本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。 それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。 本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。 一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。 (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年10月21日付で、毎日新聞静岡版から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
浜松労基署は20日、浜松市の県道復旧工事で起きた労災事故を隠したとして、のり面工事を2次下請けしていた「A産業」と1次下請け、元請け会社の幹部役員ら計4人と同社を、労安法違反(労災隠し)などの疑いで書類送検した。
容疑は、共謀して08年12月18日、現場で当時37歳のA産業の男性作業員が掘削機械を右足に当て負傷し4日以上休業したにも関わらず、「労働者死傷病報告」を所轄の労基署長に提出しなかったとしている。
この作業員が今年2月に同署に相談して発覚した。
同署によると4人は容疑を認め、元請け会社の役員は「工事が止められるのを恐れた」、1次下請けとA産業の役員は「元請けの意向をとり入れた」と供述しているという。
出典URL■■■
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2011年10月20日付で、中国新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会社が従業員の労災事故を労基署に届け出ない「労災隠し」が後を絶たない。
中国地方5県では今年、労災隠しで労基署が労安法違反容疑で書類送検した件数が9月末現在、10件に上り、昨年1年間の11件に迫る。5県の労働局は指導を強める構えだ。
県別内訳は、広島3件、山口4件、島根1件、鳥取2件。岡山はゼロだった。
業種別では建設業9件、造船業1件となっている。
労安法は、労災で従業員が仕事を休んだ場合、労基署への届け出を会社に義務付ける。治療費は労災保険から支払われる。
労災隠しの理由は、受注減につながる労基署の調査・処分や公共工事の指名停止処分の回避などがある。
2月に書類送検された建設業者は、公共工事での事故だったのに、「指名停止を免れるため」と、民間工事とうその報告書を労基署に提出していた。
また労災を口止めするため、けがをした従業員に対し、保険金の代わりに会社が見舞金を払うケースもあるとみられる。
5県の年間の労災隠し件数は2001年以降、09年の6件を除いて10件台で推移する。
各労働局は「労災隠しが減らないのは長引く不況で工事が減り、経営環境が厳しいことが背景にある。労働者にしわ寄せがいかないよう対策を強化する」として、啓発用のチラシを業界団体に配布したり、各団体の大会でアピールしたりする。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
事故の状況などを伝える情報として、これまで何件か労災隠し事例を掲載してきたが、この記事は、その延長線上の情報として掲載する。
2011年10月20日付の毎日新聞東京版と21日付の茨城新聞から、また20日0時36分に時事ドットコムから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
独立行政法人「農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所」(つくば市)が、法令で決められた実験室の扉を閉めるなどの措置をせずに大豆の遺伝子組み換え実験を行っていたことが19日分かった。
8月に内部調査で把握し文部科学省に報告したが、外部には公表していなかった。
遺伝子組み換え実験は、法律で、閉めきった室内で行う拡散防止措置などが義務づけられている。
同研究所によると、実験は07年1月~今年5月に実施。 大豆のDNA塩基配列を読み取るため、実験室外の廊下に置いた培養器に収納した試験管やシャーレを使って、大豆の遺伝子を大腸菌に導入して培養した。
機器の破損はなく、外部に影響はないという。
同研究所では、研究員の法令順守や安全管理のための教育訓練の徹底と実験の監視体制の強化を行ったという。 つくば市には18日になって報告した。
文科省は同研究所を厳重注意した。
市は「判明後2カ月が過ぎるまで報告されず、市民の不安を招き大変遺憾だ。同研究所と文科省に再発防止を申し入れる」としている。
出典URL■■■
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(ブログ者コメント)
遺伝子組み換え実験なるもの、素人目にはおどろおどろしく感じられ、何重ものガードがかけられた、もっと厳重な管理下で行われているかと思っていたが、法規制ともども、案外とユルユルのようだ。
まあ、実験のレベルによっても違うのではあろうが、今回培養したものは大豆の遺伝子を組み込んだ大腸菌。まったく自然界には存在しないものだ。それを、実験室の扉を閉めるぐらいの対策で本当に大丈夫なのだろうか?
2011年10月14日付で、朝日新聞多摩版(聞蔵)から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
立川労基署は、13日、清掃業のJFE環境サービスと東村山事業所の元所長(60)を労安法違反(労災隠し)の疑いで書類送検した。
労基署によると、今年1月19日、元所長は、東村山市から運転業務を委託されたごみ焼却施設「秋水園」のクレーン部材置場で、従業員男性が作業中に右足骨折の重傷を負ったのに、事故発生から約半年間、労基署に報告書を提出しなかった疑い。
元所長は「本社で注意を受けるのがいやだったので、事故報告をためらった」と話しているという。
(ブログ者コメント)
事故を起こしたのだから、ある程度の叱責を受けるのは仕方ないが、労災を隠したくなるほどに厳しい叱責なのだろうか?
