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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202275日付で毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

1970年代に千葉県市原市の古墳から出土し、80年代にX線鑑定で銘文が確認された鉄剣がある。

王が臣下に「下賜」したことをうかがわせる銘文から「王賜銘鉄剣」と呼ばれ、「重要文化財級の価値がある」として新聞の1面も飾った貴重な出土品。

ところが銘文確認から30年以上過ぎた今も、国の文化財指定の手続きを受けた形跡がない。

背景を調べてみると、出土品を巡るさまざまなトラブルが浮かび上がってきた。

・・・

発掘された出土品は約78000箱に分けて仮設倉庫、その後に市埋蔵文化財調査センターで保管していた。

ところが98年、稲荷台から出土したもののうち少なくとも87点が消えていたことが判明。

王賜銘鉄剣を除き、稲荷台から見つかった他の出土品は持ち出されていた。

ほどなくして持ち出したとみられる人物が浮かぶ。

発掘に携わり、文化財を管理する市の外郭団体の嘱託職員も務めた男性(72)だった。

研究者でもある男性は、持ち出したことを示す記述を自著に残していた。

・・・

市原市によると、元嘱託職員の男性は91年まで在籍した。

在籍時に持ち出したとされる出土品について、市はそれが判明した98年以降、男性に返却や報告書の作成を求め続けた。

18年末に男性側から交渉を拒絶する内容の手紙が届く。

市は198月、占有移転禁止の仮処分を千葉地裁に申し立て、男性宅にあった武具の一部など出土品77点を強制執行で差し押さえたが、須恵器片など10点は見つからなかった。

市は今年1月、出土品すべての返却などを求めて提訴した。

・・・

6月上旬。男性に真意を聞こうと、市原市内の自宅を訪ねた。

「私の思うことを話したい」。
男性は玄関口で取材に応じた。

市と大きく見解が食い違うのは、文化財の所有権に関する認識だ。

男性は、発掘調査は自身も参画していた調査団が実施し、団長を務めていた研究者の許可を得て出土品を自宅に運んだと強調。
「無断ではない」と訴えた。

市が何度も返還を求めたと説明していることについては「本格的な話し合いは2年ほど前からで、それ以前は数回だけだった」と反論した。

出土品を持ち出したため王賜銘鉄剣の文化財指定が進まないのではないか。

そう聞くと、男性は「調査意思はある。ないがしろにするつもりはない」「私のペースで計画を立ててやっている」と答えながらも、具体的な時期は明言しなかった。

そして男性はこう付け加えた。
「報告を出せるのは発掘調査した人間だけ。私には報告書を完成させる責務がある」

・・・

https://mainichi.jp/articles/20200704/k00/00m/040/229000c

 

78日付で毎日新聞千葉版からは、残る重要な4点が1年後に市に返還されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

千葉県市原市の古墳「稲荷台1号墳」の出土品などを無断で持ち出して保管しているなどとして、市が発掘調査を担当した男性(74)に返還を求めた訴訟が8日、千葉地裁で和解した。

男性が1年後に古墳の出土品を市に引き渡すことが盛り込まれた。

返還されれば、文化財指定の手続きに必要となる報告書の作成が可能となるため、市は古墳から出土した国内最古の有銘鉄剣「王賜銘鉄剣」の国の重要文化財指定を目指す。

訴状などによると、男性は市主体で組織された埋蔵文化財調査会の下で編成された調査団のメンバーとして、1号墳の発掘調査を担当した。

その後、市文化財センターの嘱託職員として在籍していた19901012月、市の許可を得ないまま出土品などを自宅に運び出した。

市は返還を求めてきたが、男性は話し合いを拒否。

このため、20198月に出土品などの占有移転禁止の仮処分を千葉地裁に申し立て、強制執行で差し押さえた。

ただ、須恵器など4点が見つからなかったため、201月にすべての返還を求めて提訴していた。

男性が持ち出した出土品の中に「王賜銘鉄剣」は含まれていない。

ただ、年代特定の鍵となる須恵器などが持ち去られていたため、報告書が作成できず、国の文化財指定を受けられない状態が続いてきた。

【稲荷台1号墳】

5世紀中期~後期に築造された12基の「稲荷台古墳群」の一つ。

直径は275メートルに及び、古墳群の中で最大の規模を誇る。

墳丘上の埋葬施設から見つかった鉄剣を1987年に国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で鑑定したところ、約1500年前に造られたものだと分かり、王から授けられたことを意味する「王賜  敬 」の刻銘も見つかった。

https://mainichi.jp/articles/20220708/k00/00m/040/265000c

 

(ブログ者コメント)

銘文が確認された当時の騒動はよく覚えている。

それが数年前、今は改装中の埋蔵文化財調査センターに、それが目的ではなく、ただ、センター内部はどんな感じだろうと見学に行った際に、当該鉄剣のレプリカが、大騒ぎされた割には地味に展示されているのを見かけた。

その時は、あれだけ大騒ぎしたのに・・・と拍子抜けしたものだが、今回、その理由がわかった。

当時の団長が本当に持ち出しを許可したかどうか報じられていないところをみると、団長、持ち出しが判明した時には他界していたのかもしれない。

しかし、仮に団長が存命中であっても、センターで保管管理することになった以上は、持ち出しには団長の許可ではなく、センター長の許可が必要だ。

男性の言い分はスジが通らないと思うのに、なぜ、あと1年待たなければ残り4点が返却されないのか、理解に苦しむ。

ともあれ市は、勝手に出土品が87点も持ち出された経緯と問題点を検証しておかねば、また同じような問題が起きる可能性がある。

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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