2019年12月18日21時28分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市神奈川区の京急線の踏切で9月、下り快特電車と大型トラックが衝突した事故で、京浜急行電鉄(横浜市西区)は18日、踏切の異常を点滅して知らせる発光信号機を現場付近に4基増設すると発表した。
これまで3基設置されていたが、増設で、運転士が異常を認めてからブレーキ操作を判断するまでの時間が、従来の約1・5秒から約11秒に延びるという。
21日から運用を開始する。
京急は、快特電車が最高速度の時速120キロで走行した場合、非常ブレーキをかけてから止まるまでの距離を517・5メートルに設定している。
増設によって、運転士が最初に発光信号機の点滅を視認できる地点は、踏切の手前約570メートルから約900メートルとなる。
また京急は、発光信号機の設置ルールを見直し、運転士がブレーキ操作にかけられる時間を従来より長くする運用に改めた。
これに基づき、時速120キロで走行する区間の踏切を中心に、増設を進めていくという。
事故は9月5日午前11時45分ごろに発生。
踏切に立ち往生したトラックと快特電車が衝突し、トラックの男性運転手=当時(67)=が死亡、乗客ら37人が負傷した。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-222356.html
12月18日17時36分に毎日新聞からは、車輪が滑りやすい雨天時や運転士の見落としなどを考慮して設置ルールが見直されたという下記趣旨の記事が、見え難かった現場信号の写真付きでネット配信されていた。
横浜市神奈川区の京急線の踏切で9月、快特電車と大型トラックが衝突した事故を受け、京急電鉄は18日、踏切内の異常を知らせる発光信号機をより遠くから視認できるように、設置ルールを見直すと発表した。
事故現場では新ルールに基づき発光信号機が増設され、21日の始発以降、運転士は従来より11秒早く異常に気づけるようになるという。
京急によると、これまでは発光信号機が視認できる距離は踏切の手前「517・5メートル以上」としていた。
これは、快特電車の最高時速120キロでの制動距離と同じだが、車輪が滑りやすい雨天時や運転士の見落としなどを考慮し、安全性を向上させるため「718メートル以上」に変更する。
快特電車が時速120キロで走行する京急川崎―横浜間には新基準を満たさない踏切が他に9カ所あり、順次、発光信号機を増設する。
この事故は9月5日に発生した。
青砥発三崎口行き下り快特電車(8両編成、乗客約500人)が踏切内で立ち往生していた13トントラックに衝突し、トラックを運転していた男性(当時67歳)が死亡、乗客ら37人が軽傷を負った。
電車の男性運転士(28)は神奈川県警の任意の事情聴取に、「発光信号機が見えたため常用ブレーキをかけ、その後非常ブレーキもかけた」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20191218/k00/00m/040/218000c
(2021年2月21日 修正1 ;追記)
2021年2月18日10時0分に毎日新聞からは、赤信号を見た運転士が即座に反応することは困難だったなどとする調査報告書が公表された、重軽傷者は77人だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国の運輸安全委員会は18日、踏切内の異常を知らせる発光信号機を確認できる段階で、運転士がすぐにブレーキをかけなかったことが事故につながったとする調査報告書を公表した。
信号機が運転士の視界から断続的に遮られることが調査で判明し、信号に気付くのが遅れた可能性があると指摘した。
報告書によると、青砥駅発三崎口駅行きの下り快特電車(8両編成)は9月5日午前11時38分、京急川崎駅を出発した。
5分後に時速120キロで走行中、男性運転士は前方の発光信号機が踏切内の異常を知らせる停止信号を出していることに気付いた。
常用ブレーキをかけ、続いて非常ブレーキをかけたが間に合わず、神奈川新町駅(横浜市神奈川区)付近の踏切内で立ち往生していた大型トラック(13トン)と衝突し、脱線した。
この事故でトラックの男性運転手(当時67歳)が死亡、乗客75人と運転士、車掌の計77人が重軽傷を負った。
信号機は、円形赤色灯(直径12センチ)を四つ備え、異常を知らせる際は四つが同時に点滅する。
運転士から信号が確認できるのは、踏切の手前567メートル以降。
踏切の前で電車を止めるには、510メートル手前までに非常ブレーキをかける必要がある。
しかし、ブレーキ操作が始まったのは踏切の手前422メートルで、信号が確認できる地点から145メートル、時間にして4秒遅れた。
運輸安全委が実際に電車に乗るなどして調べたところ、この145メートル区間では電柱などに遮られて信号が見えないポイントがあることが明らかになった。
また、信号を確認できる地点からブレーキ操作を開始すべき地点までは1・8秒の余裕しかないこともあり、「運転士が即座に反応することは困難。信号の設置位置は確認に要する時間が十分考慮されていなかった」と指摘した。
また、京急電鉄の内規では信号の点滅確認後は「速やかに停止」と定められているが、常用ブレーキと非常ブレーキの使い分けは運転士の判断に委ねられていた。
運輸安全委は、制動力がより強い非常ブレーキを最初から使えば、衝突時の速度を低減できた可能性があるとしている。
京急電鉄は事故後、信号機の設置ルールを見直し、事故現場にも増設して従来より11秒早く信号に気付けるようにした。
内規についても、「ただちに非常ブレーキを使用」に変更した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a739dca1a0face8e4ad4fddf73f46276c001681b
2月18日13時47分に読売新聞からは、運転士は通常のブレーキをかけた後、踏切までに停止できないと思い、非常ブレーキもかけたなど、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
踏切の手前391メートルには、踏切内で障害物が検知された際に点滅する信号が設置されていた。
電車は時速約120キロで走行しており、信号が見える地点(信号の手前176メートル)を通過してから1・8秒以内に非常ブレーキを使えば踏切手前で停止できたが、運転士は4秒後に、踏切から422メートルの地点で通常のブレーキをかけ、その後、非常ブレーキも使用していた。
運転士は安全委の調査に対し、「信号の点滅に気づいてすぐに通常ブレーキを操作した。踏切までに停止できないと思い、非常ブレーキを使った」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210218-OYT1T50076/
2月18日10時39分に日本経済新聞からは、踏切の異常を光で運転士に知らせる特殊信号発光機の増設や改良の動きが、下記趣旨でネット配信されていた。
踏切の異常を光で運転士に知らせる特殊信号発光機(特発)について、京浜急行電鉄は事故後、10カ所に追加設置する対策を進めている。
特発自体を改良した鉄道事業者もある。
特発は事業者が任意で設置している。
仕様や、どこにどれだけ置くかは各社で異なる。
運輸安全委員会は報告書で、事故現場では特発を目視可能な位置に来てから1.8秒以内に非常ブレーキをかけないと踏切までに止まれず、運転士への配慮が足りないと指摘した。
京急は事故後の2019年12月、従来より200メートル以上遠くから見える場所に特発を設置するとルールを改めた。
高架化していない区間を最高時速120キロで走る京急川崎―横浜間の10カ所の踏切が対象。
事故現場の踏切では20年2月に増設を終え、他の場所でも順次作業を進めている。
作動しても運転士が見落とす恐れはあり、特発自体を改良した事業者も。
JR西日本は列車の先頭にカメラを取り付け、特発の発光を検知すると乗員に音で知らせるシステムを開発。
昨年に山陽線、伯備線で試験した。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG180A80Y1A210C2000000/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。