2023年2月9日13時54分にYAHOOニュース(四国放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「コリジョンコース現象」という言葉をご存じでしょうか。
見通しの良い交差点で近づいてくる車に気付かなかったり止まっていると錯覚したりする現象です。
先月、福島県でコリジョンコース現象が原因になった可能性がある、とみられる事故がありました。
調べてみると、徳島県内でも過去に事故が起きていたことがわかりました。
・・・
田園地帯では、交差点があること自体、分かりにくい場合があり、一本道と勘違いして、ついついスピードを出しすぎてしまうおそれがあるということです。
田んぼや畑の多い徳島県。
見通しが良い道も油断せず、用心して運転することが重要です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a7452be2895b0cf13537e89c4ce4c1c5aea473bc
(ブログ者コメント)
本件、当初は「コリジョンコース現象」だと複数のメディアから報じられ、ブログ者も事例紹介しようと考えていた。
しかし、その後、片方の運転手の前方不注意などが原因だと判明したため、紹介するのを止めた。
それが今回、先祖返りのような報道。
確認のため、報道そのものを視聴してみたが、記事通りの言葉でしゃべられていた。
ブログ者が違和感を覚えたのは「・・・可能性がある、とみられる・・・」という表現だ。
「・・・可能性がある、とみられていた事故、実際は違いましたが・・・」と報じられていれば、素通りしたのだが・・・。
マスメディアといっても、他県で起きた事故のフォローはしていない、できないということかもと思い、書き留めておくことにした。
以下は当初、コリジョンコース現象か?と報じられた報道の一例;図解付き。
(2023年1月5日7時55分 読売新聞)
福島県郡山市大平町の市道交差点で乗用車と軽乗用車が出合い頭に衝突し、炎上した軽乗用車から4人の遺体が見つかった事故の現場は、見通しの良い交差点だった。
このような場所では、近づいてくる車に気づかなかったり、止まっていると錯覚したりする「コリジョンコース現象」が起きやすい。
県警は、この現象が事故の一因になった可能性もあるとみて調べている。
自分の運転する車と同じ速度で横から車が近づいてくると、進路前方から常に同じ角度に車が見える状況となる。
車が止まっていると錯覚して注意を払わなくなりがちで、衝突の危険を直前まで察知できないことがあるという。
県警は、コリジョンコース現象による事故を起こさないため、見通しの良い交差点でも意識して顔を左右に向けるなどして注意するよう、県民に改めて呼びかけている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230104-OYT1T50159/
以下は、片方の運転手の前方不注意だったという報道の一例。
(2023年1月5日21時24分 朝日新聞)
乗用車を運転していた福島市の会社員、高橋容疑者(25)=自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)容疑で送検=が「交差点ではなく、単線道路だと思った」と供述していることが、県警への取材でわかった。
郡山署は今後、高橋容疑者立ち会いのもとで実況見分し、事故原因について詳しく調べる。
署によると、南進していた乗用車が、東進していた軽乗用車の左後方側面に出合い頭に衝突。
軽乗用車側が優先道路だった。
県警によると、高橋容疑者は調べに対し、「暗い道で初めて通った。目の前を物体が横切り、その後、衝撃を感じた」などと供述しているという。
https://www.asahi.com/articles/ASR156G0VR15UGTB006.html
以下は、交差点は窪地にあったのでライトで照らしにくかった、優先道路に対する一時停止標識がなかった、ロービームだった可能性も考えられるといった解説報道。
(2023年1月27日11時23分 テレビユー福島;写真付き)
どうすれば、この悲惨な事故は防げたのか?
今回は、この事故を交通事故鑑定人に分析してもらったところ、交差点の構造上の問題点や、車の「ある機能」を使っていなかった可能性が浮かび上がってきました。
「条件がそろっていれば回避できた事故だったと思います。残念です」
こう話すのは、交通事故鑑定人の中島博史さんです。
中島さんがまず指摘したのは、事故現場の交差点の構造です。
中島さん:
「事故現場は、加害車両側から見ると下っていって、交差点の位置が一番低くなって、その先が高くなっているという状況」
「平らになっている、交差する道路のところがヘッドライトでは照らしにくい構造になっていた」
「下り坂の先が上り坂のような状況なので、スピードを落としてまた上り坂でアクセルを踏むことをあまりやりたくないという心理も働いた可能性がある」
事故を受けて現場では、警察が一時停止の標識を新たに設置するとともに停止線を引き、一時停止を義務化しました。
中島さんは、この一時停止の標識があれば事故を防げた可能性が高いと話します。
中島さん:
「一時停止の標識があれば、赤で警告として表示される標識なので、見落としづらいし、明確に自分の側が止まらなければいけないと確認できる」
さらに、事故を防ぐために必要なことが、もう一つあるといいます。
事故を防ぐためのポイントとして、中島さんがあげたのが「ハイビームの活用」です。
中島さん:
「今回の事故は、もしかすると、ロービームであったためにお互い気づきにくい状況になっていた可能性がある」
こちらは夜、事故現場の交差点に向かってハイビームをつけて走った映像です。
かなり手前の段階で、交差点が照らされて見えるのが分かります。
一方、こちらはロービームの状態で走った場合です。
交差点の手前にならないと、交差点の中が見えないことが分かります。
中島さん:
「基本的には100メートル先をハイビームで照らしている状態で、夜間の安全がなんとか確保できるということをよく知っていてほしい」
一時停止の標識やハイビームの活用。
痛ましい事故が起きる前に、こういった対策をとることが何よりも重要です。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tuf/297361?display=1
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。