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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2025331658分にYAHOOニュース(FNNプライムオンライン)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

神戸市・三ノ宮駅近く、商業ビルで発生したエレベーター事故。

「エレベーターの地下1階に人が倒れている」
通報があったのは、227日の午前4時頃。

カラオケ店の従業員が、利用者が乗る「かご」がない状態でエレベーターの扉が開いているのを発見。

その後、作業員が確認をしたところ、「ピット」と呼ばれる地下1階部分に、男性があお向けで倒れているのを見つけたといいます。

 

■地下1階で発見…一体何が?

男性は芦屋市に住む医師の田中さん(31)。
搬送先の病院で死亡が確認されました。

捜査関係者によると、田中さんは知人とカラオケ店の4階の部屋を利用していて、1人で部屋を出た後、行方が分からなくなっていたということです。

警察は、田中さんが4階から地下1階まで誤って転落した可能性があるとみて、業務上過失致死の疑いも視野に調べています。

事故が起きたエレベーターは1977年に設置。

20246月の年1回の法定点検と202412月に行われた3カ月に一回の定期点検では、異常はなかったということです。

ビルは地下1階から地上8階建てで、エレベーターは2階から8階を移動。
1
階と地下1階からは、一般の人が出入りすることはできません。

点検の際、かごはビルの2階部分に停止していたといいますが、田中さんが見つかったのは地下1階でした。

一体、何が起きたのでしょうか?

また、今回のような事故は、私たちが普段使うエレベーターでも起きる可能性はあるのでしょうか?

エレベーターの仕組みや保守点検に詳しい、日本エレベータ保守協会理事の田中氏に解説していただきました。

 

■エレベーター 扉やかごの仕組みは?

倉田アナウンサー:
「かごが停止していたのは2階で、男性が倒れていたのは地下1階ということですが…どんなことが考えられますか?

田中氏:
「エレベーターが4階に到着したときに何らかの不具合が発生して、エレベーターのかごだけが上昇するということで、乗り場の扉が開いた状態で空洞になったのではないかというふうに考えられます。

突然扉が開いた状態で、かごもないので落下するというような危険な状況が起こったのではないかと思われます。

倉田アナウンサー:
「そもそも、エレベーターの扉の開閉はどのように行われるものなのでしょうか?

田中氏:
「エレベーターの扉自体は、各階の乗り場の扉とかごの扉という形に分けられます。

各階の扉自体は、実は動力がないので、かごが到着してかごの扉が開くと同時に、乗り場の扉が連動して開いていくということです。

ですので、今回、4階で乗り場の扉が開いていたということは、我々にとっても理解しにくいような状態になっております。

今回のような事故を防ぐため、『戸開走行保護装置』というものがあります。

エレベーターのドアが開いたままかごが動いてしまった場合、そのことを検知してロープを挟み込むことによって、かごを緊急停止させる装置です。

この装置のきっかけは、2006年に起きた、突然上昇したエレベーターのかごの床と天井に挟まれ高校生が死亡した事故。

2009
928日から設置が義務づけられていますが、これ以前のエレベーターには設置義務はありません。

今回のエレベーターにはついていたのかどうか取材したところ、「捜査中のため回答を控える」ということでした。」

倉田アナウンサー:
『戸開走行保護装置』の設置率(2023年度時点)は全国で37%となっています。
専門家の方から見てもなかなか進んでいない状況なのでしょうか?」

田中氏:
「やはり現場の方では費用もかかりますし、エレベーターを停止して工事をしていくこともありますので、なかなか『戸開走行保護装置』が広まるということは難しい状況にはあります。」

 

■利用者が身を守るためには?

田中氏:
「全国の6割近いエレベーターに『戸開走行保護装置』が設置されていない現状を考えると、エレベーターが到着した際に必ず、かごがあって扉がしっかり開いたということを確認していただくということが、ものすごく大事だと思います。

