2020年7月21日20時58分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
ツイッターに無断でツイートされて一部が切り取られた写真をリツイートすることが著作者の人格権を侵害したといえるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は21日、著作者が写真上に記した名前が見えなくなった状態でリツイートした場合は、権利侵害に当たるとの判断を示した。
裁判官5人中4人の多数意見。
林景一裁判官は権利侵害には当たらないとの反対意見を述べた。
判決は、クリック一つで他人の投稿をインターネット上に拡散できるリツイートに際し、投稿者に権利侵害の有無を確認するよう求めたといえ、影響が出そうだ。
北海道の写真家の男性は、撮影したスズランの写真を、左下に自分の名前を記してネットに公開した。
この写真を2人が無断でツイートし、さらに別の3人がリツイートして拡散した。
ツイッターに写真をツイートすると、投稿欄に収まるように写真の一部を切り取るトリミングが自動でされることがあり、男性の写真も名前を記した部分が切り取られた。
写真をクリックすれば元の写真が表示されるが、男性側は「著作者人格権」を侵害されたとし、投稿者5人を特定する情報の開示を求めた。
無断ツイートの権利侵害に争いはなく、最高裁ではリツイートが権利侵害に当たるかが争点となった。
小法廷は、画像が切り取られたのは写真を自動調整するツイッターのシステムだとしつつ、リツイートした投稿者も、著作者の名前を投稿のどこにも表示しなかったと指摘。
写真をクリックすれば元の写真を見ることができたとしても、それは別のウェブページに元の写真があることにとどまるとした。
その上で、作品に著作者名を付けるかどうかを選べる権利を侵害したと認定し、ツイッター社側の上告を棄却。
投稿者5人のメールアドレスの開示を命じた2審・知財高裁判決(2018年4月)が確定した。
【著作者人格権】
著作権法は、作品を創作した著作者に「著作権」と「著作者人格権」を与えている。
著作権が利用許諾料などの財産的利益を保護するのに対し、著作者人格権は著作者の人格的利益を保護する。
▽著作物をどのように公表するかを決められる「公表権」
▽公表時に著作者名を付けるかどうかを選べる「氏名表示権」
▽他人が勝手に改変することを禁じる「同一性保持権」
の3項目からなる。
侵害すると5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されることがあり、著作者は損害賠償を請求できる。
https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/040/250000c
7月21日20時30分に毎日新聞からは、上記記事の関連解説記事が下記趣旨でネット配信されていた。
リツイートによる著作者人格権の侵害を認めた21日の最高裁判決は、ツイッターの利用者に、違法の恐れがある写真を安易に拡散させないよう警鐘を鳴らした。
ただ、写真の切り取りは利用者の意思に関係なく、ツイッターのシステムとしてツイートの際に自動的に起きる。
利用者の萎縮を避けるためにも、ツイッター社側の対応が求められる。
ツイッター社は、投稿した写真や画像は自動で切り取られることを利用規約で明記している。
著作者が直接ツイートしていれば、著作者が了承したことになり、それをリツイートしても権利侵害には問われない。
今回は著作者はツイートせず、第三者が無断でツイートした際に写真が切り取られたため、リツイートも問題視された。
今後、同様に権利侵害に気付かずにリツイートすれば、著作者から損害賠償を請求される可能性もある。
自動切り取りは、フェイスブックやインスタグラムなど他の会員制交流サイト(SNS)も採用しており、判決の影響はこれらにも及びそうだ。
しかし、利用者がリツイートのたびに、著作者本人が発信したかどうかや、権利侵害の有無を確認するのは困難で、投稿の手軽さから利用者が拡大しているSNSの世界に大きな負担となる。
小法廷でも、この点を巡り議論が交わされた。
戸倉三郎裁判長は補足意見で、利用者に心理的負担が生じることは否めないと認めつつ、投稿によって著作者の権利を侵害しないためには、当然、伴う負担だとした。
併せてツイッター社側にも、情報流通サービスの提供者の社会的責務として、改善を求めた。
一方で、反対意見を述べた林景一裁判官は、投稿者には画像表示を変更する余地がない点を重視した。
わいせつな画像などと違って、今回は一見して不適切な画像には見えず、こうした画像まで確認が求められれば、リツイート自体を差し控える事態をもたらしかねないと主張した。
原告代理人の斎藤弁護士は、「少しでも怪しい投稿と感じたら立ち止まってほしい。リツイートは指1本でできるが、権利侵害を拡大させるリスクがある」と訴える。
https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/040/275000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。