2023年12月2日21時9分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1581年の羽柴(豊臣)秀吉による鳥取城(鳥取市)の兵糧攻めで、落城後に助け出された人たちが、かゆを大量に食べた後に死亡したのは、飢餓後の栄養摂取で起きる「リフィーディング症候群」と推察できるとする論文を、東京都立多摩総合医療センターの鹿野泰寛医師らのグループが発表した。
同症候群と考えられる詳細な記録としては、国内最古級という。
鹿野氏は「教訓的な逸話として後世に残すべきだと考えた」と話す。
鳥取県立博物館によると、鳥取城の兵糧攻めでは、3カ月以上に及ぶ籠城(ろうじょう)戦で極度の飢餓状態が発生。
城主の吉川経家が切腹することで戦いは終わった。
ただ、織田信長の伝記「信長公記」や豊臣秀吉の時代の出来事をまとめた歴史書「豊鑑」に、「城内から助け出された人たちが食物を食べたが、過半数がすぐに死んでしまった」「かゆをたくさん食べた者はすぐに死んだが、少し食べた者は問題なかった」といった記述があった。
リフィーディング症候群は、低栄養状態にある人が急激に栄養を摂取することで電解質異常やビタミン欠乏症などの合併症を起こす病気で、死亡することもある。
鹿野氏らは、食事量の違いとその後の症状の関係などから、同症候群が発生していたと確認し、論文は米医学誌に掲載された。
鹿野氏は、現代でも低栄養状態の患者に摂取する栄養量を管理する必要があると説明する際、鳥取城の逸話を例に出すことがあるという。
「鳥取城の兵糧攻めは、医学界ではリフィーディング症候群と考えられる事例として有名な逸話だったが、英語で医学的な論文化はされていなかった。海外でも患者への説明に利用できれば、文化的財産として価値がある」と語った。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20231202/k00/00m/040/155000c
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