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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20191128日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10216/

 

(2023年2月10日 修正2 ;追記)

202323日付で静岡新聞からは、剥がした塗膜くずが密閉空間に大量に置かれていた、塗膜くずからアルコール系物質が気化して滞留していた、換気設備は稼働させていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

県警が昨年12月、塗装工事に従事した当時の現場責任者の男ら4人を業務上過失致死傷容疑で静岡地検に書類送致したことが3日、捜査関係者への取材で分かった。

関係者によると、4人は19年11月21日、高架下の工事で火災を防ぐために必要な対応などを怠り、作業員11人を死傷させた疑い。

剝離剤で既設の塗膜を除去する作業中だった。

遺族らとの示談は済んでいるという。

火災後、工事を発注した中日本高速道路は再発防止委員会を設置した。

中間取りまとめ案などで、水性の塗膜剝離剤で剝がされて堆積した塗膜くずが、密閉性のある作業空間に一定期間置かれ、成分のアルコール系物質が気化して引火、延焼の原因になった可能性を指摘した。

出火当時、塗膜くずは上り側に約400キロ、下り側に約1150キロ堆積していた。

同社は、塗膜くずから可燃性ガスが発生することは想定していなかったとしている。

工事現場では塗膜くずの飛散を防ぐため、つり天井形式の足場に養生シートなどを3層にわたって敷設。

換気設備はあったが、当日は自然風があり、稼働させていなかったという。

空気より重いアルコールなどが可燃性ガスとして足場の底部に滞留して引火、燃え広がった可能性が高い。

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1188250.html 

 

 

※以下は令和2年1月21日付の中間報告抜粋。(最終報告は見つからなかった)
塗膜に有害物質が含まれていたため飛散防止目的で養生シートの密閉度を上げていた、塗膜剥離剤そのものは引火しない性質だったため電気設備は非防爆だった、剥離剤が含侵した塗装くずから剥離剤の成分であるアルコール等が発生したなどと記されている。

・・・

4.想定される延焼メカニズム

【火災発生時の現場状況】

① 橋桁の既存の塗膜に、鉛やPCB等の有害物質が含まれるため、塗膜くずの足場外への飛散防止および確実な回収を図る観点から、足場上の防炎性能を有したシートの上に、隙間を塞ぐように養生シートを敷設することにより、塗膜くずの足場外への落下等による飛散の防止対策を行っていた。

② この養生シートは、防炎性能を有していないものであり、また、養生シートの上には、剥離した塗膜くずが堆積していた。
足場内からの塗膜くずの搬出は、週1回の頻度で行うこととしており、当日は、2日間の作業による塗膜く ずが足場内に堆積していた。

③ 水性の塗膜剥離剤を使用しており、剥離剤そのものは引火しない特性であったことから、含浸した塗膜くずから引火性や延焼性を有する濃度のガス(以下、可燃性ガス)が発生することは想定していなかった。
剥離作業時における 剥離剤に含まれるアルコールによる作業員の中毒を防止するため、換気設備は 設置されていたが、当日は足場内においても自然通風が一定程度確保されていたことから稼働させていなかった。

④ 照明、電動工具等の電気設備については、可燃性ガスの発生が想定されていなかったことから、防爆仕様を採用していなかった。

【延焼メカニズムの想定】

① 通常の作業環境であれば、水性の塗膜剥離材が含浸した塗膜くずから剥離剤の成分であるアルコール等が発生するものの、すぐに拡散し引火性や延焼性を有する濃度で滞留する可能性は非常に小さいが、本現場においては、鉛等の有害物質の飛散等を防ぐため、養生シートを敷設しており、結果的に足場内の密閉性を高めることとなり、また、当日、換気設備を稼働させていなかったことと相まって、気化成分が空気より重いアルコール等が可燃性ガスとなって足場内の底部に滞留し、なんらかの要因により引火した可能性がある。

② 実証実験の結果を踏まえると、足場に敷設した養生シートにも何らかの要因により引火した可能性があり、また、足場上に堆積した塗膜くずにもなんらかの要因により引火し、延焼した可能性がある。

③ 火災発生後、作業員は直ちに消火器で消火活動を行おうとするとともに、大声で火災発生を知らせたが、火のまわりが早く、養生シート、塗膜くず等に延焼し、消火困難な状況となった可能性がある。

④ 養生シート、塗膜くず、滞留した可燃性ガスやその他の機材資材等に延焼したことにより、大量の煙が発生し、火災発生箇所付近で1名が死亡し、火災発生箇所から離れた場所おいても、風下の作業場所において、作業員の避難が遅れ、10名という多数の負傷者が発生した。

5.暫定的な再発防止策

・・・

https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/accident_prevention/pdf/accident_prevention06.pdf

 

 (2023年3月8日 修正3 ;追記)

2023361916分にYAHOOニュース(テレビ静岡)からは、書類送検されていた4人は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

警察は、当時の現場責任者など4人について、必要な措置を怠ったとして業務上過失致死傷の疑いで書類送検していましたが、静岡地検は6日、 4人を不起訴処分としました。

理由は明らかにしていません。

当時 現場では古い塗装をはがす作業が行われていて、事故後に設置された再発防止委員会では「換気装置」を作動させていなかったことが問題点として指摘されていました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/61a404a5286400867d54242d166cff9f9656b74f 

 

 

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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