2022年7月13日20時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
アスベスト(石綿)が原因とされるがん「中皮腫」にかかるリスクについて、消防士は一般の人々と比較して1・58倍高いと推計されることが、国際がん研究機関(IARC)の調査で判明した。
調査結果を踏まえ、IARCは石綿を「人に対して発がん性あり」と分類した。
国内では、消防士が公務で中皮腫にかかったとして補償を求めても、なかなか認定されないケースが多い。
今回、消防士が一般的に中皮腫を発症しやすいことが国際的に認められたことで、補償が進みやすくなると識者はみている。
分類理由などの概要は、国際的な医学誌ランセット・オンコロジーのオンライン版に1日、掲載された。
IARCは世界保健機関(WHO)の組織で、フランス・リヨンに本拠を置き、物質や食物などのほか、職種による発がんの危険性などについて証拠を集め、分類している。
消防士は世界中で1500万人以上いるとされる。
今回、専門家25人が会議を開き、消防士について、中皮腫とぼうこうがんにかかりやすいという十分な証拠が存在すると結論付けた。
消防士は、消火や災害救助の活動などを通じて、建物に耐火材などとして使われている石綿の粉じんなどにさらされる危険がある。
ぼうこうがんについては、有機物の不完全燃焼や熱分解などで生成する化学物質「多環芳香族炭化水素(PAHs)」やばい煙などが、発がん因子として最も考えられるという。
国内では、民間の中皮腫での労災認定者は2005年度以来、毎年度約500人おり、認定率は過去20年の平均で93・8%と高率だ。
一方、地方公務員災害補償基金によると、消防職員が中皮腫にかかり、公務災害による補償を申請した件数は21年3月末までに21件あるが、認定は11件と、約半数にとどまっている。
民間の相談団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京)所長の名取雄司医師は、「従来、中皮腫の公務災害認定では、石綿が使われた場所で働いたという同僚の証言などが要求され、民間の労災に比べて認定されにくい実情がある」と指摘。
今回のIARCの決定について「消防士は普通に仕事をしていれば、中皮腫になりやすいとされたのだから、一定期間勤めて発症したら、仕事上の災害と認めることを原則にしてもよいはずだ」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20220713/k00/00m/040/214000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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