2019年6月2日2時15分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後8時15分ごろ、横浜市南部を走る無人運転の新交通システム「シーサイドライン」新杉田駅(同市磯子区)で、列車が進行方向とは逆に走り出して、車止めに衝突した。
警察によると、14人がけがをし、そのうち6人が骨折などの重傷。
命に別条はないという。
運営会社の横浜シーサイドラインによると、列車は新杉田発並木中央行きで、5両編成。
乗客は50人以上いたとみられ、始発駅の新杉田駅でドアが閉まった後に逆走した。
警察によると、本来の停車位置から約25m逆走したという。
同社は2日未明に記者会見し、「事故原因は調査中」と説明した。
運転再開の見通しも立っていないという。
国交省は同社に対し、安全が確認できるまで運行を再開しないよう指示した。
シーサイドラインは1989年に開業。
新杉田~金沢八景(横浜市金沢区)の約11kmを結ぶ新交通システムで、運転士が乗車していない完全自動運転が特徴だ。
同社ウェブサイトによると、あらかじめ登録されたダイヤ情報をもとに、司令所にある運行管理装置で進路設定や発車時刻などを制御。
運行管理装置からの情報をもとに、自動運転装置でプログラムに沿った無人運転をしているという。
事故を受けて、国の運輸安全委員会は1日夜、鉄道事故調査官を現地に派遣した。
出典
『シーサイドライン25m逆走し衝突、14人重軽傷 横浜』
https://www.asahi.com/articles/ASM616WP6M61ULOB00Q.html
6月2日3時2分に神奈川新聞からは、事故時の車内の様子などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故車両の2両目に乗っていた男性会社員(46)は、事故の衝撃で車内のポールに手足をぶつけた。
「発車から5秒後に事故があった。ドンという大きな音がして、買い物袋に入っていた牛乳が飛んだ。突然の衝撃で何があったのかわからなかった」と話した。
同じ車両に乗っていた女性会社員(51)は「ものすごい衝撃だった」と回顧。
女性は座っていてけがはなかったが、座席から投げ出された他の乗客は、頭から血を流したり、うずくまったりしていたという。
「車内でしばらく何も説明がなく、怖かった」と憔悴した様子だった。
衝突から数分後に先頭車両から避難できるとアナウンスがあり、2人ともほかの乗客とともに誘導されて車外に出た。
しばらくドアが開かず、「早く出せ」と怒鳴り声が飛んだり、子どもが泣き叫んだりして混乱していたという。
車両を制御する司令所は並木中央駅の本社にある。
出典
『シーサイドライン逆走し、衝突 重傷6人、軽傷9人』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-171795.html
6月2日20時56分に朝日新聞からは、車両側のシステムに問題があった可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
列車が逆走を始める直前まで、駅の機器室と車両側のやりとりが正常だったことが、運営会社への取材でわかった。
駅側が出発の合図を出した直後に逆走しており、合図を受ける車両側のシステムに問題があった可能性がある。
同社の自動運転システムは、駅にある無人の機器室と車両の双方に付いている装置が、進路変更などの信号をやりとりして運行を管理する仕組み。
新杉田駅は折り返しの始発駅で、事故直前に駅側の装置が進行方向の切り替えを指示し、車両側から切り替えが終わったとの返答があった。
続いて駅側が出発の合図を出した直後に、列車が逆走を始めたという。
このとき、本社では3人の職員が遠隔で運行状況を監視していたが、衝突前に異常を知らせる表示はなかった。
逆走時に自動停止する仕組みはなく、車両の障害物検知装置は接触までブレーキがかからない上、今回は作動しなかったという。
シーサイドラインは1989年に開業し、94年から運転士が乗らない完全自動運転になった。
現在の2000型車両は2010年に導入し、4年かけて更新した。
出典
『車両側のシステムに問題か 逆走したシーサイドライン』
https://www.asahi.com/articles/ASM625K4ZM62UTIL00Z.html
6月3日1時38分に毎日新聞からは、逆走を想定した自動停止システムがなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
シーサイドラインのシステムには、車両が逆走しても自動で止まる仕組みがなかったことも明らかになった。
これまでに国内の新交通システムで逆走した事例はなく、同社は「逆走するという想定がなかった」としている
・・・・・
出典
『運行会社「逆走の想定なかった」 自動停止の仕組みなし シーサイドライン逆走』
https://mainichi.jp/articles/20190602/k00/00m/040/157000c
6月3日9時9分に産経新聞からは、車止めが衝撃を吸収したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
車両が車止めに衝突した後、約1m動いて停止していたことが3日、運営会社への取材で分かった。
車止めは衝撃を吸収するために動くよう設計されており、運輸安全委員会や運営会社は強い衝撃が加わったとみて、事故の状況を詳しく調べる。
運営会社によると、車止めは油圧式ダンパーで支えられており、元々の位置から最大で約1m動く。
衝突時にブレーキはかかっておらず、車止めが衝撃を吸収したことで停車した。
計算上、時速10km以上で衝突した可能性があるという。
出典
『衝突後、1メートル移動 横浜シーサイドライン 車止めが衝撃を吸収』
https://www.sankei.com/affairs/news/190603/afr1906030008-n1.html
6月3日21時22分に朝日新聞からは、無人運転各社が職員をホームに配置するなどの緊急対策を始めたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同様に無人運転をしている全国の路線が3日、職員をホームに配置するなどの緊急対策を始めた。
各社とも、逆走は「想定外」と説明。
原因が特定されない中、乗客の安心や安全を図る目的がある。
・・・・・
ゆりかもめは、職員を始発駅のホームに置き、出発時にいつでも非常停止ボタンを押せるようにした。
・・・・・
出典
『逆走のシーサイドライン、時速20キロ以上で衝突か』
https://www.asahi.com/articles/ASM634VS9M63ULOB00S.html
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。