2021年10月24日5時30分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
かつて学校でも教わった交通標語の一つに、「手を上げて 横断歩道を渡りましょう」――がある。
ところが、この横断方法は1978年、警察庁がつくる交通安全の教則からは削られ、「車が通り過ぎるまで待つ」などに変更されていた。
詳しい経緯は、当の警察庁もよく分からないという。
「手を上げれば渡っても大丈夫」という思い込みにつながり、かえって危ないのでは。
そんな懸念があったのかもしれない。
この「手を上げ横断」が今年4月、「交通の方法に関する教則」の改正で、43年ぶりに復活した。
各地の警察は新しい教則を参考に、交通安全教育や指導を行っている。
欧米に比べて日本は、交通事故死者に占める歩行者の割合が依然として高く、子どもや高齢者が繰り返し事故に巻き込まれている。
背景の一つとして、道路が「車優先」であるかのように振る舞うドライバーの意識を指摘することができる。
たとえば、信号機のない横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合、車は一時停止することが義務付けられている。
だが、日本自動車連盟(JAF)の調査では、実際に止まる車は年々増えてはいるものの、2021年8月の全国平均で30.6%にすぎない。
横断歩行者妨害による運転者の摘発も、20年は29万件にのぼる。
JAFのアンケート調査では、停止しない理由として、「自分が止まっても対向車が停止せず危ない」、「歩行者がいても渡るかどうか分からない」などの回答があったという。
新しい教則には「手を上げるなどして運転者に横断の意思を明確に伝える」を盛り込んだ。
必ずしも「手を上げ」にはこだわらず、車の方に顔を向けるといった動作などで車に注意を促し、自らの身を守ることにつなげるのが狙いだ。
横断歩道は歩行者優先なのだから、本来なら、手を上げなくても車の側は歩行者の動きを注視し、停止する責任がある。
だが、歩行者側からの働きかけがドライバーの意識を変えるきっかけとなるのであれば、積極的に取り組んでいきたい。
もちろん、「手を上げる」だけで歩行者優先が徹底されるわけではない。
ドライバーへの教育・啓発や、取り締まりにも、引き続き、力を入れる必要がある。
路面を波状に盛り上げるハンプなど、物理的に速度を落とさせる仕組みの導入も、さらに進めるべきだろう。
電動キックボードや電動車いすなど、新しい交通の主体も登場している。
様々な人や乗り物が混在するのだから、お互いが目配りし、譲り合うことでしか安全な環境は実現しない。
欧米では、観光地や駅前で「シェアド・スペース」という道路整備の手法を採用している。
車道と歩道を分けず、信号などもなるべく撤去し、人と車で空間を共有する試みだ。
こうした事例も大いに参考にしたい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK20ECQ0Q1A021C2000000/?n_cid=NMAIL007_20211024_A&unlock=1
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。