「注意を受ける」という言葉を使っているらしいので、さほど厳しい叱責とも思えない。
JFEのグループ行動指針には、このようにある。
9.「従業員にとって魅力に富み、安全で働きがいのある職場を提供する」
10.「法令を遵守し・・・適法な事業活動を行うとともに・・・」
この労災隠し、元所長の個人的資質、性格によるものだと思いたい。
2011年10月11日19時28分にNHK長崎から、また10月4日付で日経BPから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎市でおととし7月、作業員が工事中に足場から転落して大けがをした事故を報告しなかったとして、長崎労基署は、諫早市の建設会社と、この建設会社の代表取締役ら2人を、労安法違反の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、諫早市にある建設会社と67歳の代表取締役、それに、工事の元請け会社の42歳の当時の現場の所長。
同署によると、2人はおととし7月、長崎市内で防波堤の岸壁として使われる鉄筋コンクリート製の箱を作る工事中に作業員が足場から転落して骨を折る大けがをした事故を労基署に報告せず、労災事故を隠そうとした労安法違反の疑いが持たれている。
この事故は今年になって元請け会社の内部調査で発覚したということで、労基署の調べに対し、元請け会社の当時の現場の所長は「労災事故があると会社が今後、公共事業で指名されなくなると考えた」と話し、建設会社の代表取締役は、「元請け会社に迷惑がかかると思った」として2人とも労災隠しを認めているという。
国交省九州地方整備局は、この元請け会社を2011年12月19日まで3ケ月間の使命停止とした。
出典URL■■■
(NHKの記事は、1日か2日でアクセスできなくなりますので、御承知おきください)
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(ブログ者コメント)
労災隠しは本ブログでも何件か掲載しているが、元請けの内部調査で発覚したと報じられた事例は初めてだ。
元請けは、どのようなキッカケで内部調査したのだろうか?内部通報?定期調査?
2011年10月8日2時19分に、msn産経ニュース静岡から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三島労基署は7日、労安法違反の疑いで、塗装業者「H」と同社の男性社長(63)を書類送検した。
調べでは、男性は平成21年8月28日、伊豆の国市で住宅の屋根を塗装する工事中に、同社の従業員(当時17)が屋根から転落し、左足を骨折するなどの労災事故が発生したにもかかわらず、届け出なかった労災隠しの疑い。
同署によると、高い場所で作業する際に作業員の安全を十分に確保していなかったため、同署に報告しなかったとみられるという。
出典URL■■■
(2011年10月21日 修正1 ;追記)
2011年10月8日付の静岡新聞紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
今年7月下旬、三島労基署が男性の親族から労災保険などについて相談を受けたことで発覚した。
2011年9月28日に、朝日新聞東京西部版(聞蔵)から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事業系ごみである使い捨てライターを大量に一般ごみとして捨てたとして、大田区の印刷業者の男性(73)が廃掃法違反容疑で書類送検された。
警察によると、男性は8月19日午前7時半ごろ、同区路上のごみ捨て場に、産業廃棄物である使い捨てライター245本(約3.5kg)を不法投棄した疑い。
男性は、「事業系ごみとして出さなければならないと知っていたが、一般ごみとして出した」と認めているという。
警察によると、男性はライターなどのプラスチック製品に店名などをプリントする印刷業者で、印刷ミスの不具合品がたまっていたという。
同日午前10時ごろ、ごみ収集をした清掃車の車内でライターが発火し、消防や警察が出動する騒ぎになった。その際、男性が警察に、ライターを捨てたと名乗り出たという。
2011年9月3日付で、朝日新聞三河版(聞蔵)から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
豊橋労基署は、2日、T社と社長(63)ならびにT社に産業機械の設置を発注した機械設置工事会社の社長(58)を、労安法違反(労災隠し)の疑いで書類送検したと発表した。
発表によると、T社の従業員(当時57)が、昨年6月8日、田原市の金属製品製造の工場で金属を洗うための水槽(深さ約1.1m)に転落し、右足のかかとを骨折するなどして約2ケ月入院した。
しかし社長は、機械設置工事会社の社長と共謀して労災を届け出なかった疑い。容疑を認めているという。
