2019年12月19日18時4分にNHK京都から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「京都アニメーション」の第1スタジオが放火された事件で火災のあと、京都市消防局は、当時、建物の中にいて助かった社員から聞き取り調査などを進め、どのように避難したかの詳細な分析結果をまとめました。
それによりますと、建物の外への避難行動は出火の数秒後に始まり、助かった人が最後に外に出たのはおよそ7分後だったとしています。
外に避難できた人の多くは、近くのベランダや窓から飛び降りるなどしていたということです。
なかには、1階のトイレに逃げ込み、入り口の扉を閉めたことで、煙や火の侵入が遅くなり、避難までの時間を確保できた人もいたということです。
今回の分析結果からは、避難には限られた時間しかなく、近くの窓などから外に出た人たちの多くが助かったことがあらためて分かりました。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20191219/2000023565.html
12月20日5時13分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市消防局が生存者らを対象に聞き取り調査をし、避難行動を分析した結果が19日、明らかになった。
出火の数秒後に玄関から2人が避難したのを最初に、1階の玄関と東側の窓からは1分半後までに6人が避難。
2階にいた20人と3階から下りた6人、1階から上がった1人は、2階のベランダや窓から5分後までに逃げた。
最後に避難できたのは1階トイレに逃げ込んだ人で、出火から7分後だった。
事件では、建物にいた70人中33人が避難できず、避難した3人も含め計36人が死亡。
調査は生存者34人を対象に聞き取り、消防庁消防研究センターの火災シミュレーションもふまえて、70人全員の避難行動を分析した。
1階で勤務していた社員は、玄関から入ってきた青葉容疑者(41)=殺人などの容疑で逮捕状=が、3階まで続くらせん階段付近に液体をまき、ライターで火をつけるのを目撃。
消防職員が建物付近で携行缶に入ったガソリン臭のする液体を確認しており、消防局は青葉容疑者がらせん階段付近にガソリンをまいて放火したことが出火原因と断定した。
2階から計27人が避難したのは出火1分半後から5分後までで、飛び降りたり、はしごを下りたりした。
3階階段室の窓からも1人が避難した。
2階にいた一部の人は、最初は1階に下りようとして煙に阻まれていた。
最後の避難者は、出火直後に容疑者への恐怖心から1階女子トイレに逃げ込んだ3人。
入り口ドアを閉めて煙の侵入を遅らせることができ、外部にいた作業員が窓を壊して、出火7分後までに救出した。
一方、3階にいた27人中20人、2階にいた31人中11人、1階にいた12人中2人の計33人は建物内で遺体で見つかった。
https://mainichi.jp/articles/20191219/k00/00m/040/256000c
12月20日15時50分に京都新聞からは、消防庁によるシミュレーション結果、2分後には建物全体が人間が耐えられないほどの温度になっていたと推定されるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
総務省消防庁による火災シミュレーションの検証結果が19日、明らかになった。
出火60秒後には3階建ての建物の2、3階のフロアに煙と高温の燃焼ガスが充満し、120秒後には建物内全体が、人間が耐えられないほどの高温となって、避難不可能な状態になったとしている。
短時間で建物内に広がった煙や熱で、らせん階段や屋内階段といった避難経路が次々と断たれた様子が浮かび上がった。
検証によると、火元に近い吹き抜けのらせん階段は火炎と煙で、出火10秒後には避難経路として使えなくなった。
30秒後には屋内階段にも高濃度の煙が充満して視界が遮られ、3階から下の階に下りることが難しくなった。
60秒後には煙とともに100~300度の燃焼ガスが2、3階のフロアを満たした。
行動することが困難な上、屋内にとどまることさえ難しい状態だったとみられる。
塔屋の屋上扉に続く階段付近には20人が折り重なるように亡くなっていたが、この箇所は90秒後に煙が充満していた。
120秒後には建物全体に燃焼ガスが充満し、避難が不可能となる高温にさらされたという。
https://this.kiji.is/580585901752845409?c=39546741839462401
