2019年5月18日14時34分に高知新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【松山市は普及 大人が率先】
18歳以下の子どもは自転車に乗る際にヘルメットをかぶってもらおう、という高知県自転車安全条例が、施行から1カ月半過ぎた。
しかし、高知市で朝夕の通学路や街を見渡すと、ヘルメット姿の子どもはほとんど見掛けない。
なぜ?
春の全国交通安全運動を控えた10日。
午前7時半、高知市梅ノ辻の鏡川に架かる「潮江橋」では、登校する中高生の自転車がぐんと増えてきた。
そのほとんどが・・・ノーヘルだ。
ヘルメットをかぶっている生徒を数えてみた。
8時までの30分間に橋を渡った生徒283人のうち、わずか16人。
高校3年男子は、「周りにもほとんどいない。かぶった方がいいと知ってるけど、自分だけ『浮く』のはちょっと」。
2年女子は、「ママチャリやき。スポーツ用ヘルメットはかっこ悪いき」。
1年男子は、「なんで18歳以下だけ? 大人だって事故のリスクは同じだと思うけど」。
そう言い残し、すいーっと去っていった。
4月1日の施行後も変わらない風景。
普及しない理由の一つに、子どもを取り巻く「ルール」の構造がある。
【高校校則はゼロ】
県条例11条にはこうある。
「保護者は、児童らが自転車を利用するときはヘルメットを着用させるよう『努めなければならない』」
あくまで保護者に対して、その子どもにかぶらせよう、という内容。
いわゆる努力規定で、罰則などもない。
校則はどうか。
自転車通学を認めている県内の小学校64校(高知市1校)は、全て着用を義務化している。
中学校では76校が義務化しているが、高知市内は3校だけ。
高校に至っては、全47校でゼロ。
県警が4月の施行直後に行った調査では、中学生の着用率は高知市が5.9%と、本紙記者が潮江橋で数えた調査とほぼ同じだが、同市以外は74.9%。
つまり、高知市が「着用ルール」の網からすっぽり抜けている。
市内の県立高で交通安全を担う教諭がつぶやく。
「毎年、生徒の事故が起きてるし、かぶってほしいが・・・。お金もかかるし、義務でもないし。施行後すぐ校則に、ともいかない」
【縛り方次第?】
一方、同じ「努力規定」でも、街の風景が一変した自治体もある。
お隣の愛媛がそうだ。
愛媛は2013年7月に条例を施行。
高知と違うのは、着用を求める対象を「自転車を利用する全ての人」としたこと。
その結果・・・。
16日、松山市の愛媛県庁。
出勤する職員を本紙記者がチェックした。
150人のうち、かぶっていたのは実に148人。
近くを登校する中高生も、500人まで数えたが、非着用はたった4人。
街を行くヘルメットはカラフルでデザインも多様。
むしろ、かぶってない方が「浮いて」いた。
愛媛も、ここまで来るのに曲折があった。
13年の施行後、県職員の着用率は11.5%と低迷した。
だが15年2月、県職員が率先してかぶる「着用宣言」を採択し、状況は一変する。
わずか3カ月で県庁で100%を達成するとともに、そのすぐ後には県立高生の全員にヘルメットを無償配布し、校則で着用を促した。
今年4月時点の全世代の着用率は69.1%だったという。
記者が見る限り、通勤・通学が一段落した午前8時半以降は着用率はぐんと下がり、高知市とさほど変わらない風景に戻った。
子どもと公務員が先行し、率先している格好だ。
記者は10日朝、高知県庁でも調べた。
出勤した215人のうち、着用は5人。
県民生活・男女共同参画課の担当者は、「強制できない。職員の自主性に任せている」とする。
高知で条例制定に動いた県議らは、着用の進まない現状に、「努力」の対象を広げる改正も視野に入れているという。
問われているのは、「18歳以下」ではないのかもしれない。
出典
『なぜ増えない?生徒のヘルメット 自転車条例施行1カ月半の高知市』
https://www.kochinews.co.jp/article/277748/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。