2019年8月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
環境基準を大きく超える鉛やヒ素が含まれる砂利状の金属片「スラグ」が、群馬県内の公園、駐車場、住宅の庭などで使用されていた。
東証1部上場の金属メーカー「東邦亜鉛」の安中製錬所(群馬県安中市)から排出されたもので、毎日新聞の取材に対し、同社の取引先の建設会社は、自社工事分だけで使用が数10カ所に上ると明らかにした。
東邦亜鉛は9日、有害なスラグの出荷を認めて関係者に謝罪。
同社負担で回収・撤去する方針を示し、費用が約69億円に上る可能性があると発表した。
スラグは金属製錬の際に炉にたまる金属くずで、基準を超える有害物質が含まれていないことなどを条件に、建設資材に再生利用されるケースもある。
毎日新聞は同社製スラグを取引先から入手し、国指定の検査機関に分析を依頼したところ、環境基準の55倍の鉛と6倍のヒ素が検出された。
同県高崎市の建設会社などによると、東邦亜鉛は少なくとも10年前からスラグを販売。
建設会社は、公園整備や道路舗装などの公共工事に利用したほか、県内のガーデニング会社に転売し、住宅の庭や駐車場に敷き詰められていた。
専門家から子どもの健康被害などを懸念する声が出ている。
昨年9月、この建設会社も整備に関わった高崎市の公園駐車場などを群馬県や同市が調査し、基準の最大57倍の鉛や同3倍のヒ素を検出。
県などは、廃棄物処理法違反の疑いがあるとみて、既に東邦亜鉛を立ち入り検査した。
違反が認められれば、行政処分や刑事告発などが行われる可能性もある。
建設会社社長は、「東邦亜鉛から安全な資材と説明され、有害物質が検出されなかったという検査結果も受け取っていた」と話した。
東邦亜鉛総務部は8日、毎日新聞の取材に、「環境基準を超過する製品(スラグ)が出荷され、一部販売先で品質管理が十分されていなかった」とコメント。
出荷件数などは調査中とした。
東邦亜鉛は1937年創業。
群馬県安中市のほか、広島県大崎上島町、福島県いわき市に製錬所を持ち、亜鉛製品や鉛、硫酸などを製造販売する。
72年には、安中製錬所から排出されたカドミウム汚染水などが農作物に影響を与えたとして、地元農家らが損害賠償を求め提訴し、会社側が4億5000万円を支払うことなどで86年に和解している。
https://mainichi.jp/articles/20190810/ddm/001/040/144000c
8月10日17時16分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東邦亜鉛は、安中製錬所(群馬県安中市)が道路の基盤用などに出荷した非鉄スラグ製品の一部に、土壌環境基準を超える鉛やヒ素が含まれていたと発表した。
公園やガーデニング用など、人に触れる可能性がある場所にも使われており、同社は昨年から撤去を進めていたが、これまで発表していなかった。
健康被害は報告されていないという。
東邦亜鉛によると、非鉄スラグは亜鉛の製造工程で出る砂利のような形のもので、セメントや道路の基盤材として販売していた。
平成28年に他社の品質問題や日本鉱業協会のガイドライン変更を受け、同年4月以降、出荷を停止した。
昨年8月に調査チームを設置して使用場所の特定などを進め、一部を撤去した。
問題を把握した時期や使用された場所は、調査中として明らかにしていない。
撤去費用は計約69億円に上る可能性があるとしている。
東邦亜鉛は、「地域住民の皆さまや関係各方面の皆さまにご心配とご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げる」としている。
https://www.sankei.com/affairs/news/190810/afr1908100009-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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