2023年4月18日19時58分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本の小型ロケット「イプシロン」6号機の打ち上げ失敗の原因について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、ロケットの向きを制御する装置に燃料を送り込む配管が別の部品でふさがったため十分に作動しなかったとする結論をまとめました。
去年10月のイプシロン6号機の打ち上げ失敗についてJAXAは、ロケットの向きを制御する「第2段ガスジェット装置」が十分に作動しなかったとして、ガスの元になる燃料が通る配管や弁などを中心に原因調査を進めてきました。
JAXAは18日、文部科学省の有識者会議で、模擬の装置を使った検証や部品の製造データなどから、配管につながる燃料タンクの内部に取り付けてあるゴム製の膜がちぎれ、配管に吸い込まれてふさいだため十分に作動しなかったとする結論をまとめました。
また、ゴム製の膜がちぎれたのは、取り付けの際、燃料タンクと固定具の隙間に膜の一部が挟み込まれたためだとしました。
JAXAは「実績のある部品に対する確認不足があった」として、開発当時の設計の考え方や使用条件の根拠、製造工程などに立ち返って確認するなどの対策を取って信頼性を向上させたいとしています。
また、来年度の打ち上げが計画されているイプシロンの改良型ロケット「イプシロンS」の1号機については、原因となった燃料タンクの設計変更などを検討したうえで対策を取るとしています。
JAXAの井元プロジェクトマネージャは、「打ち上げ失敗に重い責任を感じている。次のイプシロンS成功のためやれることはすべてやり、信頼性を高めることが責務だ」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20230418/5050022636.html
※2023年4月18日付でJAXAからは、下記趣旨の原因調査資料が公表されていた。
[事故の概要 4/35ページ]
2022年10月12日9時50分43秒(日本標準時)に、イプシロンロケット6号機打上げ。
n 2/3段分離可否判断の時点で目標姿勢からずれ、地球を周回する軌道に投入できないと 判断し、9時57分11秒にロケットに指令破壊信号を送出し、打上げに失敗した。
[事故原因 26/35ページ]
6号機失敗の原因を「ダイアフラムシール部からの漏洩」と特定した。
・ダイアフラムがリング間隙間に噛み込み、その後の溶接工程等で破断・損傷
・推進薬が液側からガス側に漏洩してダイアフラムが液ポートに覆いかぶさる
・パイロ弁開動作時にダイアフラムが液ポートに入り込んで閉塞
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20230418-mxt_uchukai01-000029240_1.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。