2022年7月1日18時29分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前11時40分頃、群馬県沼田市西倉内町の市立沼田小学校で、理科の授業中に炎が上がり、6年生の児童4人がやけどを負った。
群馬県警沼田署によると、このうち女子児童1人が顔や両腕などに数か月の治療を要する重傷で、女子児童2人、男子児童1人も腕などに軽傷を負った。
同校と同署によると、当時、1階の理科室で男性教員(61)がジャガイモの葉の色素を抜く実験を行っていた。
葉脈の観察で葉をメタノールにつけるため、中央にある机のカセットコンロにメタノールが入ったビーカーを置き、加熱していたが、教員がメタノールをつぎ足した際にこぼれてコンロの火に引火したという。
児童23人が机を囲むように実験を見学しており、4人に火の付いたメタノールがかかった。
火は理科室内のカーテンの一部なども焦がした。
事故を受け、市教育委員会と同校は同日夕に市役所で記者会見を開き、荒木校長は「大切なお子さんにけがをさせるという、あってはならないことを起こしてしまった。心よりおわび申し上げる」と謝罪した。
同署によると、男性教員は6年生の副担任を務め、3年生以上の理科の授業を担当していた。
荒木校長に「申し訳ありません」と話したという。
同署は、教員がメタノールを適切に使っていたかどうかなどについて、業務上過失致傷容疑を視野に調べている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220630-OYT1T50363/
6月30日22時10分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。(記事転載は省略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/480d12b40fbcf5bae3a82498db358e6b16a7ea38
7月1日22時34分にYAHOOニュース(共同通信)からは、教科書では湯せんで温めると書かれているが教師は直火で熱していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬県沼田市の小学校で教員が理科の実験でこぼしたメタノールが燃え、児童4人がやけどを負った事故で、教員が容器に入ったメタノールを温める際、教科書の記載では湯せんで温めるべきところを、カセットこんろの火で直接熱していたことが1日、市教育委員会への取材で分かった。
県警によると、6月30日午前11時40分ごろ、市立沼田小で、教員が教卓でこぼしたメタノールに引火。
約3~4メートル離れていた6年生の児童4人がけがをし、うち1人は両腕に重傷を負った。
市教委によると、教員は光合成の授業で葉っぱを脱色するためにメタノールを温めようとしていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d94bf355750bfde41541aad3ad39a7b85b59d28d
6月30日15時50分にYAHOOニュース(TBS NEWS)からは、ビーカーの中の量が足りないことに気づきメタノールを注ぎ足したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故当時は4時間目の理科の授業中で、ジャガイモの葉の色素を抜く実験をしていて、教員(60代)がカセットコンロでメタノールをビーカーに入れて暖めていたところ、量が足りないことに気づき、つぎ足しました。
その後、ビーカーの中のメタノールにカセットコンロの火が燃え移り、一気に燃え広がったということです。
理科室には教員と児童およそ25人がいて、教卓に集まり、実験を見ている最中でした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5324d5268d7e3c5e09b4fb0aee617ad5c4514bcd
7月2日18時20分にYAHOOニュース(上毛新聞)からは、教科書にはエタノール使用と書かれていた、直接加熱はダメとの注意書きもあった、教師は時間短縮のため自分がやればいいだろうと直火加熱した、児童は少し離れた実験テーブルにいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沼田市教委は1日、教員が教科書にエタノールを使うように記されているのにメタノールを使い、準備時間を短縮するために危険とされる直接加熱をしたことを明らかにした。
市教委によると、事故があったのは日光でジャガイモの葉に作られたでんぷんを調べるための実験。
教科書には湯せんによって温めたエタノールを使って葉の緑色を抜くように記されているが、教員はメタノールを使っていた。
理由は「調査中」としている。
教科書には「きけん 絶対に、エタノールの入った入れ物を、直接熱したり、エタノールのそばで火を使ったりしない」との注意書きもあったが、教員は1リットルのビーカーにメタノールを入れ、カセットコンロで直接温めた。
同校は1日午後6時半から、市保健福祉センターで保護者説明会を開いた。
校長や担当教員らが事故概要や再発防止策などを参加者約100人に説明した。
市教委によると、教員は説明会で、児童ではなく自分がやれば大丈夫だろうと考え、少しでも早く温めようと直接熱したと説明。
「取り返しのつかないことをしてしまい申し訳ありません」と謝罪したという。
一方、市教委は「教員が実験を児童に見せていた」との30日の校長の説明について、教員が1人で教卓でメタノールを温め、児童は班ごとに別れて教卓前に並んだ実験テーブルで葉の気孔を観察していたと訂正した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6a542c00f11e74f2153439a0526a67722ae9bcf5
教員の説明では、生徒に配るメタノールをビーカーに入れて、教卓のカセットコンロでじかに加熱していた。
液量が足りないため、火をつけたまま一斗缶を持ち上げてビーカー(1リットル、口径約10センチ)に注いだところ、引火して5メートルほど先の児童4人に飛び散ったという。
通常の実験ではメタノールではなくエタノールを使い、湯煎する。
教科書には「絶対に、エタノールの入った入れ物を、直接熱したり、エタノールのそばで火を使ったりしない」と書かれている。
県警はエタノールより沸点の低い工業用のメタノールを使用した経緯も調べる。
同校が1日に開いた保護者向け説明会で、教員は「教員なら火にかけても大丈夫だと思った。実験を早く進めたかった」と謝罪した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220702-OYT1T50270/
(2022年11月6日 修正1 ;追記)
2022年11月2日7時33分に読売新聞からは、この教師は昨年もメタノールを直接加熱していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沼田市教育委員会は1日、この教員が昨年も誤った手順で実験を行っていたと明らかにした。
事故は葉の色素を抜く実験で起きた。
葉を溶かす溶媒として、通常は植物性のエタノールが使われるが、教員は毒性の強い工業用メタノールを使用した。
さらに、揮発性の高い溶媒はビーカーに入れてお湯の中で温める手順になっているが、教員は教卓上のコンロでビーカーを直接加熱。
一斗缶(18リットル)でメタノールをつぎ足した際にこぼれて炎上した。
市教委によると、教員は昨年も同小での実験で、メタノールを直接加熱していた。
市教委は、市内20の小中学校が保管するメタノールの回収を進めていることも明らかにした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221102-OYT1T50027/
(2022年11月12日 修正2 ;追記)
2022年11月11日10時19分に朝日新聞からは、当該教諭が書類送検された、沼田小では2学期から5、6年生の理科の授業は複数の教員で指導するなどの対策をとっているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沼田署は9日、男性教諭(61)を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
署への取材でわかった。
男性教諭は容疑を認めているという。
県警は当時の状況を調べ、教諭が安全に実験を進めるための注意義務を怠った疑いがあるとみた模様だ。
市教委によると、この教諭は昨年度も同じ実験でメタノールを使用し、ビーカーに入れて直火で温めるという誤った方法で実験をしていた。
他の10小学校ではいずれも教科書の例示通りに指導していたという。
市教委は事故後、理科の実験などで使うために市立計20小中学校に保管されていたメタノールをすべて回収するなど、再発防止策を講じている。
小学校の理科担当教諭らが、実験器具や薬品の安全な扱い方について研修を受けたという。
沼田小では2学期から、5、6年生の理科の授業を、中学校の理科の教員免許を有する教員と非常勤講師による複数態勢で指導している。
事故でショックを受けた児童や教職員らの精神面に配慮し、理科室の場所を変えたという。
https://www.asahi.com/articles/ASQCC365NQCBUHNB00C.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。