2019年5月31日22時56分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午後2時ごろ、広島県福山市にあるJFEスチール西日本製鉄所の第2製鋼工場で「ダクトの清掃作業をしていた作業員が倒れた」と警察に通報があった。
警察によると、倒れたのは男性3人で、市内の病院に運ばれたが、このうち市内に住む村上さん(男性、32歳)がおよそ2時間後に死亡した。
さらに、40代の男性が意識不明の重体になっているほか、30代の男性が体調不良を訴えているものの、命に別状はないという。
警察によると、清掃を行っていたダクトは、溶鉱炉から出る高い濃度の一酸化炭素を含んだガスを排出するためのもので、警察は、作業の手順を誤ったことで漏れ出した一酸化炭素を吸い込んだと見て、事故の詳しい原因を調べている。
出典
『一酸化炭素吸い込んだか 製鉄所で1人死亡1人重体 広島 福山』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190531/k10011936891000.html
5月31日付で中国新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午後2時ごろ、福山市鋼管町のJFEスチール西日本製鉄所福山地区の第2製鋼工場で、ダクトを清掃していた作業員が倒れ、3人が病院に搬送された。
同市南松永町1丁目の会社員村上さん(32)が死亡。
40歳代の男性が意識不明の重体、30歳代の男性が軽症を負った。
警察によると、3人が複数のダクトを清掃中、ガスの漏出防止措置が取られていないふたを開けたため、一酸化炭素の濃度が高い有毒ガスが漏れ出し、吸い込んだとみられる。
村上さんはJFEの取引会社の社員という。
工場周辺への影響はなかった。
出典
『有毒ガスか、1人死亡 福山のJFE西工場、1人重体』
6月5日12時54分にNHK広島からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察などによると事故が起きたダクトは、溶かした鉄の成分を調整する炉から出る高濃度の一酸化炭素を含むガスを排出するためのもので、当時は稼働していない炉につながるダクトを清掃する予定だったが、何らかの原因で稼働中の炉につながるダクトのフタを開けたとみられるという。
出典
『福山のJFE事故で現場検証』
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20190605/0004556.html
(2020年3月31日 修正1 ;追記)
2020年3月30日21時2分にNHK広島からは、工事業者が安全確保に必要な情報の周知を怠っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年5月、福山市にある製鉄所で、ダクトの作業中に、一酸化炭素を含んだ有毒ガスを吸って作業員2人が死亡した事故で、福山労働基準監督署は、30日、工事を委託していた会社と工事責任者を、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
書類送検されたのは、福山市曙町にあるS興業と、30歳の工事責任者です。
福山市にあるJFEスチール西日本製鉄所の工場では、去年5月、ダクトの清掃に関わる作業にあたっていた作業員の男性3人が一酸化炭素を含めた有毒ガスを吸って倒れ、このうち2人が亡くなりました。
福山労働基準監督署によりますと、現場検証や関係者からの聞き取りなどの結果、工事を委託していたS興業が、現場の安全確保に必要な情報の周知を怠るなど、安全管理に問題があったことがわかったということです。
このため、福山労働基準監督署は、きょう、この会社と工事責任者を労働安全衛生法違反の疑いで、広島地方検察庁福山支部に書類送検しました。
労働基準監督署は会社側の認否を明らかにしておらず、書類送検された会社は30日午後8時半の時点でNHKの取材に応じていません。
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20200330/4000007194.html
(2020年5月25日 修正2 ;追記)
2020年5月25日付で労働新聞からは、作業場所を移動中に通路を誤って生産ラインに入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島・福山労働基準監督署は、令和元年5月に発生した死亡労働災害に関連して、設備補修業のS興業㈱(広島県福山市)と同社工事担当者を労働安全衛生法第31条(注文者の講ずべき措置)違反の容疑で広島地検福山支部に書類送検した。
下請の労働者2人が一酸化炭素中毒で死亡している。
労災は福山市内の大手製鉄所内で行っていた転炉ダクト(銑鉄を鋼に製鉄するための生産設備である「転炉」から出るガスを排出するための設備)の補修工事で発生した。
ダクトのマンホールの蓋を開ける作業を行っていた下請会社の労働者2人が被災している。
作業場所を移動中に通路を誤って別に生産ラインに入り、稼働中の転炉ダクトのマンホールの蓋を開け、噴出してきた一酸化炭素濃度が高い有毒ガスを吸い込んだ。
同社は、事前に上位請負会社から交付されていた作業の安全事項を記載した文書の写しを下請会社に交付しなければならなかったのに、これを怠っていた疑い。
https://www.rodo.co.jp/column/90765/
(ブログ者コメント)
協力会社の人だけで作業場所を移動していたのだろうか?
ここが作業場所だということを、製鉄所は協力会社に、どのように伝えていたのだろうか?
作業場所には、ここが作業場所だと表示されていたのだろうか?
そういった点が不明につき、事故報告書でもないかと調べてみたが、見つからなかった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。