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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20221230939分にYAHOOニュース(中央日報)から、下記趣旨の記事が火災現場の遠景写真付きでネット配信されていた。

まさに阿鼻叫喚だった。

29日午後1時49分、京畿道(キョンギド)果川(クァチョン)第2京仁(キョンイン)高速道路、北儀旺(ウィワン)IC付近の防音トンネルで火災が発生し、5人が死亡、37人が負傷した。

消防当局によると、出火したのは安養(アンヤン)から城南(ソンナム)の方向へ向かっていた廃棄物回収用トラックのエンジンルームあたりだった。

トラックを運転していたAさん(63)は警察に、「車のエンジンの方から煙が出て車を路肩に停車させたが、火災が発生した」と伝えた。

その後、火がプラスチック材質の防音トンネルに移り、あっという間に大火災に広がった。

防音トンネルには換気口などがなく、出入口を除くと密閉された構造だ。

死者5人は、出火したトラックではなく、周囲を走っていた車4台(乗用車3台、SUV1台)で発見された。

最初に火災が発生したトラックとは反対方向(城南→安養)を走っていた車だった。

消防当局は風などの影響で反対車線の車内の人が煙を吸い込んで死亡したと推定している。

負傷者37人のうち3人は顔などにやけどを負う重症で、近くの病院に搬送された。

残りの34人は軽傷に分類され、13人が近隣病院に運ばれ、21人は現場で応急処置を受けて帰宅した。

火災区間内に孤立した車は計45台だった。
車両は全焼して骨組みだけが残った。
路上には溶けたタイヤやガラスの破片が散在していた。

消防当局と火災目撃者によると、火はプラスチック素材の防音トンネルの壁に移った後、現場の状況は急激に変わった。

火災当時、車でトンネルを通過していたイ・ヒョンソクさんは、「火災車両から赤いものが見えていたが、突然パーンという音がして、あっという間にトンネル全体が変わった」とし、「周囲は何も見えず、見えない中で何とか外に出てきた」と話した。

火災が発生した防音トンネルは2017年9月、第2京仁連結高速道路の開通と共に建設された。
全長830メートルほどだ。

火災当時の映像を見ると、数百メートルの区間が真っ赤な炎に包まれ、トンネルの両端からは真っ黒な煙が噴き出ていた。

この火災で防音トンネル600メートルが焼失した。

車両牽引のために現場に進入しようとしたレッカー車の運転手のソさん(35)は、「到着した時、トンネルの入口まで炎が広がっていて、消防車も中に入れなかった」とし、「中からはミサイル爆発のようパーンという音が聞こえ、多くの人が車を捨てて出てきたようだった」と話した。

・・・

https://news.yahoo.co.jp/articles/831541296d0225ad9192a9447cd5a15ed7a288f9

 

12301051分に同じYAHOOニュース(中央日報)からは、2016年に防音トンネル内の防災施設設置が義務付けられたが、防音パネルの不燃性能基準は指針に含まれなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

29日に発生した第2京仁(キョンイン)高速道路防音トンネル火災で5人が死亡し、30人余りが負傷した。

被害が拡大したのは防音資材が熱と火に脆弱で、短時間に炎が広がったためだと、専門家らは指摘する。

2016年に防音トンネル内の防災施設設置が義務づけられたが、防音パネルの不燃性能基準は指針に含まれず、事実上の死角地帯だったことが明らかになった。

消防・防災専門家らによると、火災が発生した京畿道果川市(クァチョンシ)第2京仁(キョンイン)高速道路北儀旺(ウィワン)IC付近の約800メートル区間の防音トンネルには、透明プラスチックのアクリル樹脂(PMMA)が防音パネル資材として使用されていた。

都心の高速道路に設置される防音トンネルには通常、PMMAやポリカーボネート(PC)、強化ガラスが防音パネル資材として使われる。

このうちPMMAは価格が最も安く、初期に集中的に使われたという。

半面、安全性は最も落ちる。

韓国道路公社傘下の道路交通研究院が2018年に公開した報告書「高速道路トンネル型防音施設の火災安全および防災対策樹立研究」によると、3種類の資材のうちPMMAの熱分解温度(300度前後)が最も低かった。

また、実際の模擬実験で火災で防音パネルが溶け落ちてもPMMAは燃え続ける特徴を見せた。

燃えやすく溶けやすいが、溶け落ちても燃えているため、火が雨のように降り落ちるということだ。

このため研究陣は、PMMA防音材を使用すれば他の車両に2次被害をもたらす可能性が高いと憂慮した。

防音トンネルに火がつけば480-3400度までトンネル内部の温度が上がるというシミュレーション実験結果を考慮すると、火災時にPMMAを使用したトンネルは短時間の炎に包まれる可能性が高いということだ。

