2022年1月5日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
激しく波を打つ2本の折れ線グラフ。
「新型コロナウイルスのワクチン接種で不妊になる」といった科学的根拠のない主張を巡るネット交流サービス(SNS)上の攻防を可視化したものだ。
作成した東京大の鳥海(とりうみ)不二夫教授(計算社会科学)の分析によれば、ツイッターで2021年に拡散したワクチンと不妊をめぐる誤情報のおよそ半分は、わずか七つのアカウント(発信者)が起点になっていた。
SNSのビッグデータ解析が専門の鳥海教授は、21年1~11月にツイッターに流れた「ワクチン」「不妊」などという言葉が含まれる投稿約55万件を調べた。
拡散数の多い投稿(ツイート)と、それを転載(リツイート)したアカウントの関係を分析すると、ワクチンが不妊や流産につながるとの主張に肯定的なグループと否定的なグループの分断構図が浮かんだ。
不妊につながると主張するグループの投稿数は約8万5000件。
その半数の起源となった七つのアカウントは、ワクチン反対の立場から海外ニュースなどを紹介したり、反グローバリズムや陰謀論などを主張したりする傾向があった。
一方、不妊を否定するグループの投稿数は約16万5000件。
半数は3人の医師と首相官邸のアカウントの発信が起源だった。
両グループとも、少数の発信者が大きな影響力を持っていた。
こうした投稿が拡散し始めたのは21年2月。
医療従事者を対象に先行接種が始まった時期に重なる。
あるアカウントは、米モデルナ社製ワクチンの動物実験で一定割合が不妊になったとの研究事例を投稿した。
すると、瞬く間に多くの賛同者から「いいね」がついた。
【医師ら打ち消し】
その直後、研究者を名乗る匿名のアカウントが、この情報を打ち消した。
「明らかなデマ。書類に『ラットの試験で妊娠への影響はなかった』と書いてあるのを恣意(しい)的にゆがめた」。
他のアカウントからも、「うそをつくのをやめて」と、不妊を否定するツイートが続いた。
両グループの投稿は、国内で接種が本格化した21年5月に急増する。
国内外で接種後に流産したケースを訴える投稿も広まったが、そのたびに医師や首相官邸などが「(海外調査でも)流産は増えていない」と打ち消した。
鳥海教授は、「不妊否定のツイートの方が拡散し、不妊につながるとの情報を打ち消す効果が大きかった。コロナに限らずワクチンに反対する人は昔からいるが、積極的に発信する影響力の大きな人は少数で、不妊否定と比較すると広がりは小さかった」と指摘する。
首相官邸のホームページによると、3日時点で国内でワクチンの2回接種を完了した人の割合は、主要7カ国(G7)で最高の78・5%に達している。
接種が進んだ21年秋以降、不妊を否定するツイートは急減した。
だが、不妊を訴える投稿は、今も小規模の拡散を繰り返している。
日本産婦人科感染症学会副理事長の早川智・日本大教授は、「ワクチンで不妊症になることはない。重症化を防げるメリットが大きい」と話す。
https://mainichi.jp/articles/20220105/ddm/001/040/101000c
(ブログ者コメント)
本ブログでは、昨年2月にも同じような情報を紹介している。
「2021年2月4日報道 ネットの炎上は、ごく少数の人が、人によっては複数のアカウントから批判や誹謗中傷を何回も書き込むことで始まり、それをマスメディアが取り上げることで大炎上する」
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11392/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。