2022年7月11日7時5分にYAHOOニュース(ITmedia NEWS)から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
シンガポール国立大学と韓国Yonsei Universityの研究チームが開発した「Detecting counterfeit liquid food products in a sealed bottle using a smartphone camera」は、スマートフォンのカメラのみで、開封前の密封されたボトル内の液体内容物に不純物が混入されていないかを検出するシステムだ。
密封されたボトルを逆さにし、それによって上昇した気泡の形や動きをカメラで捉え、機械学習で分類して、不純物かどうかを予測する。
オリーブオイル、はちみつ、アルコールなどの液体食品の偽造が多く報告されている。
世界保健機関(WHO)は、世界で消費されるアルコールの25%が偽造品であると推定しているという。
これらの事例の急増は、偽造者が粗悪品を混入したり、大量の正規の液体内容物をより安価な代替品に置き換えたりするため、経済的利益を得ることに起因していると考えられる。
混入される不純物は、しばしば死亡事故につながる有害な健康問題を引き起こす可能性がある。
しかし、偽造品は容易に入手できる本物の瓶に包装され、工場の基準に従って密封されているため、一般消費者が混入した液体内容を検出することは極めて困難である。
ボトルを開けることなく液体の内容物を分析しようとする最先端のソリューションもあるが、専門的で高価な装置を使用するため、一般に利用することはできない。
この課題に対して、ボトルの中に封入された液体内容物の情報を取得するために、一般的なスマートフォンのカメラを利用した液体偽造品検出システム「LiquidHash」を提案する。
LiquidHashの基本的な考え方は、ボトル内の気泡の形や動きから液体の性質を推測することだ。
これは液体の特性、特に密度、粘性、表面張力が、気泡の半径、縦横比、気泡が上部に上昇する際の終端速度に影響を与えるためである。
よって、観測された気泡からこれらの特徴を定量化することで、異なる液体製品を区別できる。
区別するために、ノイズの多い環境下でも気泡の特徴を抽出し、その特徴を利用して不純物混入の液体を分類するために機械学習モデルをトレーニングした。
ユーザーは、密閉されたボトルを逆さに回転させながら、スマートフォンのカメラで上昇する気泡を検出し、泡の形と動きをスローモーションで記録する。
この記録を分析し、画像を処理して、その液体製品が本物か不純物かを判断する。
実際にLiquidHashを実装し、エクストラバージンオリーブオイル、純粋な生蜂蜜、ウオッカの3種類の本物の液体と8種類の不純物を用いて、条件を変えた実環境実験を行い、その実現可能性を評価した。
複数の参加者に異なる液体の入ったボトルを回転させながら、スマートフォンのカメラで撮影してもらい、500分以上の録画データを収集した。
その結果、LiquidHashは最大で95%の検出精度を達成し、その有効性を実証した。
※テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。
新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1befd2b64f3ed616085746429106ae857f27bf61
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。