2019年5月20日16時34分に朝日新聞から下記趣旨の記事が、土煙状態の写真付きでネット配信されていた。
20日午後1時ごろ、北海道浦幌町の道東道本別インターチェンジ(IC)と浦幌IC間の上下線で、トラックや高速バスなどが衝突する事故が3件相次いだ。
合計12台が事故に遭い、14人が重軽傷を負った。
警察は、強風で畑から舞い上がった土煙で視界が悪くなったことが事故の一因とみて調べている。
警察によると、札幌方面に向かっていたトラックに後続の乗用車とトラックの計3台が次々と追突。
その100m後方で、高速バスやタンクローリーなど6台も衝突した。
さらに、対向車線でも乗用車とトラックが衝突したという。
高速バスの運転手の40代男性、乗客の50代男性、対向車線の乗用車の30代女性の3人が骨折などの重傷を負った。
バスを運行する北海道拓殖バス(北海道音更町)によると、バスは北海道釧路市の釧路空港から北海道帯広市内へ向かっていた。
バスには運転手1人、乗客3人が乗っていたという。
札幌管区気象台によると、浦幌町では、午後1時40分に最大瞬間風速12.5mを記録した。
出典
『バスなど12台が事故、14人重軽傷 土煙で視界不良か』
https://www.asahi.com/articles/ASM5N55WJM5NIIPE017.html
5月21日18時16分にNHK北海道からは、警察などは事故が起きるまで道路が異常な状態になっていることを把握できていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故が起きる1時間40分ほど前のパトロールでは異常は確認されず、道路の管理者や警察が道路状況の急変を事故が起きるまで把握できなかったことがわかった。
この区間を管理する釧路開発建設部によると、事故が起きる1時間40分ほど前の午前11時10分ごろに車両でパトロールをした際には、異常は確認されなかった。
また、警察も風速15m以上で速度規制の検討に入るが、それを下回っていたため速度規制はかけていなかった。
その後、道路状況が急変し、事故が起きるまで道路の管理者や警察が把握できていなかったことがわかった。
また警察は、この事故で搬送された14人について医療機関での診察の結果、けが人の数は重傷2人と軽傷7人になったと修正した。
出典
『事故発生するまで急変把握できず』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190521/0010432.html
5月21日5時0分に北海道新聞からは、事故時の状況に関する関係者の証言が、下記趣旨でネット配信されていた。
「まるでブリザードだった」。
20日午後に浦幌町貴老路(きろろ)の道東道でバスとタンクローリーが衝突するなど、計3カ所で12台が絡んだ衝突事故は、発生時、強風による土煙で現場の視界が極めて悪くなっていたとみられる。
運転者や事故車両に乗り合わせた関係者は、当時の状況を恐怖とともに振り返った。
現場周辺は畑が広がる地域。
帯広測候所によると、事故発生当時の午後1時ごろはJR浦幌駅付近の観測地点で最大瞬間風速12mを記録するなど風が強く、乾燥も続いており、土煙が起きやすい状況だった。
軽乗用車を運転していた胆振管内白老町の橋本さん(72)と助手席の妻(67)は、搬送先の本別町国保病院で「冬のブリザードのように、少しも先が見えなかった」と、事故発生当時を振り返った。
2人は観光などで網走市を訪れた帰りに事故に遭い、軽傷を負った。
恵子さんは、「前のトラックが止まり、自分たちもハザードランプをつけて止まったが、数分後に後ろから激突された」。
車は後ろのガラスが全て割れたという。
タンクローリーとバスの100mほど前を運転していた釧路市の吉本さん(48)の乗用車も、追突事故に巻き込まれた。
視界不良で停車後、トラックに追突され、安全のために車を離れた。
「脇に寄せて車を降り、土手をよじ登っていたら、後方でドンという衝突音が2回聞こえた」。
トラックで根室市から音更町に向かっていた田中さん(49)は、「視界が真っ白で、運転は難しい状況だった」と話した。
現場に近い浦幌町上浦幌支所によると、20日は昼すぎから強風が吹き始め、土煙が舞い始めたという。
救急車のサイレンを聞いて現場に向かったという山本支所長は、「畑から土や砂が舞い上がり、黒い帯が見えた。視界は10~20mほどで全身砂まみれになった。こんな状況は初めて」と驚いていた。
事故による通行止めのため、浦幌インターチェンジで道東道を下りた浦幌町の女性(62)は、「もう10分早く走っていたら、自分も巻き込まれたかもしれない」と胸をなで下ろしていた。
出典
『「視界が真っ白」 土煙の恐怖、運転者語る 浦幌・道東道多重事故14人重軽傷』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/307009/
5月22日5時0分に北海道新聞からは、土煙に遭遇したらライトをつけて徐行をという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日に起きた多重衝突事故は、乾燥した畑の土が強風で飛ばされて土煙を発生させ、運転者の視界を遮ったとみられている。
土煙による視界不良が起きた場合、専門家はライトをつけての徐行などの対応を助言している。
札幌管区気象台によると、事故現場周辺では10日以上、降水がなく、畑の土が乾いて軽くなっていたとみられる。
20日は日本海側に低気圧、太平洋側に高気圧が張り出し、気圧の高低差が大きくなって全道的に風が強まった。
気象台は「例年ではあまりない気圧配置で、乾燥と強風が重なった」と説明する。
運転中に土煙に遭遇した場合について、日本自動車連盟(JAF)北海道本部の担当者は、「土煙の危険を感じたら、近くの駐車場などに避難し、強風が落ち着くのを待つのがいい」とし、「高速道路ですぐに停止できない場合は、ライトを点灯し時速10km程度ののろのろ運転で、前方に注意してほしい」とアドバイスする。
北大大学院の萩原亨教授(交通工学)は、土煙による視界不良に加え、路上に砂やほこりが積もり、路面が滑りやすくなった可能性も指摘する。
「土煙で一気に道路状況が悪くなったと考えられる」と話す。
交通災害に詳しい寒地土木研究所(札幌)の松沢勝グループ長は、「土煙を想定し、道路管理者は監視カメラを設置して道路状況を確認するなど、道路の安全を守っていくべきだ」と話している。
出典
『土煙に遭遇したら… ライトつけ徐行を 専門家が注意喚起』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/307450/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。