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1月23日21時40分に和歌山放送からは、通過する車の振動で細い水道管が沈下し別の水道管に接触したことで管が腐食していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
予告した断水を急遽、取りやめたことで、市民生活が一部混乱した和歌山市の水道管工事で、市企業局はきょう(1/23)、異なる材質の水道管同士が長期間にわたって接触し腐食したことが水漏れにつながったと明らかにしました。
企業局によりますと、和歌山市の国道24号・花山交差点の地下で、加納浄水場と秋葉山配水池をつなぐ直径1・5メートルの送水管が、直径80センチの配水管から伸びた直径15センチの細い給水管の下を通り、交差していたとみられています。
水道管が交差する場合、通常、30センチ以上の間隔を空けて埋設しますが、今回の場合、花山交差点の交通量の増加で車の振動が大きくなり、細い給水管が沈下した可能性があるということです。
企業局は、「2つの水道管が接触し腐食したことで、直径1・5メートルの送水管が先に破損し、その後、送水管から漏れた水の圧力により、細い給水管も破損し、漏水していた可能性が高い」としています。
https://wbs.co.jp/news/2020/01/23/142833.html
1月23日21時57分に産経新聞westからも同趣旨の記事、ならびに水道料を一部減免するなど下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山市の水道管漏水問題で、国道24号の花山交差点(鳴神)付近に埋設された2本の水道管の接触が漏水の原因となった可能性が高いことが23日、市の調査で分かった。
花山交差点は交通量が多く、交差する2本のうち細い水道管が道路の振動で移動し、太い水道管に接触したとみられる。
漏水は今月8日に判明。
市は当初、19日夜~22日夜の3日間、市全体の5分の1にあたる約3万5千世帯(約8万人)を対象にした大規模断水を計画し、修繕工事に着手した。
しかし、漏水していたのは当初予想した基幹水道管(直径約80センチ)ではなく、この水道管から枝分かれした細い水道管(約15センチ)の漏水と判明した。
さらに、細い水道管に交差している、地元の浄水場と配水池をつなぐ別の水道管(約150センチ)からも漏水が見つかり、いずれも修繕を終えた。
その後も市が原因調査を進めていた。
市によると、本来は30センチほど離れていた細い鋳(ちゅう)鉄製の水道管が、交差する鋼鉄製の太い水道管と接触。
先に太い水道管に直径7、8センチの穴が開いて漏水し、その水圧などで細い水道管も破損し、漏水したとみられる。
現場の花山交差点は阪和自動車道和歌山インターチェンジ(IC)に近く、日常的に交通量が多い。
市は、長年の交通の振動で細い水道管が地中で移動し、太い水道管に接触。
異種金属の接触腐敗による漏水の可能性が高いと、ほぼ結論づけた。
市は今後、同じように交差している別の場所の水道管も調査していく方針。
◇
和歌山市の大規模断水騒動で、尾花正啓市長は23日の定例会見で、断水に備えて水道水をためたり、濁り水発生で余分な水を流したりした市民に対し、水道料金を一部減免する方針を明らかにした。
当初断水を計画した約3万5千世帯が対象となる予定。
一部減免する理由について、尾花市長は「本来使用すべき水道水ではなく、給水用に風呂の浴槽に水をためたり、濁り水の発生で解消のために水を使ったケースもある」と述べた。
一方、断水騒動で飲食店の休業や宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、市に損失補償を求める問い合わせが寄せられていることについては、市として過失はないとの見解で、補償には応じない考えを示した。
https://www.sankei.com/west/news/200123/wst2001230046-n1.html
以下は、1月20日1時10分に放映されたTBS NEWSの3コマ。
確かに交通量が多そうな道路だ。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3883643.html
