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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2022151755分にNHK栃木から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

5日午前8時半ごろ、栃木県那須町の那須サファリパークで男女3人の飼育員が相次いでトラに襲われました。

警察や消防によりますと、このうち26歳と22歳の女性の飼育員のけがの程度が重いということです。

施設によりますと、襲ったのは11歳のオスのベンガルトラ「ボルタ」で、体長およそ2メートル、体重は150キロほどあるということです。

当時は、26歳の女性飼育員が開園に向けて、屋内の飼育施設でトラを屋外に移動させる準備をしていて、本来はトラがいないはずの移動用の通路付近で鉢合わせして襲われたとみられるということです。

このあと、悲鳴を聞いて駆けつけた22歳の女性飼育員と24歳の男性飼育員も、相次いで襲われたということです。

トラは、夜間は飼育施設の中にある小部屋に戻すことになっていますが、前日の夜に、別の飼育員が小部屋に入れたことを確認していなかったということです。

会見した「那須サファリパーク」の葛原支配人は、「トラが本来いないはずのところにいたことによって起きた事故だと思われる。原因を徹底的に究明し、事故が起きないようにしたい」と述べました。

「那須サファリパーク」は、トラやホワイトライオンなど70種類、700頭の動物が放し飼いされ、来園者が車で移動して動物の様子を楽しむ施設で、事故を受けて当面、休園するとしています。

この施設では、平成9年と平成12年にも、飼育員などがライオンにかまれて大けがをする事故が起きています。

施設によりますと、飼育員を襲ったのは「ボルタ」という愛称のオスの11歳のベンガルトラです。

体長2メートル、体重が150キロほどあり、世界で30頭ほどしか飼育されていないとされる金色の毛並みが特徴だということです。

施設では、とら年にちなんで、今月2日に動画投稿サイトのYouTubeで特集動画を公開しました。

「独占インタビュー」というタイトルが付けられた動画では、全国のサファリパークや動物園が参加する「推し虎グランプリ」という来園者の人気投票のランキングで現在、1位になっていることを紹介しているほか、飼育員が、好きな食べ物やことしどんな年にしたいかなどを尋ねています。

施設によりますと、「ボルタ」は垂れ目の表情が癒やし系だとして、施設の動物のなかで人気者です。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20220105/1090011341.html 

 

1612分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からも同趣旨の記事が、解説図付きでネット配信されていた。

なぜ、飼育員は襲われたのでしょうか。

支配人:
「『トラがいない』と思っていたところに、トラが来てしまったと」

事故が起きた獣舎の見取り図では、右から3番目が「ボルタ」のオリとなっていて、通常、扉は施錠されているといいます。

襲われた女性の1人は、本来、「ボルタ」がいないはずの通路を通ろうとしていましたが…。

支配人:
「女性スタッフがトラから攻撃を受けて、そのときに叫び声を上げた」

別の飼育員が駆けつけると、女性が襲われていたということです。

支配人:
「他の2名に関しては、女性社員を助けようとして、後から入っていった」







https://news.yahoo.co.jp/articles/24afd4ec115e85a3dd3540c529322b5017938179 

 

152042分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、専門家は普段と違う状況になったので本能的に襲ったと話しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

葛原 支配人:
3名とも主に頭部を(かまれた)。上半身、頭部の骨折、裂傷と。 最初に噛まれた女性飼育員はドクターヘリで、他の2人は救急車で搬送され、いずれも意識はあったという。」

普段であれば、ボルタは右から3番目の獣舎の中にいて、飼育員と同じスペースにいることはない。

しかし5日朝、飼育員がキーパー通路と呼ばれる飼育員の作業スペースから一番左の獣舎とアニマル通路と呼ばれる場所を通り展示スペースに出ようとしたところ、獣舎から出ているボルタと遭遇。

その後、キーパー通路の隅で襲われているところを発見され、助けに入った2人も次々と襲われたという。

獣医師がボルタを麻酔銃で眠らせ、襲われた飼育員を救助した。

人に危害を及ぼすおそれがある特定動物の専門家白輪剛史さん:
「(トラは)イレギュラーなことがあって、普段だったら絶対目の前にいない人間がいて、本能的に目の前にいる人間を襲ったということですね。」

那須サファリパークは、襲われた3人の詳しいけがの状態は分かっておらず、しばらくは休園するとしている。

また、ボルタについては、「トラが悪いわけではない」として、今後の展示内容について検討したいとしている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c41cd14f044276530cf0e4ebfc0a880fdecabe5f 

 

16031分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、26歳の女性飼育員は全身を噛まれていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

この事故で、26歳の女性飼育員が全身をかまれ重傷を負い、22歳の女性飼育員も右の手首を失う重傷。
また、男性飼育員も頭などにけがをした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/40e888904322cbcdb467eb1084130b90b267bb84 

 

1671分にYAHOOニュース(下野新聞)からは、手首を失った22歳の女性飼育員以外の2人は自力で逃げたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

