2023年2月5日23時30分にテレビ朝日から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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アメリカ国防総省は4日、戦闘機がサウスカロライナ州の沖合で気球の撃墜に成功したと発表しました。
国防総省高官によれば、バージニア州の空軍基地を飛び立ったF22ステルス戦闘機がミサイルを発射。
1発で気球を撃ち落としたといいます。
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(中国外務省の声明)
「当該の飛行船は民間のもので、不可抗力でアメリカに入ったと何度も説明してきた。武力行使にこだわるのは明らかに過剰反応で国際慣行に違反する」
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気になるのは3年前の2020年、宮城県上空で目撃された“謎の白い球体”との類似性です。
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今回、アメリカで目撃された気球と比べると、たしかに見た目は似ています。
(3年前の“白い球体”を研究 服部誠氏)
「気球の構造がほぼ一緒。さらに(気球が)つるしているものがフレームを組んで必要な物を付けていく構造は共通ですよね。」
こう話すのは、宮城県上空に現れた球体を分析してきた東北大学の服部誠准教授です。
Q.(つるされている物は)太陽光パネル?
(服部准教授)
「だと思います。こういうものをこういうところに付けるのは電力供給ぐらいしかありえない」
Q. 球体の大きさは?
「宮城の物に関しては直径33m」
Q.アメリカのものは「バス3台」と言われるが?
「同じような規模感ではないか」
分析の結果、3年前に宮城県上空に現れた“球体”も中国から来ていた可能性が高いと見ています。
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(服部誠准教授)
「大連の気球打ち上げの基地ですね。なので、私自身がなんで中国って思っているかというもう一つの根拠が、ここにちゃんとした設備があって、打ち上げる能力を持った人がいて、打ち上げることができる設備があるから。」
実は2021年にも岩手県や小笠原諸島の上空で同じような球体が目撃されています。
(服部誠准教授)
「今回、目撃されているものだけでなく、もっとたくさん打ち上げているはずです。そのうちの氷山の一角がこうやって見えているということ」
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その性能については…
(アメリカ政府高官の話 CNN)
「通常の気象観測や民間研究では普通は使われない偵察装置を備えている。映像から見える小さなモーターとプロペラからして、中国は特定の場所の上空を飛ぶよう主体的に気球を操縦することができる」
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2月5日『サンデーステーション』より
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000286326.html
2月4日17時22分にYAHOOニュース(AFP)からは、カナダでは過去に同じような気球を機関砲1000発を撃ち込んでやっと撃墜したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
なぜミサイルで?戦闘機から数発撃ち込むだけで済んだのでは?と思っていたのだが、そう簡単な話しではなかったようだ。
米シンクタンク「マラソン・イニシアチブ(Marathon Initiative)」の偵察気球の専門家ウィリアム・キム(William Kim)氏は3日、米本土上空で確認された中国の「偵察気球」について、偵察手段として有益で撃墜も困難との見方を示した。
人工衛星は地上・宇宙から攻撃されやすくなったのに対し、気球には明確な利点があるとキム氏は言う。
まず、レーダーに映りにくい点だ。
「(気球の素材は)反射せず、金属でもない。大型の気球であっても探知するのは難しいだろう」
さらに、搭載されている機器が小さければ、見落とされる可能性もある。
地球低軌道を回り続ける偵察衛星と比べれば、監視対象の上空に長くとどまっていられる利点もある。
キム氏は「こうした気球はヘリウムを使っている。(水素ガスを使い爆発事故を起こした飛行船)ヒンデンブルク(Hindenburg)とは違うので、撃っても炎上することはない」、「穴を開けたとしても、少しずつヘリウムが漏れていくだけだ」と述べた。
さらに、1998年にカナダ空軍のF18戦闘機が所属不明の気象観測気球を撃墜しようとした時の例を挙げ、「20ミリ機関砲を1000発撃ち込んだが、それでも地上に落ちるまで6日かかった。撃っても爆発したり破裂したりすることはない」と説明。
撃墜に地対空ミサイルを使用する選択肢については、誘導システムの対象として想定されているのが高速で移動するミサイルや航空機であるため、気球には有効かどうかは分からないと述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ec77c4a371d52abace52241110c3aa0f6658d69
2月7日2次46分にYAHOOニュース(ライターの寄稿文)からは、特殊な巨大気球だった、気球の居場所を知らせるための電波は発信していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月4日午後(アメリカ東部時間)、アメリカ軍は本土領空に侵入していた中国の高高度気球(高度2万メートル以上を飛べる特殊な気球)を、南東部サウスカロライナ州マートルビーチ沖の上空でF-22戦闘機のAIM-9X空対空ミサイルによって撃墜しました。
目標が巨大な気球で、吊り下げている機材も数十メートルもあったため、民間の被害が出ないように陸上の上空での撃墜を避けて、大西洋に出るまで待ってからの撃墜です。
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今回の気球はADS-Bを発信していませんでした。
ADS-BとはGPSなどの衛星測位システムを利用して、航空機が自らの位置を発信して外部からの追跡を可能にするシステムです。
航空関係者のみならず、「フライトレーダー24」などのアプリを使えば、民間の一般人でもチェックすることが可能です。
このシステムは気球にも搭載できます。
過去の民間の気球を使った実験だと、「Loon計画」という気球を用いたインターネット接続実験の高高度気球がADS-Bを発信していたことがあります。
一方で、撃墜された中国の気球は、一体なぜ、ADS-Bを発信していなかったのでしょうか?
国際的にADS-Bを発信する義務があるわけではないので(国によっては既に義務化)、これをもって民間の気球ではないと言い切ることは出来ませんが、長距離を飛ぶ予定であるなら、追跡にも便利で安全も高まるので、民間の機材ならばADS-Bを搭載して発信していた方が自然です。
軍事目的の機材だったならば、隠密に作戦を行いたいので、ADS-Bの発信はされません。
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https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20230207-00336004
2月7日10時43分にYAHOOニュース(読売新聞)からは、気球の全長は60m程度だったらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米北方軍のグレン・バンハーク司令官は6日、米領空に侵入した中国の偵察用気球の全長が約60メートルに及び、重さは1トン超に上るとの見方を記者団に示した。
撃墜後の残骸は米東海岸の沖合1・5平方キロ・メートルの範囲に散乱しており、米軍が回収や分析を急いでいる。
バンハーク氏らによると、気球の積載物は小型ジェット機程度の大きさだったという。
海に散らばった残骸を艦艇や無人潜水艇などで回収しており、米軍は連邦捜査局(FBI)とともに分析を進める。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/a38e3a8da75cf57d343018b7b1cd9175affb0639
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。