2016年10月14日20時41分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月14日13時47分に共同通信から、10月14日17時1分にNHK首都圏NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前9時50分ごろ、東京都港区六本木3丁目の11階建てマンションの10階部分から工事用の鉄パイプが落下、歩道を歩いていた男性を直撃し、男性は間もなく死亡した。
パイプは、落下物から歩行者を守るための防護板の隙間を通ったとみられ、警察は、安全管理に不備があった疑いがあるとみて、業務上過失致死容疑で調べている。
警察などによると、死亡したのは新宿区の無職男性(77)。
鉄パイプ(長さ約1.8m、幅約3cm)は約35mの高さから落ちてきて、妻と一緒に歩いていた男性の頭部に突き刺さり貫通した。
妻にけがはなかったという。
刺さったほうの先端は薄くなっていた。
現場のマンションは、外壁の改修工事のために組まれた足場を解体する作業中で、事故当時、10階付近では作業員数人が作業していた。
また、現場では地上から高さ約6m付近に落下物防止用の、ひさしのような防護板が設置されていたが、中央部分に約3.5mにわたって隙間が開いていた。
工事を請け負った会社によると、足場の解体後、資材を地上に下ろすために一部の防護板が外されたという。
鉄パイプは、ここを通って男性を直撃したとみられる。
建築現場や解体現場での足場の落下事故を防ぐため、国は、法律や手引きで基準を定めている。
国交省によると、建築基準法などでは、工事現場が道路や住宅に近かったり、地上から7m以上の高さにあったりするなど、足場が落下すると周囲の人に危害が及ぶおそれがある場合には、工事現場の周りを鉄製の網や布で覆うなど、被害を防ぐ措置をとるよう定めている。
また、建設業向けのガイドラインでは、鉄製の網や布が落下の衝撃に十分耐えられるようにすることや、必要に応じて防護柵を設けることなども求めている。
一方、厚労省は、作業者の安全を確保する観点から、労安法に基づく規則で、足場に防護ネットなどを設置することや、鉄パイプなどを運ぶ際には網や袋で覆った上で上からつるして下ろすこと、それに毎日の点検方法など、作業を安全に行うための手順を定めている。
出典
『鉄パイプ、防護板の隙間から落下か 六本木の事故』
http://digital.asahi.com/articles/ASJBG5DVPJBGUTIL03T.html?rm=390
『鉄パイプ落下、頭に刺さり死亡 歩行者男性、東京・六本木』
http://this.kiji.is/159490933952462853?c=39546741839462401
『鉄パイプ 防護柵隙間を落下か』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20161014/3533191.html
10月15日22時0分に朝日新聞から、10月15日21時0分に読売新聞から、10月16日0時50分に毎日新聞から、10月17日12時18分に共同通信から、10月17日22時52分に産経新聞からも、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。
警察によると、鉄パイプの両端の穴にグラビティロックと呼ばれる留め具を差し込み、外壁のタイル工事に使う足場を組み立てていた。
事故があった14日は、外壁工事で使った足場の解体作業が午前9時ごろに始まった。
10階付近で作業員1人が解体し、2人が資材をひもで束ねてロープで地上に下ろす作業を、繰り返していた。
このため、下の歩道(幅約5m)にコーン標識を使って幅約1mの歩行者通路を設け、誘導員2人を配置した。
誘導員は、真上で作業が続いている間も、断続的に通行人を行き来させていた。
歩道のマンション寄りの部分への立ち入りは禁じていたが、歩行者通路は、資材を下ろす時のみ通行を規制し、解体して束ねる作業中は通行を認めていた。
パイプが落下した午前9時50分ごろは資材を束ねる作業中だったため、歩行者通路は通れる状態だった。
誘導員が上を見たところ、作業員が回収した鉄板をひもでくくっている様子が見えたことから、「今は資材を下ろしていない」と判断し、亡くなった男性を通行させたという。
落下したパイプは、作業員が束ねていた資材とは別のもので、作業員は、「真下の足場の鉄パイプが、気がついたら落ちていった」などと説明しているという。
付近の足場には、留め具だけが残されていた。
警察は、固定が不十分だった可能性があるとみて、業務上過失致死容疑で調べている。
出典
『警備員、歩道の一部で通行人止めず 鉄パイプ落下死亡』
http://digital.asahi.com/articles/ASJBH5FKYJBHUTIL00W.html?rm=433
『鉄パイプの留め具が外れ落下か…六本木事故』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161015-OYT1T50103.html?from=ycont_top_txt
『パイプ落下事故 鉄板の回収作業中だった 東京・六本木』
http://mainichi.jp/articles/20161016/k00/00m/040/090000c
『足場の鉄パイプ1本が欠落 マンション、男性死亡事故』
http://this.kiji.is/160587913485778947?c=39546741839462401
『「作業中、通行させることも」 建設業者が会見』
http://www.sankei.com/affairs/news/161017/afr1610170046-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。