26歳の女性と男性は自力で別室に逃げたが、22歳の女性は逃げ出すことができなかった。

26歳の女性は約3年前からトラの飼育を担当し、22歳女性は主に小動物、24歳の男性は大型動物を担当していた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cc1b841804730fc547aa7c04b355c94cc648dd6c 

 

16日付で毎日新聞東京版からは、前日の担当飼育員はトラが獣舎に戻ったことを確認せずに獣舎を施錠したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

同園は取材に対し、前日の閉園後、トラが獣舎に戻ったかどうかを確認せず獣舎を施錠した疑いがあり、トラが通路に出たままになっていた可能性があると説明した。

前日の担当飼育員は「通路まで戻った様子は確認したが、獣舎に入ったかは分からない」と話しているという。

https://mainichi.jp/articles/20220106/ddm/041/040/035000c

 

152124分に産経新聞からは、マニュアルでは「トラを飼育スペースに入れ柵が下りているのを確認する」となっているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

同園の葛原支配人によると、飼育スペースと通路は、柵を隔てて隣り合っている。

マニュアルでは、展示終了後はトラを飼育スペースに入れて、柵が下りているのを確認する。

だが、4日は確認していなかったという。

トラは通路に残ったまま5日を迎えたとみられる。

https://www.sankei.com/article/20220105-S5LYYIHIOVOJXJD62GLKL6TYHQ/

 

16915分に下野新聞からは、マニュアルでは屋外通路を通ることになっているが凍結していたためアニマル通路に入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

マニュアルでは、トラを獣舎に戻した時間を記録することになっているが、前日の4日の担当者は「通路に入れたが、獣舎に入れたかは記憶にない」と話しているという。

獣舎内には4日夕方に与えた餌が残っており、トラは獣舎に入らないまま5日を迎えた可能性が高いという。

また、マニュアルでは展示場の点検を行う際、安全確保のため、屋外の通路を通ることになっているが、飼育員は屋外が凍結していたため、アニマル通路に入ってしまったという。

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/540194?relatedarticle 

 

1月9日付で毎日新聞東京版からは、今回襲われた3か所の説明図付きで過去2回の事故の概要などが下記趣旨でネット配信されていた。

マニュアルでは、獣舎にいるか目視で確認することになっているが、前日担当した20代の男性飼育員はしていなかったという。

県の立ち入り調査では、獣舎内のエサは手つかずの状態で、トラ用通路にはトラのふんが落ちていた。

トラは獣舎のエサも食べられないまま通路で一晩を過ごし、翌朝になって飼育員と出くわしたとみられる。

同園では1997年と2000年にも、飼育員がライオンにかまれる事故が起き、当時の園長らが労働安全衛生法違反容疑で書類送検された。

いずれも飼育員への教育が徹底されていなかったことが事故を招いたとされる。

97年の事故では、飼育係2人が遮断扉を閉めずにエサの準備を始め、飛び出してきたライオンにかまれ重軽傷を負った。

1人は実習生で経験も乏しかったが、作業手順について十分な指導を受けておらず、事故防止マニュアルも備えていなかったという。

00年は清掃中の男性従業員がライオンにかまれた。

元副支配人らは、ライオンがおりから飛び出した際の応急措置などの教育を怠っていたとされる。

97年の事故を受けて「飼育マニュアル」を作成していたが、厳密には守られていなかったとして、大田原労働基準監督署が書類送検した。

みたび事故が繰り返されたことについて、同園の葛原支配人(46)は、「緊急時用など最新のマニュアルを用意し講習もしていたが、ヒューマンエラーが重なった。トラが獣舎にいることを確認すれば防げたはずで、ミスがあっても対応できる体制を整備していく必要がある」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20220108/k00/00m/040/152000c

 

(ブログ者コメント)

詳細不明だが、「これまで何回かアニマル通路を通ったことがあるが問題はなかった」といった過去の成功体験、あるいは「トラが通路にいるはずはない」といった思い込みなどがあったのかもしれない。

 

(2022年1月13日 修正1 ;追記)

20221121718分にNHK栃木からは、前日の担当飼育員はマニュアルの手順にない雪かきを行っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事故を受けて、動物園などで作る日本動物園水族館協会が、再発防止策を検討するため10日、現地調査を行ったことが関係者への取材でわかりました。

現地調査の結果、前日の担当飼育員2人は、当時、おりのある建物周辺に雪が積もっていたため、業務マニュアルの手順にない雪かきを行っていたことが新たにわかったということです。

日本動物園水族館協会は、普段行わない除雪作業に追われてトラがおりにはいったかどうか確認が不十分になったとみて、事故原因と再発防止の指針を近くまとめ、全国の動物園やサファリパークに注意喚起する方針です。

現地調査を行った「日本動物園水族館協会」の辻本安全対策委員長は12日、NHKの取材に応じ、通常の手順にない除雪作業を行ったことが事故の大きな背景になったという見方を示したうえで、「過去の事故をみても、通常の手順とは違う作業が生じることで動物を収容し忘れるというケースがあった。こうしたヒューマンエラーを事故につなげない取り組みが必要だ」と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20220112/1090011378.html