2月2日17時20分に産経新聞westからは、断水せず工事する方法を模索していて発表が遅れた、国道下の水道管ゆえ立場が違う市と国で意見が対立していたが国に早期工事で押し切られたなど、下記趣旨の検証記事が上巻としてネット配信されていた。
和歌山市鳴神の国道24号花山交差点近くにある花山配水池。
1月8日早朝に突然、水圧の異変が見つかった。
市職員が漏水の可能性を疑い、車で周辺を調査。
午後2時ごろ、交差点地下に埋設された水道管からの漏水と確認した。
交差点は阪和自動車道和歌山インターチェンジ(IC)に近い交通の要衝。
市は、その日のうちに国道24号を管理する国土交通省和歌山河川国道事務所に状況を報告し、対応の協議が両者間で本格化した。
市は、花山配水池から直接、水が供給される基幹水道管の漏水の可能性を指摘。
断水せず漏水場所を挟んで両側に新たなパイプを設ける「不断水工法」と、数日断水した上で漏水場所に鉄板を巻きつける工法の2通りを提示した。
漏水現場はJR和歌山駅の東側にあり、市役所や県庁などがある市中心部の西側とは反対側だが、市中心部につながる基幹水道管だった。
仮に断水すれば、影響は市全体の5分の1にあたる約3万5千世帯(約8万人)に及ぶ。
そのため市は、当初から断水を避けられる不断水工法を国に強く勧めた。
× ×
しかし、市の思惑通りには進まなかった。
不断水工法に必要な器具について、市が日本水道協会や国内メーカー2社に問い合わせたところ、予備がないことが判明。
受注生産のため、完成までに約1カ月かかることも分かった。
さらに国交省側も不断水工法に難色を示した。
理由は、水道管の一刻も早い修繕の必要性だった。
漏水現場の交差点の交通量は1日約4万台と多く、不断水工法にすれば漏水が続き、地中の空洞化が起こることも懸念された。
国交省の幹部は、「市内でもとりわけ交通量の多いエリア。漏水発覚後は、いつ大陥没が起きるか分からない状況だった」と振り返り、「道路を管理する側としては、(不断水工法で)1カ月も放置できなかった」と証言する。
不断水工法を主張し続けた市も、「大陥没で車が落ちて人が亡くなる事態になれば、誰の責任というレベルの話ではなくなる」などとする国交省側の反論に押し返された。
市幹部は語る。
「最終的に断水を決断したのは発表前日の(1月)15日だった」
× ×
市が、3日間に及ぶ異例の大規模断水を発表したのは、実施3日前の1月16日夕だった。
発表されると、市民は飲料水などを買い求めてスーパーなどに殺到。
飲食店や宿泊施設が相次いで臨時休業を決めるなど、市民生活に大混乱を巻き起こした。
それも承知の上で踏み切った大規模断水について、市幹部は「国道の地中に市の水道管があるというのは、国道の下の土地を市が国から借りているということ。市だけの判断で工事は実施できず、それが水道行政の難しいところ…」と唇をかむ。
水道行政に詳しいある市議も、「最後は市が国に押し切られたということでしょう。漏水場所が市道の下だったら、市は事前調査に時間をかけて、間違いなく不断水工法で修繕していた」と同情する。
断水を開始する予定だった1月19日夜。
現場には、じっと険しい表情で立ち尽くし、作業を見守る尾花正啓市長の姿があった。
過去には県の道路局長を務めたこともある「土木の専門家」(仁坂吉伸知事)。
最終的に断水を伴う工法を選択せざるを得なかったことに、思うところが多々あったのだろうか-。
現場を掘削した結果、漏水は基幹水道管ではなく、枝分かれした細い管と判明。
断水しないまま修繕し、同20日未明に作業は無事完了した。
大規模断水を回避した同日午前。
すでに市には、断水についての問い合わせや苦情が殺到していた。
市対策本部で会見した尾花市長は、「住民に大混乱を与え、周辺で経済活動をされている方にも大きな影響を与え、申し訳ない」と深々と頭を下げ、謝罪した。
一方で、無念の心情を吐露するかのように、こんな言葉も口にした。
「国交省とも協議を進め、断水計画の対応をせざるを得なかった。苦渋の決断だった…」
◇
市民生活を大混乱に陥れた和歌山市の断水計画。
突然の発表や市民の飲料水確保騒動、最終的な断水取りやめ…と対応に追われた舞台裏を検証する。
https://www.sankei.com/west/news/200202/wst2002020012-n1.html
(3/3へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。