『戸開走行保護装置』が設置されているものには、エレベーターのかごの中に『戸開き走行防止』のマークが絶対に貼られているので、そちらも確認してください。

ジャーナリスト 風間氏:
「個人的に思うのは、1万回に1回あるかないかみたいなことに日常的に備えるというのは、非常に厳しいんですよ。

いつもエレベーターに乗るたびにマークを確認したり、かごがあるかないか確認したりする作業は、事実上不可能。

僕が思うのは、必ず誰かが降りてくるっていう前提でいるんです。

そうすると、エレベーターが止まって扉が開いた、で、一呼吸待つ。

それが日常化していれば、意外と、かごがないということの発見に結びついても、おかしくないんじゃないかなと思います。」

田中氏:
「そうですね、エレベーターが到着して、扉が完全に開ききるというような、一呼吸置いて確認をして乗るということが大事だと思います。

開き途中、閉じる途中に駆け込んでエレベーターに乗るということは、今回のようなことではなくても、ケガや事故につながるという恐れがありますし、扉が勝手に開くという構造ではありませんので、到着してかごがないということはあり得ることではないのですが、扉が開いていたという状況を見たということであったり、何らかの不具合がある際には所有者や管理者にご連絡いただいて、不具合の状態を正常に戻すということが、第一の問題ではないかなと思います。」

 【画像】エレベーター事故はなぜ起きた?考えられる当時の状況はこちら

(「めざまし833日放送より)

https://news.yahoo.co.jp/articles/6155dc365d3dcfa946f55cf27134a8afc068709b

 

2282238分にYAHOOニュース(mBSニュース)からは、死因は血気胸だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

警察によりますと、司法解剖の結果、田中さんの死因は、背中を強く打ち肺の中に血液がたまったことによる「血気胸」だということです。

  【画像を見る】規制線がはられたビルの様子は?

https://news.yahoo.co.jp/articles/b9abf3e0d4bf2f4252350601ab2653c8b6621894

 

(2025年12月20日 修正1 ;追記)

202512151844分にYAHOOニュース(読売テレビ)からは、保守管理会社の担当者が安全装置をオフにして作業し、その後元に戻していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づきタイトルも修正した)

今年2月、神戸市のビルで、エレベーターの空間の底で男性が倒れているのがみつかり、その後死亡した事故で、数か月前の作業の際に、エレベーターの安全装置が切られたまま放置されていたことが、新たにわかりました。

エレベーターは本来、「安全装置」によって、「かご」がない状態では扉は開かない仕組みになっていますが、捜査関係者への取材で、事故の数か月前に、保守管理をする会社の担当者が「安全装置」をオフにして作業をしたまま元に戻さず、そのまま放置していた可能性が高いことが新たにわかりました。  

警察は、業務上過失致死の疑いも視野に捜査を進めています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/51d4f490c594c6fa120ce773f43ad336bad2bbed  

 

1216730分に読売新聞からは、制御盤の配線を付け替えて安全装置を切っていた、扉が開いていた理由は未だ不明など、下記趣旨の記事が事故状況の説明図付きでネット配信されていた。

捜査関係者によると、男性社員は県警に対し、この点検より前にエレベーターに不具合があるとの通知を受け、作業をしやすくするため制御盤の配線を付け替えて安全装置を切り、乗り場側の扉が開いていてもかごが動くようにしたと説明したという。

一方で、4階の乗り場側の扉が開いたままになっていた理由は、わかっていない。

扉は通常、かごがない状態で開かない仕組みになっており、扉が開いた経緯や原因について県警が捜査を続けている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20251216-GYT1T00095/

 

121950分に読売新聞からは、作業をしやすくするために安全装置を切っていた、その後に定期点検した担当者も安全装置が切られていることに気付かなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

昨年12月に定期点検をした保守管理会社の担当者が、安全装置が切れた状態を見落としていたことが、捜査関係者への取材でわかった。

点検前、別の社員が安全装置を切って放置していたことが判明しており、兵庫県警は複数の過失が重なったとみて、業務上過失致死容疑を視野に調べている。

事故を巡っては、エレベーターの製造元で保守管理も行う「三菱電機ビルソリューションズ」の男性社員が数か月前、不具合があるとの連絡を受け、エレベーターを確認。

作業をしやすくするため、制御盤の配線を付け替えて安全装置を切り、乗り場側の扉が開いたままでも「かご」が動く状態にしていた。

捜査関係者によると、その後の昨年12月5日、同社の定期点検の担当者が制御盤を確認した際、安全装置が切られていることに気づかなかった。

担当者は同社に「異常なし」と報告していたという。

https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20251218-GYO1T00168/

 

(2025年12月24日 修正2 ;追記)

(ブログ者コメント)