今回の事故の火災映像と生存者の証言などによると、トラックから出た火が防音トンネルに移り、あっという間にトンネル全体に広がった。

一般のコンクリートトンネルと違い、防音材に移った火が徐行中または後方で停車した車に広がって被害が拡大した。

似た事例が2020年8月、京畿道水原市(スウォンシ)霊通区(ヨントング)の河東(ハドン)IC高架車道でも発生した。

ここでもPMMA素材が使用され、早朝に火災が発生して人命被害はなかったものの、防音トンネル200メートル区間が焼失した。

防音トンネルの防災基準は2016年に「道路トンネル防災施設設置および管理指針」が改正されて初めて導入された。

基本的に消火設備、自動火災探知設備、非常口などを備えなければならない。

しかし防音資材の不燃基準はない。

合成樹脂に分類される防音パネルは、合成樹脂に要求される消防庁の防炎性能基準さえ遵守すればよい。

このため専門家らはその間、防音トンネルの防音材不燃基準問題を何度か指摘してきた。

2019年4月に韓国防災学会で発表された研究報告書は「防音トンネルの火災安全性に関連する設置および品質規定は一つもないのが実情」と強調した。

ソウル市立大のイ・ヨンジュ消防防災学科教授は中央日報との電話で「防音トンネルはすべて可燃性材料を使用し、火災が発生すればコンクリートトンネルより脆弱」と説明した。

交通研究院研究陣も報告書で防音資材材質基準として▼透明防音パネルの熱分解温度は400度以上▼吸音型防音パネルの吸音材は準不燃以上の難燃性能--を満たすことを提案した。

しかし防音トンネル設置区間は増え続けている。

2018年基準で民資高速道路を除いても、13件の防音トンネルが設置された。

その後も首都圏をはじめ都心を通過する高速道路では防音トンネルの設置が増加傾向にある。

漢陽大のソン・チャンヨン防災安全工学科教授は、「道路交通公社は独自の規定を改正し、新しく設置する防音トンネルにはPMMAを使用しないが、2019年までに設置されたトンネルは放置されているのが実情」と話した。

今回火災が発生した第2京仁高速道路区間は2017年12月に開通した民資道路だ。

こうした民資道路が最近増えているが、管理会社がこうした規定を持っているかについて、国土部は資料がないと明らかにした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/935f8832cf68e63eb3040d7eba22df2510e9bbca

 

(ブログ者コメント)

日本ではどうなっているか気になるところ。
調べてみた結果、多くはポリカーボネート製だが、一部、アクリル製があるという写真付きの記事が見つかった。

2020826 19:28 乗りものニュース)

・・・

都市部の高速道路などは、両サイドが高い鋼製の防音壁(遮音壁)で覆われていることがあります。

たとえば外環道の埼玉県区間は、外から見るとまるでシェルターのように、道路を覆うような防音壁が設置されています。

高架下を併走する国道298号も同様ですが、外環道の高架橋が上空にあるため暗く、昼間でもライトを点灯して走るクルマも少なくありません。

こうしたなか、新しい道路を中心に採用が増えているのが、透明の防音壁です。

東京、環状2号線の豊洲と築地を結ぶ区間では全面的に採用されており、一部区間は上空まで透明の板で覆われているほどです。

2018年に暫定開通した東京の環状2号線の豊洲~築地区間では透明の防音壁を全面的に採用。

一部はトンネル状になっている20206月、乗りものニュース編集部撮影)

このほか、ドライバーの目線くらいの高さは透明、その上は鋼製にすることで見通しをよくしたり、鋼製壁の上方を透明板にしたりといった部分的な使用も見られます。

・・・

透明の防音壁の多くはポリカーボネート(自動車のヘッドライトカバーなどに使われる)製で、一部、アクリル製もあるといいます。

ガラスなどは割れた場合の安全性に問題があるため、「NEXCOの厳しい安全基準を満たすうえでも、(耐衝撃性に優れる)ポリカーボネートが現実的な素材」(積水樹脂)だそうです。

しかし、鋼製の防音壁は内側に吸音材があり、音を吸収する一方で、透明の防音壁は音を反射してしまうのだそう。

このため、仮に透明板を全面的に使用する場合は壁が高くなるケースがあるうえ、材質としてもコストは高くなるといいます。

そこで、前出した「鋼製板と透明板の組み合わせ」が使われるほか、道路の片側は鋼製壁、もう片側は透明壁を使うケースもあります。

たとえば、東京と千葉を東西に結ぶ京葉道路がこの方式で、上り線側は鋼製壁、下り線側は透明壁で主に構成されています。

・・・

https://news.line.me/detail/oa-trafficnews/k6lzwo788yt5 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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