2016年10月13日付で毎日新聞東京版夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月12日20時15分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ラーメンチェーン店「K」(本社・福島県郡山市)の静岡市の店舗で提供されたラーメンに、人の親指の一部が混入していたことが分かった。
パート従業員が調理中に過って指を切ったといい、同社は、同市保健所に始末書を提出した。
市保健所や同社によると、静岡S店で、9月10日正午ごろ、子連れの女性客が、子どもが食べていたラーメンに人の指のような異物が入っているのに気付き、店に伝えた。
異物は爪がついた左手親指の先端部分で、長さ7〜8mm、幅約1cm。
2日前の9月8日、同店の女性従業員が電動スライサーでチャーシューをスライスしていた際に切ったが、指先はその場で見つからなかった。
そのまま、チャーシューの容器に入ったとみられる。
保健所は、ほかに混入がないかの確認や、調理器具の消毒などをするよう指導した。
従業員に感染症などの疑いはないという。
同社は、「今後、再発防止を図っていく」としている。
出典
『異物混入 調理で切った指、一部ラーメンに 静岡の「K」』
http://mainichi.jp/articles/20161013/dde/041/040/048000c
『ラーメンに人の親指?混入 静岡のK、保健所が指導』
http://www.asahi.com/articles/ASJBD64L0JBDUTPB01S.html
10月15日18時54分に朝日新聞からは、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。
従業員が指を切断したのは混入の2日前だったことが、14日、静岡市保健所への取材でわかった。
保健所は、この2日間に他の客に提供された分にも影響した恐れがあるとして、K側に報道発表するよう求めたが、応じなかったという。
一方、K本社は、朝日新聞の取材に対して、当初、「混入したのはツメの一部」などと答えていたが、14日に、「再確認したら指だった」と改めた。
同社ホームページでも、13日付で「一部報道に関するお詫びとお知らせ」として、「爪の一部を欠損し、その一部が混入」と説明していたが、内容を訂正するという。
市保健所が同社から受けた報告によると、パート従業員がチャーシューを切る際に指を切断したのは9月8日昼ごろ。
切れた指は探さなかったといい、チャーシューを保存する容器内に入り込んだ可能性が高いという。
同社のマニュアルでは、容器内のチャーシューは24時間で廃棄する決まりになっていたが、日付ラベルの張り間違いなどの手違いから、そのまま保存。
2日後の10日昼、客のラーメンから指が見つかった。
保健所は、8~10日の間にチャーシューの入ったラーメンを食べた人が複数いることから、「ほかにも手袋の一部や血液が混入した可能性があるのではないか」として、同社に報道発表を求めた。
だが、同社側は「必要ない」と応じなかったという。
さらに、保健所が混入の経過などを書いた申立書を提出するよう同社に求めたのは9月13日だったが、受理は10月4日になった。
混入したのは長さ7~8mm、幅約1cm、厚さ約5mmで、指紋もある「指」だったにもかかわらず、同社が申立書に「ツメ」と記入するなどしたことから、何度も書き直しを指導したためだという。
K本社の武田専務は、14日、取材に対し「きょう写真を確認、再調査した。今思えば、保健所の指示通りに発表もするべきだった」などと話した。
けがをした従業員は病院で治療を受け、今月上旬から職場復帰したという。
同社は、労働災害申請などの手続きについては、「適正に行っている」としている。
■異物混入の経過
9月8日 パート従業員が親指を切る
10日 指先が混入したラーメンを客に提供
12日 客からの苦情で、市保健所が店側に事情聴取
13日 保健所が店へ立ち入り調査。申立書提出などを求める
(この間、申立書の書き直しなどを繰り返し指導)
10月4日 保健所が申立書を受理
6日 保健所が始末書を受理
出典
『K、ずさん対応浮き彫り ラーメンに指混入で』
http://digital.asahi.com/articles/ASJBG5T13JBGUTPB00T.html?rm=412
10月17日付でKから、原因分析や今後の対応などが記されたお知らせがネット配信されていた。
文中、指先が混入した経緯については、下記趣旨で説明されている。
〇チャーシューの仕込み中、仕込み担当者はゴム手袋を着用して作業しているが、事故当時、ゴム手袋の指先部分は切断されず、つながったままだった為、指欠損部分を探すことを失念し、スライサー周辺を探さなかった。
〇既に仕込み済のチャーシューは、廃棄処分とせず、仕込み済食材として、厨房内の所定場所に保管した。
〇チャーシューは、本来、24時間で廃棄し、目安として仕込み時間を示すシールを容器に貼って保管することになっているが、事故への対応と混乱から、シールを貼り忘れたまま、保管した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。