以下は公表された報告書の記述抜粋。
安全装置を切った人と、その後2回定期点検した人が同じ人だったのか別の人だったのかは不明。
(作業員A、作業員B・・・という形では記されていなかった)

2.9 保守点検内容に関する情報

・各階ドアインターロック点検では開方向の衝撃で扉が開放しないこと、インターロックが外れている時にかごが動かないことについての点検、制御盤内の基板点検では各コネクタ配線の整理状況についての点検を行うこととなっていた。

9 月と 12 月の保守点検における、各階ドアインターロック点検では、点検時に扉の開閉に問題がなかったことから、異常なしと判断し、標準 保守作業手順書に記載の本来行うべきインターロックが外れている時にかごが動かないことについての点検が行われていなかった。

・令和 6 12 月の保守点検における、制御盤内の基板点検では、コネクタ上を短絡した導線の設置が正常な状態ではないことに気づかず、異常なしと判断していた。

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001972240.pdf 

 

20251223140分に読売新聞からは、調査報告書が公表された、配線付け替え後の定期点検では2回とも手順書通り確認せず付け替えを見落とした、扉は誰かが開けていた可能性が高いなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づきタイトルも修正した)

国土交通省が23日、調査報告書を公表した。

保守管理会社の社員が安全装置を切ったまま放置し、定期点検の担当者が計2回、「異常なし」との報告書を作成していた。

扉が開いていた原因は「人為的に開かれた可能性が高い」とした。

周辺に防犯カメラはなく、扉を開いた人物や時間帯は特定できなかった。

調査は有識者らでつくる国交省の昇降機等事故調査部会が実施していた。

報告書によると、エレベーターの製造元で保守管理も行う「三菱電機ビルソリューションズ」の男性社員が昨年6月、地震感知器の修理で出向き、作業のため制御盤の配線を付け替えて安全装置を切った。

乗り場側の扉が開いたままでも「かご」が動く状態になったが、社員は制御盤の配線を元に戻すことを失念。

安全装置が切れたままになった。

定期点検の担当者は昨年9、12月に点検を行ったが、乗り場側の扉が開いた状態でかごが動かないかどうかの確認を手順書通りにしていなかった。

配線の付け替えを見落とし、いずれも作業報告書に「異常なし」と記載していた。

調査部会は事故機での検証結果も踏まえ、安全装置が切られたことで、乗り場側の扉が開いてもかごが上下する状態だったと断定。

扉が開いたままだった原因については、扉に物が挟まった状態でかごが動いた後、誰かが物を引き抜く際に扉が開く方向に力が加わり開くなどした可能性が高いと結論づけた。

調査部会は、保守点検や修理で通常と異なる作業を行った場合は記録を残し、確実に復旧を確認することや、定められた点検手順を徹底するよう国交省に求めた。

兵庫県警は、複数の過失が重なって事故が起きたとみて、業務上過失致死容疑で捜査。

社員らから事情を聞き、捜査を進めている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20251223-GYT1T00212/ 

 

1223146分にYAHOOニュース(神戸新聞)からは、地震感知器誤作動の原因を点検していた、通常と異なる方法で安全装置を切ったため復旧を失念したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

報告書によると、作業員は昨年6月、地震感知器動作信号の誤作動を受け、出動。

すべての階の扉が閉まっていないと人が乗る「かご」は動かない仕組みだったが、制御盤の配線を付け替えて安全装置を切り、扉が開いたままでもかごが動く状態にして作業した。  

この作業は「通常とは異なる方法」だったため、安全装置の復旧を失念したまま、作業を終えたという。  

事故が発生するまで、保守点検が昨年9月と12月の2回行われたが、作業員は手順書通りに点検せず、安全装置が切られていることに気づかなかった。

いずれも「異常なし」と報告されていた。  

死亡した男性は4階のカラオケ店を利用しており、エレベーターの4階扉はかごのない状態で開いたままだった。

報告書は「扉で何かしらの物が挟まり、エレベーターが走行したのち、扉を人為的に開いたり物を引き抜いたりする動作で扉が開いた」と分析しつつも、同部会は「4階の扉がいつ、どのように開いたかは分からない」と述べた。  

再発防止策として、マニュアルと異なる方法で作業する場合、作業を記録し通常の状態に復帰するよう指導することなどを挙げた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/afb9db2383121325100490073e57c4445941614e  

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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