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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2021911119分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

佐渡汽船(本社・新潟県佐渡市)の高速船ジェットフォイル(JF)が8月、同市から上越市に向けて航行中に大型海洋生物とみられる物体と接触し、高速航行ができなくなるトラブルがあった。

この航路は鯨類の目撃情報が多いことで知られており、接触・衝突回避策の充実が求められそうだ。

 

【海洋生物の肉片】

トラブルが発生したのは8月11日午後4時すぎ。

佐渡市の南西部、小木港から上越市の直江津港に向かっていたJF「ぎんが」は、小木港の南約24キロを航行中に大きな物体に衝突。

船体を海面から浮かせての高速航行ができなくなった。

時速28キロで一般的な船と同じように航行し、約1時間半遅れの同6時半ごろ、直江津港に到着。

その間、上越海上保安署の巡視艇が体調不良を訴える乗客が出た場合に備えて並走した。

乗客25人にけがはなく、体調不良を訴える人もいなかった。

JFは、ウオータージェット推進機により吸い込んだ海水を船尾から勢いよく噴射し前に進む。

船体の前と後ろにある水中翼を海中に入れて浮力を発生させ、海面から船体を浮かせて高速航行する。

同署などが到着したJFを調べたところ、「前の水中翼と船体の間にある衝撃緩衝装置が(何かにぶつかった衝撃で)緩んでいた。水中翼の下部にあるフラップ(翼)には海洋生物とみられる肉が挟まっていた」(同署)という。

JFには、海面の浮遊物などに衝突しても衝撃が船体に直に伝わらないよう、水中翼と船体の間に衝撃緩衝装置が設置されている。

今回は、その装置が機能した格好だ。

JFは衝撃緩衝装置の部品を交換し、翌日から通常通り運航した。

 

【注目される報告書】

新潟大学名誉教授の本間義治氏(平成27年10月に死去)は、佐渡島と新潟県本土の間の佐渡海峡に生息する鯨類の目撃情報を長年、分析。

13年に鯨類の研究ネットワーク組織「日本セトロジー研究会」に寄せた報告書の中に、次のような興味深い一文がある。
佐渡汽船の乗組員らの目撃情報を分析し、まとめたものだ。

「佐渡汽船の新潟-両津航路(新潟航路)と比べて就航便数が少ない小木-直江津航路(直江津航路)のほうで鯨類の目撃回数が多く、その頻度が新潟航路の倍に達している。直江津航路では、佐渡海峡の中央線よりも佐渡島寄りのほうで目撃回数が多い」

まさに、今回の接触トラブルがあったエリア付近である。

 

【2年半前の悲劇】

直江津航路では今春まで、双胴船タイプの大型高速カーフェリー「あかね」で乗客を運んでいた。

しかし、双胴船特有の揺れで船酔いする乗客が多発し、維持コストも高かったため、経営再建中の佐渡汽船はあかねを売却。

新潟航路で使っていたJF「ぎんが」を直江津航路に転用し、4月29日から運航を開始した。

接触トラブルはJFの運航開始以来、初めてだった。

あかねは全長約90メートルと大きく、速力は時速55キロと、JFより遅い。

一方、JFは全長約23メートルで、速力が時速85キロ。
海面から浮いて高速航行するため、鯨類などとの接触・衝突事故が全国で度々起きている。

くしくも、ぎんがは新潟航路時代の平成31年3月、航行中に大型海洋生物とみられる物体と衝突し、乗客乗員計80人が腰の骨を折るなどのけがをした。

乗客の一部とは損害賠償請求訴訟に発展している。

同様の悲劇を繰り返さないため、直江津航路でも鯨類対策のさらなる充実が求められる。

https://www.sankei.com/article/20210911-I2G5AFKMGJP3FHG42H3LHDQLXI/ 

 

(ブログ者コメント)

〇関連情報調査結果、8月11日のトラブル報道は見つからなかったが、今年5月、本間氏などの調査によるとクジラが深海に潜りイカを食べる場所が航路になっているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

20215880分に産経新聞か)

