続けていくことや、16日から地下水をくみ上げて浄化作業を始め、今後、土壌の入れ替えを行っていくと説明しました。

これに対し、住民からは、賠償を求める声などがあがりました。

説明会に参加した50代の男性は、「質問しても明確な答えが返ってこないので不安が解消されません。今後も徹底的な調査をしてほしいです」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230115/7000054260.html

 

 (2023年4月2日 修正2 ;追記)

20233291013分に北海道新聞からは、週1回以上の法的漏洩確認を行っていなかったのに行ったとする虚偽記録を作成していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

給油所を運営するHエネルギー(札幌)が、漏えいの有無を確認する作業を2021年11月から怠った上、虚偽の確認記録を作成していたことが28日、分かった。

漏えいが始まった時期は明らかになっていないが、同社は、確認を怠ったことが発見の遅れにつながった可能性があるとしている。

同社と室蘭市消防本部によると、給油所は21年11月以降、漏えいが発覚して、市が給油所の使用停止命令を出した22年7月までの約8カ月間、毎週1回以上行うべき油成分の漏えい確認を怠った。

この間、「検査済み」とする虚偽の記録を作成していた。

消防法は地下の給油タンクなどの危険物取り扱い設備について、年1回の定期点検と点検記録の3年間保存を義務付け、違反者には30万円以下の罰金または拘留を科すと定めている。

同法規則などは、油漏えいの有無を週1回以上確認するなど、一定の要件で油の在庫管理を行い、市町村に届け出れば、年1回の定期点検を3年に1回に緩和することを認めている。

同社はこの緩和措置を受ける計画を室蘭市に届け出ており、確認記録を保存するよう求められていた。

同社は北海道新聞の取材に、「油漏れを確認せず、記録をきちんと作成していなかったことは事実。従業員が記録の重要性を理解していなかった。しっかり調べていれば、早期発見できたはずだった」と述べた。

室蘭市消防本部は、「確認していなかったこと自体が一番の問題。施設の使用停止命令も出しており、今回の点検の虚偽記載について、消防としてこれ以上、処分することは考えていない」としている。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/823482

 

330342分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

担当者は「点検をしておけば早期発見できた。虚偽の記録を作成したつもりはない」と説明した。

https://mainichi.jp/articles/20230329/k00/00m/040/064000c 

 

(ブログ者コメント)

毎週1回以上の漏洩確認は以下の方法による。

地下貯蔵タンク等及び移動貯蔵タンクの漏れの点検に係る運用上の指針について』(消防庁)
(p4/32)
*1 危険物の漏れを次のいずれかにより 1 週間に 1 回以上確認していること。
 漏えい検査管(区画内設置)
 在庫管理(貯蔵・取扱い数量の 1/100 以上の精度)
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/a3769ade419a1143adc030f2e2fd6aa517105aa8.pdf
 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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