2019年3月4日11時58分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年9月、台風21号の影響で連絡橋にタンカーが衝突し、機能を失った関西国際空港。
道路、鉄道といったアクセス機能とともに、懸命な復旧作業が続けられたのが「電話、インターネット通信」だ。
橋桁が最大で約4mもずれた衝撃で、NTT西日本の通信ケーブルは切断された。
不通になった約790回線を復活させるため、集められた30人の奮闘が始まった。
タンカーは衝突したまま波に揺られ、ガス漏れへの警戒から電気がつけられない暗闇の中、橋とこすれ合う不気味な音が聞こえる。
網状の足場の下は海。
工具を落とせば回収できない。
9月4日午後1時45分ごろにケーブル切断を把握した同社が、状況確認のため担当者らを現場に送り込んだのは、台風が過ぎた同日夜。
同社の協力会社、ミライト・テクノロジーズ(大阪市西区)の梅垣さんは、過酷な状況に「いつ復旧できるか、目途もつかないと感じた」と振り返る。
5日午前、NTT西で対策会議が開かれ、30人の復旧作業担当チームが結成された。
切断箇所をつなぎ合わせるため、1.2kmに及ぶ通信ケーブルを緊急に手配。
6日早朝、チームは10トントラックにケーブル、機材を乗せて現場に入った。
ケーブルは、連絡橋の破損部分で傷がつかないよう、ところどころ迂回させながら通していく。
時間短縮のため、ケーブルを延ばしていく作業と敷設する作業を同時に進めた。
作業中、7日に国内線が再開されるという情報が入った。
チームの班長として現場を指揮したミライトの生駒さんは、「国内線再開前に絶対復旧させるという意地しかなかった」。
陸地に戻って休憩する時間を惜しみ、食事の調達もあきらめて作業を続けた。
6日夜、完了。
NTT西は、通信サービスが回復した時刻を同日午後9時7分ごろと発表。
不通を把握してから、わずか55時間。
ミライトの中部(なかべ)・大阪技術センター長は、「自宅が被災していた作業員もいた。ただ、感謝しかない」と話す。
タンカーの衝突という想定外の事態で被害を受けた通信回線。
今回は、タンカーがぶつかった下り線側に回線が集中していたという不運もあった。
これを教訓にNTT西は、1つの回線が切断されても他でバックアップできるよう、新たな回線の敷設を始めた。
厳しい現場を乗り切った生駒氏は、「チームに選ばれ、頼りにされていると思えてうれしかった。家族も喜んでくれる仕事ができてよかった」と話す。
出典
『「絶対に復旧させる」 電話、ネット通信をめぐる関空連絡橋55時間のドラマ』
https://www.sankei.com/west/news/190304/wst1903040014-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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