新潟県佐渡市と新潟市などを結ぶ離島航路を運営する佐渡汽船(本社・佐渡市)が高速船ジェットフォイル(JF)を導入したのは昭和52年のこと。

導入直後から直面した課題が、大型海洋生物との衝突事故だった。

この課題を解決しようと、長年にわたり調査分析してきたのが、平成27年に亡くなった新潟大学名誉教授の本間義治氏だ。

その功績もあり、事故は減っていった。

世界遺産登録を目指す佐渡島が観光地として注目されつつある中、その功績を振り返る。

 

【目撃情報を収集】

JFは、ガスタービンエンジンで動くウオータージェット推進機により、吸い込んだ海水を船尾から勢いよく噴射し高速航行する。
最高速度は時速約80キロ。
主要航路の新潟港(新潟市)-両津港(佐渡市)をカーフェリーの半分以下の約1時間で結ぶ。

一方、佐渡島を含めた新潟の沖合では鯨類がたびたび目撃され、JFとの衝突事故も起きている。

新潟市の水族館「マリンピア日本海」の獣医師、岩尾氏によると、「新潟沖では、体長5メートル前後になるオウギハクジラが比較的多く目撃されているほか、ツチクジラやミンククジラ、コククジラなどの目撃例もある」という。

岩尾氏は本間氏らとともに、鯨類の目撃・漂着情報の報告書作成に参加した一人だ。

乗客にけが人を出す事故も複数発生したことから、佐渡汽船の乗員を中心に6年から、航路付近での鯨類の目撃情報を本格的に記録に残すようになり、本間氏を中心にその情報を分析し、報告書としてまとめてきた。

 

【餌場が航路に】

情報収集では、新潟港-両津港などの航路を5つのポイントに区切り、どのポイントで鯨類が頻繁に目撃されているかを調べた。

その結果、航路の中間点より佐渡島寄りでの目撃数が圧倒的に多く、月別では5月をピークに4~6月に多く目撃されていた。

本間氏らが鯨類研究者のネットワーク組織「日本セトロジー研究会」の会誌に寄稿した報告書によると、佐渡汽船のJFが昭和52年に就航して以降、平成18年5月までに17件の衝突・接触事故が発生。

その中には、衝突した物体がDNA型鑑定により、オウギハクジラと特定されたケースもあった。

「オウギハクジラは佐渡沖の特定海域で深く潜り、豊富にいる深海性のイカを食べる習性があり、息継ぎなどのために海面に急浮上してくる。この海域がJFの航路と重なり、高速航行するJFを避けきれず衝突することがたびたびあった」(岩尾氏)

そこで、JFがこの海域を通過するときには減速するようにし、急浮上してきたクジラがJFを避けやすくしたところ、クジラとの衝突リスクが低減した。

【報告書を書き上げ】

本間氏は、25年に寄稿した報告書をこう締めくくっている。

「5区分(point)した航路程に減速区間を設定した後も(中略)度々減速区間を拡張したりしてきた。2012年も3~4points(航路の中間点から佐渡島寄りの海域)に目撃個体数が多かったが、衝突事故がなかったことから、初期の目標は達成されたといえる」

JFとクジラの衝突事故を減らすべく調査・分析を続けてきた本間氏は、この報告書を書き上げた2年後、85歳で他界した。

【本間義治(ほんま・よしはる)】 

元日本セトロジー研究会顧問。
新潟大理学部教授として海洋生物などを研究し、同大臨海実験所(新潟県佐渡市)所長も務め、平成7年に退官。
著書は「日本海のクジラたち」「漂着動物の自然誌-新潟と佐渡の海辺から」(いずれも考古学堂書店)など多数。
27年10月に死去、享年85。

【記者の独り言】

取材で最も苦労したのは本間氏の写真の入手だった。
平成7年まで在職していた新潟大では「26年前の退官で写真が残っていない」。
国土交通省のホームページに載っていたので問い合わせると、「ご本人の了解がないと出せない」。
すがるように本間氏が所属していた日本セトロジー研究会事務局にお願いしたところ、会員のみなさんから多くの写真を寄せていただいた。
深く感謝申し上げるとともに、スペースの関係で一部しか載せることができないことをおわびしたい。

https://www.sankei.com/premium/news/210508/prm2105080006-n1.html

〇本ブログでは佐渡沖での同種トラブルを過去に何件か紹介して
 いる。

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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