2023年2月10日22時18分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は10日、カーブでの速度超過防止用として、客車などを牽引(けんいん)する機関車に搭載したATS-P(自動列車停止装置)で、カーブを通過する際の速度データの入力に誤りがあり、10年以上設定速度を超えても減速できない状態だったと明らかにした。
設定速度を最大で時速30キロオーバーしていた。
実際に速度超過した事例は確認されていない。
JR西は、30キロオーバーしたとしても事故につながるおそれはなかったとしている。
JR西によると、平成14年、ATS-Pにカーブに対して許容できる通過速度を決めるデータを誤って入力。
当時は、このデータを用いずに速度超過を測定するシステムだったが、23年に機能が追加され、このデータが用いられるようになった。
その後は、誤った設定のまま、速度超過を測定することになっていたという。
今年1月の動作確認でミスが判明した。
JR西は確認不足だったとしている。
誤ったデータが入力されたATS-Pを搭載していた機関車は、EF65(5両)、EF81(1両)、DD51(5両)の計11両。
東海道線や大阪環状線、阪和線などの路線でカーブ245カ所のうち、145カ所で速度超過して走行できる状態になっていた。
平成24年~令和2年の9年間で寝台特急「トワイライトエクスプレス」など、約1800本の客車を牽引していたという。
https://www.sankei.com/article/20230210-T5SEP4HJWROTDKYSO5HYY4ROS4/
2月10日22時24分にYAHOOニュース(神戸新聞)からは、奈良線で機関車の試運転時にミスが判明した、2002年のシステム導入時から設定誤りがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は10日、保有する機関車11両の自動列車停止装置(ATS)の設定に誤りがあり、2011年から10年以上にわたり、カーブで設定速度を超えて運転できる状態だったと発表した。
ATSは05年の尼崎JR脱線事故の現場カーブに未設置で、再発防止に向けて増設された。
実際の速度超過や事故の記録は残っていないという。
JR西によると、誤りがあったのは列車の運行頻度の高い区間で使うATS-P。
京阪神の大都市周辺のカーブ245カ所に設置され、うち神戸線や宝塚線を含む145カ所で本来の設定時速を5~30キロ超過して走行できる状態だった。
車両はEF655両とEF811両、DD515両。
15年に廃止された大阪-札幌間の寝台特急「トワイライトエクスプレス」や「サロンカーなにわ」「日本海」の特急にも使われた。
複線化工事が進む奈良線で今年1月、機関車の試運転時にミスが判明した。
ATS-Pは地上設備と車両装置が連動して機能するが、車両側のカーブ進入時の速度を判断する設定に02年の納入時から誤りがあったという。
設定は当初は使っていなかったが、11年の機能追加以降は活用。
その後も検査をしてきたが、古いデータは対象外で見過ごされたという。
同年11月と14年には地上設備の設定の誤りが判明しており、JR西は「安全に関わる重要な機器で誤りを見つけられなかったことは問題。検査時の確認方法を見直し、再発防止に努める」と陳謝した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cdbf2aa72a5c3b36ddf3d1e984cd929b7658b1ef
(ブログ者コメント)
2月10日付でJR西のHPには、下記趣旨の記事が掲載されていた。
1.概 要
2023 年 1 月 19 日、新設線路の切換工事に伴う ATS-P 装置の動作確認を行っていたところ、機関車の一部車両において ATS-P装置の設定データに誤りがあることが判明しました。
詳細な確認を実施したところ、2011 年の省令改正による機能の追加に伴い、曲線に対する速度の設定値が計画値より高い状態となっていたこと(+5km/h~+30km/h)が判明しました。
これは、2002 年に設定したデータに入力誤りがあったためです。
・・・
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230210_00_press_ats.pdf
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。