2023年2月6日21時26分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国の地下鉄駅で最も深い所にある都営大江戸線六本木駅(東京都港区)で、故障したエレベーターを修理できず、1カ月以上運転停止が続いている。
納入した海外メーカーが日本から撤退し、部品調達に時間がかかっていることが原因だ。
都交通局は6日、2月末に再開するめどが立ったと明らかにしたが、停止期間は2カ月超に及ぶことになる。
利用者からは困惑する声が上がり、専門家は「都のリスクへの備えは不十分だ」と指摘している。
【メーカー撤退、部品付け替え】
故障は2022年12月17日夜に発生。
地下1階と地下5階を結ぶ「2号機」が突然、停止した。
8日前に定期点検したばかりで、その際に異常はなかった。
都が保守・管理を委託している「東芝エレベータ」(川崎市)が原因を調べたところ、駆動装置に異常があり、部品の交換が必要と判明した。
だが、製造元の「コネ社」はフィンランドに本拠地を置き、日本からは既に撤退。
部品を調達できなかった。
構内には、新宿・光が丘方面のホームがある地下5階と、門前仲町・蔵前方面に向かうホームがある地下7階の間を行き来する「3号機」があり、故障した2号機と同型だった。
そのため、都交通局は3号機を停止させ、その部品を2号機に付け替える応急処置を実施。
12月23日以降は2号機が稼働し、3号機が停止している。
六本木駅は地表から最深部の地下7階まで約42メートルある。
乗降客は1日約6万人で、ベビーカーの親子連れや車椅子利用者なども行き交う。
しかし、地下7階と地下5階の間はエレベーターが使えず、エスカレーターや階段で行き来しなくてはならない。
栃木市の男性会社員(33)は買い物のため妻と0~6歳の3人の子どもと一緒に六本木を訪れたが、エレベーターが使えないと知って驚いていた。
男性は0歳児を抱っこし、妻が押す3歳児を乗せたベビーカーには複数の荷物がぶら下がっていた。
「この状態でベビーカーを畳んでエスカレーターに乗るのは危険。エレベーターを必要としている人のことをもっと考えてほしい」と言う。
このエレベーターは、大江戸線が全線開通した00年に設置された。
交通局の担当者は、「20年以上前のことで、詳しい契約条件は定かではないが、少なくとも(コネ社の)国内撤退は想定していなかった」と説明する。
国内に代替となる部品はなく、コネ社は当初、納入時期や在庫も明らかにしなかった。
都は、東芝エレベータを通じ、再三、部品の納入を要請。
最近になって、ようやくコネ社側から調達のめどが立ったとの連絡があったという。
他の駅にあったコネ社製のエレベーターは、既に他社製品に更新されている。
六本木駅では19年度に更新工事の入札が不調に終わったため、コネ社製のままだった。
都は、コネ社製を導入した際、国内で他に導入例があるかどうかを確認していなかったが、今は国内で施工実績を重ねている事業者のエレベーターを使うようにしているといい、担当者は「今後はこうしたトラブルは発生しにくいのではないか」と説明する。
【事業者の将来リスクも点検を】
インフラの老朽化に詳しい東洋大の根本祐二教授(公共政策)は、「金属製の設備は耐用年数が短い。部品交換の計画をしっかりと立てていなかったのなら、都の対応は不十分だ」と指摘する。
海外メーカーの撤退に限らず、国内メーカーでも、倒産すれば同様のトラブルが生じかねないとして、「都は技術的な設備点検だけでなく、事業者が将来的なリスクに対応できるのかも入札や契約の段階で点検し、(リスク対応が)不十分なら対処すべきだ」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20230206/k00/00m/040/222000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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