2014年3月21日2時48分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
また、3月21日4時17分にNHK NEWS WEBからも、同主旨の記事がネット配信されていた。
20日午後2時10分ごろ、渋谷区道玄坂1の首都高速3号線の高架下から出火、橋桁に設置された作業用の足場や地上の作業小屋など計約300m2が燃え、3号線の一部区間が通行止めとなったほか、近くの国道246号も一時通行止めとなった。
この火事で30代の男性作業員が右手に数週間のやけどを負った。
首都高の現場区間の復旧は21日午後以降になる見込み。
警察などによると、現場では作業員7人が橋桁を囲うように足場を組み、塗装作業をしていた。
警察では、工事で使っていた電球に塗料を剥がすための薬品が付着して、引火したことが火事の原因とみて調べている。
現場は、JR渋谷駅の西約500mのオフィス街。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140321k0000m040157000c.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140321/t10013142791000.html
一方、3月22日0時17分に朝日新聞から、発火原因について下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察と消防は21日、合同で火災現場を実況見分した。
警察は、橋脚の塗装をはがす作業で使っていたシンナーとみられる液体を含ませた布が発火し、足場やシートに燃え広がったとみている。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG3P5KNJG3PUTIL017.html
3月23日14時44分にmsn産経ニュースから、3日ぶりに全線通行止めが解除されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
通行止めになっていた首都高3号線下り線は23日午後2時、3日ぶりに通行を再開した。
首都高によると、当初は24日午前5時までに全面復旧する見通しだったが、補強工事がスムーズに実施され、予定が前倒しされた。
通行止めとなっていた区間は、首都高3号線の谷町ジャンクション(JCT)-大橋JCTの下り線。
上り線は22日に通行止め解除されたが、下り線は火災により橋脚の一部に最大2cm程度の変形が生じ、補強工事が必要だった。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140323/dst14032314460008-n1.htm
(ブログ者コメント)
○複数の写真、映像を見ると、橋桁の下部と側面に設置された足場が、全面にわたって焼けていた。
○可燃性液体が電球表面に付着したことによる熱面発火だったとすれば、同様な事例として、昨年、大阪市でガソリンがハロゲンランプにこぼれて火災になった事故がある。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2768/
もしそうだったとすれば、今回、どのような電球を使っていたか知りたいところだ。
○一方、シンナーのような液体を含ませた布が電球表面に覆いかぶさっていたための発火だったとすれば、それは自然発火メカニズムに沿ったものかもしれず、とすれば、白熱電球であっても可能性はあるのかもしれない。
(2014年4月15日 修正1 ;追記)
2014年4月12日13時34分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が掲載されていた。(当該情報に基づきタイトルも修正した)
首都高速道路会社は11日、工事を受注した塗装会社が使ったシンナーが、裸電球に付着して発火したのが原因と判明したと発表した。
シンナーの使用は事前に提出された塗装会社の計画書になかったという。
塗装会社は電球を覆わず、裸電球で作業したため、シンナーが付いて熱で発火し、足場シートに燃え広がったという。
首都高速道路会社は、
○作業手順の順守
○危険物の適切な取り扱いと貯蔵
○防炎性能がある足場シートを使わせる規定づくり
の再発防止策を策定。
塗装会社に損害賠償の請求を検討している。
火事による通行止めは解除まで丸3日かかり、3連休も重なって渋滞が起きた。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG4C61RRG4CUTIL044.html
また、首都高速道路会社HPにも同趣旨のプレスリリースが掲載されていた。
○塗装除去作業中に、照明器具の電球部分にシンナーが付着したことにより出火し、足場シートに着火して延焼した
○ウェス拭きによる塗装除去作業について、施工計画書ではシンナー拭きの記載はなかったが、実作業はシンナーを使用していた。
○引火性の高いシンナーを使用する直下で防爆性能を有さず、かつ表面が高温となる仮設照明(200W白熱球)や、防炎又は難燃性能を有していないシートを使用していた。
http://www.shutoko.co.jp/company/press/h26/data/04/11_saihatsuboushi/
(ブログ者コメント)
200W電球にシンナーが付着しての発火ということで、更に調べたところ、下記の2情報が見つかった。
よって今回の事例は、電球表面での熱面発火あるいは電球が割れてフィラメントに接触して発火の、いずれかだった可能性があるが、「付着」と報じられていることから考えると、前者だったのかもしれない。
(おそらくは全国消防長会HP)
・40W~200W電球の各部位表面温度測定結果が一覧表で掲載されていた。
・その中に、横向きの200W電球上部で275℃という計測値がある。
http://www.fcaj.gr.jp/info/jirei/fire/147f.html
(佐倉市八街市酒々井町消防組合HP)
・管内の自動車整備工場でガソリンタンク取り外し中、配管を抜いた際にガソリンが100W白熱電球にかかり、火災になった。
・100W電球の表面温度ではガソリンが燃えることはないと考えられたので、再現実験結果、10ccかけるとガソリンは蒸発するだけだったが、50ccかけるとガラスが割れるとともに炎があがった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。