2023年5月27日20時59分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午前10時10分ごろ、福岡市南区の国立病院機構九州がんセンターから「施設2階で職員が一酸化炭素(CO)中毒のようだ」と119番があった。
市消防局などによると、センターの栄養管理室で働く20~70代の男女9人がCO中毒の疑いで別の病院に搬送された。
全員意識があり、命に別条はないという。
福岡県警と消防が詳しい原因を調べている。
センターなどによると、同日午前9時40分ごろ、2階の栄養管理室内にある洗浄室で食器を洗っていた人やその周辺で体調不良の訴えが続出した。
当時、栄養管理室内には、センターの委託で食器の洗浄や調理などを担当する会社の職員ら26人がいた。
センターは搬送されていない残る17人を一晩入院させ、経過を観察するという。
センターでは、この日の朝、電気設備の点検のため計画停電を実施していた。
その後、食器を洗う洗浄機に不具合が起きていたという。
同日夕、記者会見したセンターの藤院長は、「我々も初めてのことで驚いている。まずは原因をはっきりさせる」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20230527/k00/00m/040/063000c
5月27日付でYAHOOニュース(テレビ西日本)からは、食器洗浄はガス給湯設備の湯を使って行われているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午前10時15分ごろ、九州がんセンターから「酸欠のようだ」と消防に通報がありました。
消防などによりますと、2階の栄養管理室で食器を洗う作業などをしていた男女あわせて9人のスタッフが、体調不良を訴えて別の病院に搬送されました。
いずれも意識はあるということです。
食器洗浄は、およそ300人分の朝食を提供後、ガス給湯設備の湯を使って行われていて、当時、室内の酸素濃度は通常よりも低かったということです。
◆病院関係者
「(入院患者などに)ご迷惑をかけていますので、そこは申し訳ないと・・・」
搬送された9人は給食業務の委託会社のスタッフだということです。
警察と消防で原因を調べています。
https://yotemira.tnc.co.jp/news/articles/NID2023052717849
2024年1月31日17時14分に産経新聞からは、食器洗浄機が破損してCO発生、電気設備点検作業員が手順を誤って換気装置停止、警報が鳴ったのに職員らは避難しなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国立病院機構九州がんセンターは31日、一酸化炭素(CO)中毒で昨年5月に委託職員9人が搬送された事故の調査結果を発表した。
作業していた室内のガス式食器洗浄機が破損しCOが発生、建物全体の電気設備点検の作業員が手順を誤って換気装置が停止し、警報が鳴ったのに、委託職員らは避難していなかった。
センターは「食洗機のメンテナンスが不足し、COに対する危険認識が希薄だった。安全・安心な医療を提供するよう努める」としている。
センターによると、20~70代の男女9人のうち女性1人は一時意識不明の重症となったが、いずれも退院した。
https://www.sankei.com/article/20240131-6JKZADKDMBPCDI4B36RAUOW7HA/
1月31日22時42分にNHK福岡からは、食器洗浄機の内部に水垢が溜まったことで破損した、当日は電気設備点検の日だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
センターは31日、事故の調査結果を公表し、原因について、ガス式の食器洗浄機の内部に水あかがたまったことで一部が破損し、不完全燃焼が起こって一酸化炭素が発生したとみられるとしています。
さらに、当日は電気設備の点検日で、点検業者が誤って洗浄室の排気機能を止めてしまったことで、室内に一酸化炭素が充満したとしています。
センターは今後、食器洗浄機の点検を強化したうえで、職員への研修を行って再発防止に取り組むということです。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20240131/5010023278.html
2月1日11時50分にYAHOOニュース(読売新聞)からは、4人が体調不良を訴え救護した5人とともに病院搬送された、事故直前に警報器が鳴ったが業者が室外に運び出していた(過去に何回も同じことを実施))など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
調査報告書などによると、事故は昨年5月27日午前に発生。
洗浄室で食器を洗っていた委託業者4人が体調不良を訴え、救護した5人とともに病院に搬送された。
全員がCO中毒と診断され、最長で10日間入院した。
事故の直前に室内の警報器が鳴ったが、業者が室外に運び出していた。
大きな音が出るため、過去にも持ち出して放置することが繰り返されていたという。
一酸化炭素の発生は、ガス式の食器洗浄機の水漏れによる不完全燃焼が原因だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72da011552ffbb27ee3c70222a9fb061e45893cd
以下は、センターHPに掲載されていたお知らせ(1月30日付)の抜粋。
事故以前に警報器が頻回に発報していた原因についてはかなりの時間をかけて調べたが分らなかったなどと記されている。
・・・
3 一酸化炭素中毒に至った要因
[事故発生に至った具体的な要因]
(1)ガス式食器洗浄機の不完全燃焼による一酸化炭素の発生
事故後の食器洗浄機の状態を調査したところ、機器内部のガスブースター内にスケール(カルキによる水垢)が付着し堆積したため、熱交換不良となり熱交換器の異常加熱により一部が破損していました。
水漏れによりガスバーナーの燃焼部に水滴がかかることで不完全燃焼となり、一酸化炭素発生につながったと推測しています。
スケールが付着する等の食器洗浄機が不調を来した原因は、食器洗浄機のメンテナンスが不足していたことと判断しています。
スケールの除去は、日常点検として栄養管理部門の業務委託職員が1ヶ月に1回程度行うこととなっておりましたが、十分に実施できておりませんでした。
(2)警報に対する対応遅延による一酸化炭素の吸い込み
調査の結果、事故当日、7時10分頃から食器洗浄機を稼働開始し、9時20分頃に(一酸化炭素)警報器が発報したことが判明しています。
その後、警報は鳴り続けていましたが、洗浄室内の業務委託職員は食器洗浄機を停止し避難するなどの安全行動を行わず、作業していた業務委託職員と救護に向かった他の業務委託職員が一酸化炭素を吸い込み、一酸化炭素中毒に被災しました。
警報の発報に対して安全行動が遅れた原因は、警報音が大きい、警報の危険性の認知が乏しく過去にも持ち出したこともあるという理由で、当日も業務委託職員が警報器を洗浄室外に持ち出しており、洗浄室内で作業している業務委託職員は一酸化炭素が洗浄室に充満している危険な状態であることを認知できませんでした。
他の業務委託職員は洗浄室内の気分不良者を発見し救護に向かいましたが、警報を確認できない状況で洗浄室内に入ったため、被災することとなりました。
警報器の発報履歴を解析したところ、事故以前においても警報器が頻回に発報していたことが判明しました。
過去、警報器が発報した際も、業務委託職員は安全行動を行わずに警報器を持ち出すことがあり、一酸化炭素に対する危険認識が希薄であったことが背景にあると考えています。
事故以前に警報器が頻回に発報していた原因について、修理記録や職員への聞き取りなどかなりの時間をかけて調査を行いましたが、発報時の状況を再現することはできないこともあり、原因は判明しませんでした。
(3)排気設備の停止による洗浄室での一酸化炭素の充満
事故当日は、建物全体の電気設備について法定点検を実施していました。
洗浄室の排気を止めないよう機器を操作する手順となっておりましたが、点検を行う点検委託業者が作業手順(スイッチの切り替え)を誤ったため手順通りに実施されず、点検中に洗浄室の排気が停止しました。
この排気停止が契機となり、(1)により発生した一酸化炭素が洗浄室内に充満しました。
・・・
https://kyushu-cc.hosp.go.jp/news/detail/id/952.htm
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。