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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20241119641分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

渡島管内森町のJR函館線で16日未明に起きた貨物列車の脱線事故は、著しく腐食したレールが引き起こした可能性が高まった。

JR北海道は18日の記者会見で、通常15ミリの厚さがあるレールの「腹部」が腐食で5分の1まで減少していたと発表した。

運行の安全性が懸念される状態まで劣化していたが、JR北海道は事故2カ月前の点検で見逃していた。

なぜ事故は防げなかったのか。

「腐食がここまでひどい状況は会社発足以来初めて。今まで見たこともない」。

JR北海道の島村・鉄道事業本部長は18日の記者会見で脱線事故の原因の一つとなったとみられるレールの腐食についてそう説明した。

JRによると、腐食したレールは脱線した貨物列車から590メートル後方にある鷲ノ木道路踏切(渡島管内森町)内に敷設され、側面が敷板に覆われていた。

敷板は少なくとも14年間はがされたことはなく、何らかの原因でレールの腐食が進んだとみられる。

腐食によって細ったレールの腹部の厚さはわずか3ミリ。

「垂直方向の加重を受け止めることはかなり難しい」(島村本部長)状況だった。

JR912日に事故現場付近で超音波によるレール検査を実施した際、異常を覚知していたが、敷板をはがしてレールの状態を確認することまではしなかった。

敷板に覆われた状態で見えるのは、列車の車輪と接触するレールの「頭部」のみで、目の届かない腹部の腐食は見つけられなかったという。

なぜ検査は徹底されなかったのか。

国土交通省は省令で鉄道各社にレールの定期検査を行うよう求めているが、具体的な検査周期や手法は各社の判断に委ねている。

JR北海道は14年に1回の頻度で探傷車を使ったレールの検査を行うと内規で定めているが、敷板を取り除いてレールを調べることまではルール化していなかった。

JR東海は過去の検査などで腐食が疑われた踏切のレールについて、5年に1度の頻度で敷板をはがして検査を行っているという。

レールの深刻な劣化が見逃されていた事態に専門家らは危機感を強める。

日本大の綱島均特任教授(鉄道工学)はレールの腐食について、塩害によって進んだと推測。鷲ノ木道路踏切は海岸沿いにあり、魚などを載せた漁業関係者の車両の通行も多いため「塩水が敷板の下にたまるなどし、長期間にわたってレールの腐食が進んだ可能性がある」という。

JRに対し「検査が表面的だったのではないか。これでは安全運行は絶対にできず、相当な責任が問われる」と早急な検査態勢の見直しを求める。

19962000年までJR北海道で保線などを担当した北見工大の白川龍生准教授(鉄道工学)は、塩害に加え、多くの大型車両や貨物列車の通行によって踏切内のレールに過重な負担が掛かり、劣化が進んだとみる。

「同様の条件がそろえば、レールの著しい腐食は他の場所でも起こり得る」と指摘し、海岸が近いなど類似の条件下にある踏切の点検を早期に実施すべきだと訴える。

今後、レール管理や点検に関する社内ルールの見直しを進めるJR北海道に対し、工学院大の高木亮教授(鉄道システム論)は注文する。

「今回の脱線事故は複合的な要因で起きたと考えるべきだ。ここまで劣化したレールを放置していたことは問題で、保線態勢の検証が急務だ」

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1089798/

 

1118日付の同社HPには、超音波検査結果の概要図など付きで説明資料が掲載されている。

https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20241118_KO_3087lecture.pdf  

 

11212036分にYAHOOニュース(北海道放送)からは、本来は15mmあるレール腹部厚みが3mmにまで減肉していた、これは塩害被害に関する過去の論文と符合するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

先週、北海道森町で発生した貨物列車の脱線事故は、私たちの身近に隠れていた危険を浮かび上がらせました。

・・・

脱線現場から見つかった鉄の塊。
腐食して、ボロボロ、バラバラになったレールです。

これは、レールの断面を表わしたもの。
上から順番に「頭部」、「腹部」、「底部」と呼ばれます。

そして本来「腹部」は15ミリの厚さがありますが、事故現場のレールは薄いところで3ミリにまでなっていました。

・・・

実はレールの塩害については、JR東日本新潟支社が調査した論文を発表しています。

今から12年前=2012年のことです。

日本大学(鉄道工学) 綱島均特任教授 ;
「その論文によれば10年間で4ミリ(レールの)腐食が進むと言われてるので、今回(事故が起きた踏切では)30年レールを使っているわけなんですけども、単純計算で言えば、12ミリ以上の腐食があってもおかしくはないということになると、今回の腐食量とも、かなり符合する」

・・・

https://news.yahoo.co.jp/articles/4acc2262e80211fe232517909d155bdf931d686c

 

11212153分にYAHOOニュース(鉄道ライターの寄稿文)からは、事故の背景の一つとして大量の離職者が出続けていることも考えられるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

事故現場となった鷲ノ木道路踏切では912日に超音波検査を実施したところ異常が検知されていたものの、目視により線路頭部の確認しか行われず、踏切の敷板を外してレール腹部の確認までは行っていなかったことから、レールの腐食を発見することができなかった。

JR北海道の内規でも確認は求めていなかった。

こうした状況に対して、「検査体制の不備がある」ことや「内規があいまいで作業員が未熟だった可能性がある」という有識者からの厳しい指摘も報道されていた。

有識者が指摘する「作業員が未熟だった可能性」の背景のひとつの要素としてあるのは、止まらない大量の離職者だ。

JR北海道が1113日に発表した2024年第2四半期の報告書では4月から9月の自己都合退職者が89名になると公表されていた。

この数字は昨年度の同時期と比較して2名減少しているものの、昨年2023年度の自己都合退職者は236名で初めて200名を超えた。

ここ数年、JR北海道では例年200名近い自己都合退職者を出し続けており、その人数はこの5年間で約1000名にのぼる。JR北海道では、202410月入社の社会人採用と20254月の新卒・社会人採用で250名を確保するというが、採用した人数とほぼ同数の人数が自己都合退職していくという現実だ。

JR北海道の離職者が止まらない理由の一つには、給料の低さがあるようだ。

転職サイトに書き込まれたJR北海道の退職理由を見ると「独身だと結婚する気が起きないほど給料が低く、仕事に対するモチベーションが湧かない」といったものや、「30代から40代の働き盛りのベテランが少ないので技術継承が難しく、仕事を覚えるには根気がいる」、さらに「国鉄時代の悪しき風土が抜けきれておらず、社内の雰囲気がよくない」といった趣旨の書き込みも見受けられた。

・・・

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/21eaa68075dd33a00410a48154ed02179f601615 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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