2022年7月4日21時31分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月に日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)から「脱硫液」が流出後、工場周辺の水から毒性の強いシアンの検出が相次ぎ、関係者の間に戸惑いが広がっている。
コークス炉から出たガスの洗浄に用いる脱硫液には、本来、シアンは含まれていないはずだからだ。
県や日鉄は、流出源が複数あるとみて原因を調べているが、解明には至っていない。
シアンは人体に悪影響のある物質で、国の環境基準や県条例の排水基準では、検出されない状態が求められている。
ところが、県や日鉄が脱硫液の流出問題を受けて実施した水質調査では、これまでに工場周辺と排水口の4カ所の水から1リットルあたり0・2~0・6ミリグラムが検出された。
約1100万平方メートル(東京ドーム220個分)の広大な工場敷地を取り囲むように広範囲で検出が続いており、日鉄は原因の特定を進めている。
このうち、原因が推定できているのは、東京湾に面した敷地北側の排水口の1カ所だけだ。
高炉の排ガスからシアンなどの有害物質を除去する施設が近くにあり、処理過程でトラブルが起きているという。
日鉄は施設を停止する対応を取っている。
一方、他の3カ所については、理由が分からないままだ。
いずれも脱硫液の流出経路にあたる場所だが、脱硫液には本来、シアンは含まれていない。
このため日鉄は、脱硫液が流出する過程でシアンが混入した可能性もあるとみている。
https://mainichi.jp/articles/20220704/k00/00m/040/236000c
7月3日21時41分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県によりますと、先月30日と1日、君津市にある「日本製鉄東日本製鉄所君津地区」の東京湾に面した排水口1か所から毒物のシアンが検出されたと、製鉄所から報告がありました。
水質汚濁防止法に基づくシアンの排水基準は、千葉県では検出されないことになっていますが、先月30日は0.2ミリグラム、おとといは0.5グラムが検出されたということです。
この製鉄所では、先月19日、タンクから化学物質を含む液体が漏れ出して周辺の水路に流出して魚が大量死したことが確認されていますが、今回のシアンの検出について、「別の排ガス処理施設の不具合が原因とみられる」と話しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20220703/1080018358.html
7月6日21時13分にNHK千葉からは、処理水の上澄み部分を吸い取るため無届けで設置されていた排水ポンプが水槽の下のほうに落ちシアン濃度の高い水が排出されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県君津市にある日本製鉄の製鉄所の排水口から毒物のシアンが基準を超えて検出された問題で、千葉県は、シアンを含む処理水を排水するポンプに不具合があったことが原因とみられると発表しました。
君津市にある「日本製鉄東日本製鉄所君津地区」は、先月30日と今月1日に東京湾に面した排水口1か所から毒物のシアンが検出されたと千葉県に報告していました。
水質汚濁防止法に基づくシアンの排水基準は、千葉県では検出されないことになっていて、県が製鉄所に立ち入り検査を行いました。
その結果、製鉄所ではシアンを含む処理水について、本来はシアンの濃度の薄いとされる上ずみの部分をポンプで吸い取って排水していますが、このポンプが水槽の下のほうに落ちてしまう不具合があったため、シアンの濃度が濃い処理水が排水されたことが原因とみられるとしています。
千葉県によりますと、このポンプは水質汚濁防止法に定める届け出がなされていなかったということで、県はこの設備を使わないように指導したうえで、これまでの使用状況などを調査するよう製鉄所に指導しました。
一方、日本製鉄では、今後の対策としてシアンを取り除く設備の能力を増強し、余分な処理水を発生させないようにするとしています。
そのうえで、「住民の皆さまにご心配とご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません。行政機関の指導のもと適切な対処を行ってまいります」とコメントしています
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20220706/1080018390.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。