T社は2次請負、機械設置工事会社は1次請負。いずれも「元請業者に知られると、今後、発注がなくなる恐れがある」と話しているという。
(ブログ者コメント)
建前から言えば、届け出るのが当たり前。
しかし、元請の立場に立てば、工事現場で事故が起きると工期が遅れるので、過去に事故を起こした会社への発注は極力見合わせたい、といったことが背景にあるのかもしれない。
この意味、「安全第一」はお題目ではない。経営上からもMUSTで取り組むべき課題だ。
2011年7月23日付の朝日新聞山口東部版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
虚偽の労災報告をしたとして、徳山労基署は、22日、柳井市のK板金工業と社長(64)、建設会社徳山営業所の課長(35)を、労安法違反の疑いで書類送検したと発表した。
署によると、周南市の化学工場内で、今年2月、K板金工業の男性社員が高所から転落し、左足のかかとを骨折。
しかし社長は、白紙の労働者死傷病報告書に押印して元請けの営業所課長に渡し、課長は自社の事業所で発生したとする虚偽の報告書を作り、4月、署に提出した疑い。
2人は容疑を認め、「今後の受注に差し障りがあると思った」などと供述している、と署は説明している。
(2011年1月18日 旧ブログ掲載記事)
2011年1月17日21時43分にNHK静岡から、18日1時35分に産経ニュース静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原発で使うバルブを製造している大阪市のバルブメーカー「首藤バルブ」が、10年余りにわたり、成分や強度などの材料試験結果証明書を捏造。電力5社の原発に納めていたことが、去年、明らかになった。
国は、電力会社に対し、同社のバルブが使われていないか調査するよう求めている。
中電では、浜岡原発で139台使われていたが、「独自に試験を行い、強度については問題なかった」との調査結果を国に報告した。今後、点検などの時期に合わせ、他社のものに取り替えていくという。
(2011年3月8日 旧ブログ掲載記事)
2011年3月7日20時15分に、47ニュースから下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市の建築資材製造会社「ツルガスパンクリート」神戸工場で、昨年10月、作業中の男性(36)がコンクリートパネルの下敷きになって死亡した事故で、労基署は、7日、労安法違反などの疑いで、ツルガ社と神戸工場長(58)を書類送検した。
調べでは、亡くなった男性は派遣社員で、工場長は男性と別の正社員の2人に工場内のクレーン(吊り下げ荷重15・4トン)を無免許で運転させた疑い。
男性は鉄製のごみ箱を動かすため、クレーンを無線式リモコンで移動させていたところ、フックのナイロン製つり具が、積み上げられていたコンクリートパネル(重さ約1・2トン)に引っかかり、落ちてきたパネルの下敷きになったという。
同労基署が事故を調べたところ、別の正社員も日常的に無免許でクレーンを動かしていたことが判明した。
調べでは、亡くなった男性は派遣社員で、工場長は男性と別の正社員の2人に工場内のクレーン(吊り下げ荷重15・4トン)を無免許で運転させた疑い。
男性は鉄製のごみ箱を動かすため、クレーンを無線式リモコンで移動させていたところ、フックのナイロン製つり具が、積み上げられていたコンクリートパネル(重さ約1・2トン)に引っかかり、落ちてきたパネルの下敷きになったという。
同労基署が事故を調べたところ、別の正社員も日常的に無免許でクレーンを動かしていたことが判明した。
(2011年1月7日 旧ブログ掲載記事)
2011年1月6日付で、神奈川新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
平塚労基署は、6日、労安法違反(労災隠し)の疑いで、化学薬品製造業「マツオワークス」と同社社長を書類送検した。
容疑は、昨年2月5日、同社の工場で作業員女性(63)が転倒、左手首を骨折し、約2カ月休業したが、本来なら、同法に基づき、4日以上休業する労災は、労基署に報告しなければならないのに、同社は故意に怠っていた、としている。
同署の調べに対し、社長は、「労災が発覚すると今後の受注に少なからず影響が出ると考えた」と、故意に隠そうとした事実を認めているという。
容疑は、昨年2月5日、同社の工場で作業員女性(63)が転倒、左手首を骨折し、約2カ月休業したが、本来なら、同法に基づき、4日以上休業する労災は、労基署に報告しなければならないのに、同社は故意に怠っていた、としている。
同署の調べに対し、社長は、「労災が発覚すると今後の受注に少なからず影響が出ると考えた」と、故意に隠そうとした事実を認めているという。
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。