2018年12月17日に掲載した第8報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第9報として掲載します。
第8報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9164/
(2019年4月5日 修正9 ;追記)
2019年3月29日5時0分に朝日新聞から、運輸安全委員会の報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国の運輸安全委員会は28日、調査報告書を公表し、JR西日本の乗務員らが音や臭いなどの異常に気づきながらも運行を継続したことについて、「大したことにはならないだろう」と事態を過小評価する「正常性バイアス」が働いた可能性を指摘した。
報告書では、17年12月11日午後、博多発東京行き「のぞみ34号」の異常を点検するために岡山駅から乗り込んだ車両保守担当3人と東京の指令員のやり取りを詳細に再現した。
岡山駅を出発後、指令員が「走行上問題がない感じで大丈夫か」、「今のところ走行に支障があるという感じではないですよね」などと尋ねた。
これに対し保守担当は、「そこはちょっと判断がつかない」、「乗っている段階では判断できかねる」などと返答したという。
これらのやり取りで、指令員に「正常性バイアス」や自分の思いを支持する情報に意識が向く心理「確証バイアス」が作用したことで、走行に支障がないと判断した可能性があるとしている。
再発防止に向け、報告書は「運行継続が前提であるかのような誘導的な言い回しを用いないようにする必要がある」と提言した。
また、当時のJR西の車両点検について「列車の終着駅で点検することが恒常化していた」と指摘。
17年4月から問題発生までに、JR西が運行する山陽新幹線の異音申告は101件あったが、列車に保守担当が乗って点検したのは4件(4.0%)だった。
JR東海は、東海道新幹線で同じ期間に156件の異音申告があり、127件(81.4%)で車両保守担当が乗車して点検していた。
運輸安全委は、「何が起きているかわからない事態は重大な事故に結びつく可能性があるとの意識を、組織として醸成する必要がある」と求めた。
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出典
『のぞみ亀裂、事態を過小評価「問題ない感じで大丈夫か」』
https://digital.asahi.com/articles/ASM3X5JJ5M3XPTIL026.html?rm=356
3月28日22時5分に神戸新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書によると、博多発東京行き新幹線のぞみは出発直後から異音や焦げたような異臭の報告が繰り返しあり、指令員が保守担当に岡山駅で乗り込んでの点検を求めた。
しかし保守担当は「指令員が判断する」と考え、一方で指令員は「専門技術者である保守担当から明確な要請がある」と思っていたため、列車を止めて床下点検まではしなかった。
また、指令員は保守担当からの「床下点検をやろうか」との打診を聞き逃し、さらに「走行上問題がない感じで大丈夫か」など、運行継続に誘導するような言い回しもしていた。
こうした一連のやりとりについて、異常事態を過小評価し、平静を保とうとする「正常性バイアス」や、運行継続に有利な情報を求める「確証バイアス」が心理的に働き、列車を止められなかった可能性を指摘した。
出典
『新幹線台車亀裂、停車せず運行 司令と保守、判断「相手任せ」 』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201903/0012190332.shtml
※報告書は下記参照。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1926
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。