2019年4月29日8時8分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消防・救急車両を過積載の状態で出動させていた道内の消防機関は、全58消防本部・組合のうち、少なくとも19本部・組合、計385台に上ることが28日、北海道新聞のまとめで分かった。
ほとんどがホースなどの資機材を増やす際、実際の車両総重量を計るなどの確認をしておらず、安全性に対する認識の甘さが露呈した形となった。
「当初、車両の総重量に制限があることを全く知らな
かった」。
恵庭市消防本部の担当者はそう語った。
同本部は、京都府内での消防車の過積載問題発覚を受け、昨年11月末~12月中旬に緊急車両の重量を計測。
計12台が車検証に定められた車両総重量や最大積載量を超えていたことが分かった。
にもかかわらず、安全性を確認しないまま約4カ月間にわたり、その状態を放置していた。
北海道新聞の指摘を受け、資機材を下ろすなどの対応を取り、過積載を解消させた同本部は、「安全のため、早急に対応するという意識が欠けていた」と後手の対応を認めた。
過積載状態が見つかった消防の多くが、納車以降、ホースなどの資機材を入れ替える際、車両総重量を計測していなかった。
オホーツク管内の斜里地区消防組合は、「新しい機能を備えた資機材に更新するたびに重くなった」と説明する。
車両総重量に制限があるとの認識を持たなかったことが問題につながったとみられる。
ただ、車両総重量に気を付けて運用している消防もある。
札幌市消防局と函館市消防本部は、納車前の車検時、実際の資機材を全て積載した状態で車両総重量を計測。
その後、新たに資機材を積む際には同重量の資機材を下ろすなど、車検証に定められた車両総重量を超えないように注意している。
札幌市消防局の担当者は「積載物の重量は常に意識している」と強調する。
過積載状態が発覚した19消防本部・組合は、いずれも資機材を下ろすなどして、過積載状態を既に解消させたという。
過積載状態の車両の中には、車検証に定められた車両総重量(19トン)を約8%、1.6トン上回った車もあった。
北海道科学大短期大学部の岩間大舗助教(自動車工学)によると、理論上は実際の車両総重量が10%増えれば、ブレーキをかけてから止まるまでの距離も10%伸びるという。
岩間助教は、「道内は冬が長く、緊急車両も凍結路面を走ることが多い。定期的に車両重量を計測することは安全性を確保する上で不可欠」と訴える。
出典
『道内19消防で過積載 計385台、総重量確認せず 安全性への認識に甘さ』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/301036/
(ブログ者コメント)
〇恵庭消防など4消防の個別事例は過去に本ブログで紹介スミ。
〇今回報じられた「新しい機能を備えた資機材に更新するたびに
重くなった」という件だが、それは変更管理の重要性を示唆
するものだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。