2019年4月15日19時9分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
京都市山科区のJR山科駅で11日夜、乗客の30代男性がホームから線路に転落した。
救助しようとほかの乗客たちも線路に下りて男性を引き上げ、散らばっていた所持品も拾い集めた。
その一部をとらえた動画がSNSに投稿されると、すぐに拡散。
「立派だ」「危ない」と賛否がわかれ、議論を呼んでいる。
JR西日本によると、11日午後10時43分、快速電車(8両編成)が到着する寸前の上り線のホームから線路に落ちた。
乗客1人がすぐに下り、隣の下り線の線路に移した。
さらに別の乗客がホームの非常停止ボタンを押したため、快速電車は非常ブレーキをかけ、ホームにさしかかったところで停車した。
救助で線路に入ったのは4人という。
警察によると、転落した男性は顔を切るけが。
「酔っていて足を踏み外した」と話しているという。
現場ではブザーが鳴り、「絶対、線路には下りないようお願いします」とアナウンスが流れた。
SNS上では、「一つ間違えれば大きな事故になる」、「人を助けて何が悪い」と賛否さまざま。
動画を撮影した30代男性は、「非常ボタンが押されるのがあと少し遅かったら、救助に向かった人たちもひかれていた。危ない場面だった」と話す。
JR西の広報担当者は、「勇気ある行動だった」としながらも、「非常ボタンを押せば駅員が対応する。危険なので絶対に線路に下りないでほしい」と呼びかけている。
出典
『線路に下りて救助、動画拡散し賛否 JR西広報の答えは』
https://www.asahi.com/articles/ASM4H572DM4HPLZB01F.html
4月15日13時10分にFNN PRIME(めざましテレビ)からは、下記趣旨の、より詳しい記事がネット配信されていた。
【一般人が転落者救助のため線路に立ち入り】
ホームをよじ登る2人の人物と、線路上を移動する人物。
これは4月11日の午後10時40分頃、京都のJR山科駅で撮影されたとみられる動画だ。
JR西日本によると、上り方面に向かう電車がホームに到着する直前、男性が線路上に転落。
一般人が助けに向かったとみられる。
この動画の撮影者は、めざましテレビの取材に対して「駅員が『絶対にホームに降りるな』と注意しているにも関わらず、無視して線路へと降りていった。『全員電車にひかれてしまうぞ!』と現場で強く感じた」と、当時の状況について語った。
【線路立ち入りに賛否の声】
すると動画を見た人たちからは、さまざまな反応が。
「自分の危険も顧みず真っ先に助けに降りた彼らはとても勇敢だし、簡単なことではないからこそ、やってのけた彼らは賞賛すべきだと思います」
「今回は運が良かっただけで、ホームから降りたヤツら全員跳ねられたなんて最悪のケースも有り得る」
【山科駅を実際に確認してみると・・・ 】
今回、動画が撮影されたとみられるのは、京都駅から電車でおよそ5分の場所にある、JR山科駅。
男性が転落した当時、何が起きていたのか?
実際にホームを見てみると、等間隔で非常停止ボタンが設置されている。
一方、駅のホームにはホームドアがなく、ホーム下に『退避スペース』もないように見える。
そこで、改めて動画を確認すると、救助に向かったとみられる一般人が小走りで線路上に落ちている靴を拾い上げてホームに投げる姿や、電車がまさにホーム直前で停車した様子が確認できる。
【過去には、救助のために線路に立ち入りをして死亡したケースも】
しかし、過去には線路上の人を助けようとして、巻き添えになったこともある。
2001年には、東京のJR新大久保駅で、ホームから転落した男性を助けようと線路に降りた2人の男性が電車にひかれ、3人とも死亡した。
2012年には、埼玉県本庄市・JR高崎線の踏切でしゃがみこんでいた男性を助けようと女性が駆け寄るも、快速列車にはねられ,2人とも死亡した。
【絶対に線路に立ち入らないでほしい】
今回の動画の冒頭の音声をもう一度よく聞いてみると、
「当駅では非常ボタンが発動しております。ただちに係員がまいりますので、お客様は絶対に線路のほうに降りないようにお願いいたします」
鳴り響くサイレンとともに、『係員が対応するので、線路には絶対おりないで』というアナウンスが・・・。
JR西日本によると、線路内に人が立ち入った場合の対応として、
『必ず非常停止ボタンを押して、駅係員を呼ぶ』
『二次被害を防ぐため線路には立ち入らないでほしい』
としている。
SNS上でも、『勇敢だ!』、『二次被害の危険性があった!』などと、今回の一般人の救助活動には賛否が分かれている。
【基本的には違法だが…】
では、一般人が救助の為に線路に立ち入った場合、罪に問われる可能性はあるのか?
レイ法律事務所・髙橋知典弁護士は、
「鉄道営業法で基本的には違法になります。科料が1万円以下に定められていたかと思います。ただ、線路の中に救助の為に立ち入ったということであれば、日本の法律では緊急避難といって、立ち入ったこと自体は違法にならない可能性が高い」
と話した。
また、鉄道アナリストの川島令三氏によると、「2002年に救助隊員が救助活動中に列車に跳ねられて死傷事故が発生した。その後、現在は安全確認がされないと、駅係員も線路には降りない」と話した。
出典
『一般人が線路に立ち入り救助した動画が物議 JR西日本「絶対に線路に立ち入らないでほしい」』
https://www.fnn.jp/posts/00044728HDK
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。