12月20日7時42分に読売新聞からは、5分以上建物内にとどまっていて助かったのは4人だけだったなど下記趣旨の記事が、4人が脱出した場所の立体見取り図付きでネット配信されていた。
建物内にいた社員らに京都市消防局が調査した結果、火元の1階にいた社員らのうち3人がトイレに逃げ込み、出火約6~7分後に救出されていたことがわかった。
壁で煙の流入を遮断できたことが生存につながったという。
市消防局は調査結果を踏まえ、区切られた場所への避難の重要性などを盛り込んだ行動指針を策定する。
現場の第1スタジオ(3階建て)には当時、70人おり、36人が死亡した。
総務省消防庁の分析では、出火後1分で建物内に高温の煙が充満、犠牲者の多くが煙を吸い込んで短時間で意識を失うなどしたとみられる。
市消防局は、自力で避難したり、救出されたりした社員らから状況を調査。
最初の避難者は数秒後に1階玄関から外に逃げ、その後、約5分後までに計30人が2階ベランダから飛び降りるなどして避難した。
5分以上建物内にとどまっていた生存者は4人。
うち3人は容疑者を恐れて1階女子トイレに逃げ込み、屋外にいた人が窓の格子を外して助け出した。
もう1人は3階の窓付近にはしごがかかっているのを見つけ、避難できたという。
市消防局には、ガソリン放火など極めて短時間で煙が回る火災を想定した避難行動指針がなく、今年度内に策定する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191220-OYT1T50103/
12月23日11時47分に京都新聞からは、各人が脱出した時の詳細な様子(大半は転記省略)ならびに、避難訓練時の避難ルートは全く役に立たなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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ベランダからの脱出者は、2階にいた20人と、異変に気付いてすぐに3階から2階に下りた5人の計25人。
ベランダの窓が早くに開放されていたことが奏功した。
23人が飛び降り、2人はベランダに架けられたはしごを使い脱出した。
3階にいた1人は2階の窓から飛び降りている。
この人はいったん2階に下りた後、さらに1階に下りようとしたが、煙に行く手を阻まれて断念。
2階に戻ったが、ベランダに多くの人がいるのを見て、即座に建物の北側にある窓から飛び降り、一命を取り留めた。
出火時に2階にいてベランダから脱出した男性は京都新聞社の取材に、「(ベランダから飛び降りるのを)ちゅうちょする人もいた。避難訓練では屋内階段の使用を想定していたが、煙ですぐに真っ暗になった。訓練の避難経路は全く役に立たなかった」と話した。
最も犠牲者が集中したのは、塔屋の屋上扉に続く階段付近。
扉は施錠されていなかったが、屋上に脱出しようとしたとみられる男女20人が折り重なるように亡くなっていた。
この階段のすぐ近くにある3階の窓から避難した人が1人いた。
この人は20人の動きに加わろうとしたが、避難開始が遅く、煙で呼吸ができずに断念。
息をしたいとの一心で階段の近くにある窓を開けたことで、偶然、建物に架けられていたはしごを見つけ、つたい下りた。
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https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/103622
12月23日16時45分に産経新聞からは、3階にいて避難が遅れた1人はうっすらした光で窓を見つけ壁伝いに移動して避難したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3階は出火時に27人がいたが、脱出できたのは7人。
6人は3階から2階に下り、2階のベランダや窓から避難した。
残る1人は避難開始が遅れ、ほかの社員と一緒に避難することを断念。
だが、室内に煙が充満する中、息が苦しくなってしゃがみ込んだところ、うっすらとした光を発見。建物西側にある窓からの光で、呼吸をしたい一心でこの窓に近づき、外を確認したところ、外壁の出っ張りを見つけた。
そして、わずかな出っ張りを頼りに壁沿いに移動し、建物にかけられたはしごで避難した。
https://www.sankei.com/affairs/news/191223/afr1912230030-n1.html
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。