2023年12月8日13時2分にYAHOOニュース(テレビ大分)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分空港のアクセス向上のため、県が今年度中の就航を目指しているホーバークラフト。
訓練初日に事故が起きてから8日で1か月。
操縦の難しさや安全への取り組みについて元船長や運航会社に話を聞きました。
【写真を見る】ホーバー 事故から1か月 元船長が語る操縦の難しさ「スケート場で大型バスを走らせる感覚…」【大分】
ホーバークラフトの元船長 宮本さん:
「悲しい。やっぱりああいう風に、事故の跡を見ると」
事故が起きた大分空港の発着地でこう話すのはホーバークラフトの元船長宮本さんです。
11月8日、運航会社「大分第一ホーバードライブ」の操縦訓練初日。
1番船の「Baien」が空港でガードレールに衝突する事故を起こしました。
この影響で訓練は延期に。
1月から船体の修理が行われる予定です。
宮本さんは2009年に運航を休止した「大分ホーバーフェリー」で、16年間船長を務めました。
ホーバーは気象条件をはじめ乗客の人数やその座る位置が影響するほど操縦が難しい乗り物だったと話します。
宮本さん:
「陸に上がったらもう、全く無風状態でも不安定な状態になる、けっこう難しい乗り物。
(事故原因は)コース取りとオーバースピードかなと思う」
宮本さんは「難しいのは陸上の航走路。スケート場で大型バスを走らせるような感覚だった」と指摘します。
宮本さん:
「私的見解だが、訓練するのに海上では2、3ぐらい。陸上が7、8ぐらいの割合かと思う。
ゆっくりゆっくりワンステップワンステップしていければ必ず出来ると思うんで、頑張って欲しい」
一方で、現在の運航会社は事故後1か月を次のように振り返ります。
大分第一ホーバードライブ 小田社長:
「この1ヶ月間は、事故を起こしてしまったのをどう回復させていくのか、信用の回復、壊れた船に関してもどういう風に修繕していくかっていうところにかなり追われた。
訓練期間を今までよりも長く持たなくてはいけないと現時点では考えている」
訓練は早ければ来年1月、2番船を使って再開されますが、1番船が使えないため、2月からは操縦士2人をイギリスに派遣し訓練を行うということです。
また県内での訓練でも、造船会社から直接指導を受けることになりました。
宮本さん:
「今後、どういう形で安全性と安全な運航というものを見せていけるのか、本当に注力していかないといけ ない。そういう思いが今ある」
【ホーバークラフト 今後のスケジュールは…】
早ければ来年1月に、県内での操縦訓練が2番船を使って再開されます。
また、3番船が到着するほか、壊れた1番船の修理も始まります。
大分第一ホーバードライブは引き続き、今年度中の運航開始を目指しています。
空港とのアクセス向上が期待されるホーバーですが、県民などが安心して利用できるように、安全第一で準備を進めてもらいたいと思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d785473dab554c306d40cd6a5069a2e23410991
※事故発生当時の報道は下記参照。
(2023年11月8日付 YAHOOニュース;乗りものニュース)
【スカート部分以外は国内に予備部品なし】
大分県は2023年11月8日、大分空港(国東市)~大分市間の定期就航を目指して訓練中だった「ホーバークラフト」が、同空港至近で事故を起こしたと発表しました。
運航を担う大分第一ホーバードライブの説明によると、事故があったのは訓練初日となる8日午前7時5分、場所は空港に隣接する発着場の斜路口中央で、1番船「Baien(バイエン)」が斜路に設置してあるガードレールに衝突、船体を損傷したとのこと。
なお、けが人はおらず、油や燃料漏れなどもないそうです。
ただ、「Baien」については船体後部のスカート、ラダー、リフトファンの支柱(ファン本体は無事)、これら3か所を破損しています。
会見に出席した伊藤カメラマンによると、「詳しく調査する必要があるものの、現状では2~3か月ほど修理にかかる可能性がある」「修理のため(イギリス本土の)工場に回航しなければならないかもしれない」との説明があったとのことでした。
なお、約2~3か月という修理期間についても、これはあくまでも国内で修理した場合の想定であり、イギリスへ回航することになったら移送だけで2か月程度を要するため、4~5か月はさらに遅れる可能性があるとのこと。
交換部品も、スカート部分は国内に予備があるものの、それ以外はパーツを別途調達する必要がある模様です。
【2番船「Banri」使って訓練を実施か】
大分第一ホーバードライブによると、当該パイロットは一級海技士を取得しており、すでにイギリスで20時間の訓練を受けている人物とのこと。
全訓練時間が140時間あるうち、残り120時間を始めたところで、技量は十分であったため、単純な操作ミスだとしています。
現状では、「Baien」で訓練再開するのは無理ですが、2番船「Banri」が同日(11月8日)に大分へ到着しているため、同船が県より引き渡されれば訓練を再開することは可能だといいます。
とはいえ、2番船「Banri」も県から引き渡されるまでには最低でも1か月ほどかかるそうで、訓練時間を確保するため、パイロットをイギリスに派遣して、向こうで訓練するかもしれないとのハナシでした。
大分第一ホーバードライブは今回の事故について「県有資産を破損させてしまい、また県民の期待を裏切るかたちになってしまい大変申し訳なく思っている」「破損した船体および航走路の設備の修理費については自社で負担する」としています。
県は、大分空港のアクセスを改善すべく2023年度中にホーバークラフトを就航させる予定でしたが、今回の事故により、そのスケジュールを見直す必要に迫られるかもしれません。
https://trafficnews.jp/post/129191
(ブログ者コメント)
ホーバー操縦の難易度は普通の船に毛の生えた程度かと思っていたブログ者。
この報道で認識を新たにした。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。