 

 

(2022年1月19日 修正2 ;追記)

2022118651分に読売新聞からは、調査報告書がまとまった、トラの収容は2人で行う決まりになっていた、飼育員はトラ舎を通らないことが前提だった、事故時の対応にも課題ありなど、下記趣旨の記事が、獣舎内の写真と事故当時の詳細な状況説明図付きでネット配信されていた。

日本動物園水族館協会(東京)は17日、調査報告書をまとめ、「基本的な安全確認作業の不徹底」が要因だと指摘した。

施設側の説明からも、2人で行うトラの収容を事実上1人で行うなど、マニュアルや基本ルールに反した行為が重なり、事故に至った様子が浮かび上がる。

施設によると、獣舎の扉は、トラの立ち入らない従業員通路からワイヤを使って開閉する。

収容する際、飼育員がワイヤで扉をつり上げ、トラが鉄格子の獣舎の中に入るのを目視で確認した後、扉を下ろす。

施設のマニュアルでは、この作業を2人で行う決まりになっていた。

事故前日の4日夕方、トラの収容作業を男性飼育員2人が担当。

トラを通路まで入れた後、1人は別の作業のためトラ舎の建物を離れ、もう1人に獣舎への餌入れや収容作業を任せた。

5日朝の開園前、この日の担当の女性飼育員が、展示スペースの安全を確認するため、トラ舎内の空いた獣舎を抜けようとしたところ、雄のトラ「ボルタ」と鉢合わせした。

飼育員がトラ舎を通り抜けて展示スペースに出ることも、本来は想定されていなかった。

建物の外を回る通路があり、飼育員はトラ舎内を通らないのが前提だったという。

だが、施設によると、飼育員がトラ舎内を通り抜ける行為は、事故以前にもたびたびあったようだ。

協会の調査報告書では、トラが獣舎の中にいるかどうか、目視が徹底されていなかったことに言及。

出入り時の基本的な安全確認が不十分だったとし、全国の加盟施設に再発防止を呼びかける通知を出した。

このほか、事故発生時の対応も課題として挙げられた。
女性飼育員の悲鳴を聞いて駆けつけた飼育員2人も相次いで襲われ、二次被害につながったからだ。

協会の坂本・安全対策部長(61)は、「仲間を助けようとする気持ちはよく理解できる」としたうえで、「麻酔でトラが動かなくなるまで、遠くから水をかけて気を引くなどの方法もあった」と指摘した。

県警は、複数の過失が重なり事故につながったとみて、業務上過失傷害の疑いで捜査を続けている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220117-OYT1T50242/


(2022年1月22日 修正3 ;追記)

2022120949分にYAHOOニュース(とちぎテレビ)からは、報告書は関係施設のみ閲覧可能など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

日本動物園水族館協会では、会員の全国の動物園と水族館合わせて139の施設だけが閲覧できるホームページ上に調査報告書を掲示して情報共有し、事故が2度と起こらないように再発防止を呼びかけています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/180e7a3d83bc9292243fe75896dfc0f7d6c26884

 

(2022年6月11日 修正4 ;追記)

20226101228分にYAHOOニュース(デイリー)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

20226月8日、ボルタは誕生日の翌日に心不全で死亡した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b51cd38b6184d2ce0ecc6c47fe424ddaf8b89ed6

 

(2023年5月12日 修正5 ;追記)

20235112154分にYAHOOニュース(下野新聞)からは、安全教育や安全管理を怠ったとして関係者が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

大田原労働基準監督署は11日、飼育手順マニュアルの順守など安全衛生教育を怠ったとして、労働安全衛生法違反の疑いで園の運営会社「東北サファリーパーク」(福島県二本松市)と現場責任者の男性支配人(48)を宇都宮地検に書類送検した。

送検容疑は、園の従業員に対し、安全や衛生のための教育をせずに動物の飼育作業を行わせ、2215日朝、トラ展示場への安全な通路を設けずに、展示場の柵を点検させた疑い。

同労基署によると、飼育手順マニュアルの順守や、万が一襲われた際の退避法など、安全衛生に関わる教育が不十分だったという。

園などによると、事故前夜、トラを獣舎に収容する際に、マニュアルで定められた2人ではなく1人で作業していた。

事故当日も含め、使用が想定されていないトラ用の通路を通ることも常態化していた。

事故は同年15日午前8時半ごろ、ベンガルトラ舎で発生。
開園前の準備でトラ舎に入った女性飼育員がベンガルトラの「ボルタ」に襲われ重傷を負った。
助けに駆け付けた飼育員2人も襲われ負傷した。

事故を巡っては、県警が今月2日、安全管理を怠ったとして、業務上過失傷害の疑いで男性支配人ら計6人を書類送検している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8ef23d237a44ecf9a5ab12d72aaba87235a14490

 

 

  

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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