(2010年12月17日 旧ブログ掲載記事)
2010年12月16日19時11分に、msn産経ニュース沖縄版から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
那覇市の排水路「ガーブ川」で、平成21年8月19日、橋の耐震調査をしていた作業員が鉄砲水に流され、4人が死亡した事故で、警察は16日、業務上過失致死の疑いで、調査を請け負った間瀬コンサルタント(東京)の現場監督者で、死亡した男性(58)と、補助役だった那覇の下請け会社の作業員(37)の2人を書類送検した。
容疑は、耐震調査に際し、緊急避難用のロープを設置しないなど、十分な安全対策を怠ったという疑い。
当時、現場では6人が作業に従事。うち5人が流され、4人が死亡。
補助役だった作業員は救助された。
http://sankei.jp.msn.com/region/kyushu/okinawa/101216/okw1012161956000-n1.htm
(2017年2月22日 修正1 ;追記)
2017年2月20日に鹿児島市の道路下水路で起きた急な増水による作業員流され事故がガーブ川事故に似たところがあると感じ、この記事をもう一度見てみたところ、記事作成当時は細かい情報を掲載省略していたことに気付いた。
そこで、ここに改めて以下の情報を追記した。
2009年8月28日に琉球新報から、事故当時の詳しい状況などが、下記趣旨でネット配信されていた。
19日午後2時4分ごろ、那覇市樋川のガーブ川で、川底で調査をしていた男性5人が水に流された。
1人は助けられたが、4人が亡くなった。
助かった人などの話から、一気に水が押し寄せる鉄砲水が起きたようだと分かった。
助かった人は、「足首くらいまでだった水が、急に1mくらいまで上がってきた」と話している。
調査のために置いてあった重さ約1トンのブロックも数m動かされ、まとめて置いてあった土のうも散らばるほど、水の勢いは強かったようだ。
鉄砲水は、なぜ起きたのだろうか。
当日は、昼ごろから強い雨が降り、午後1時7分に本島南部に大雨、洪水、雷注意報が出され、1時間に20ミリほどの強い雨が降っていた。
さらに、専門の先生によると、ガーブ川の上流は、コンクリートなどで地面が覆われている場所が多いため、雨が降った時に土の地面のように染みこまず、ガーブ川に大量の水が流れ込んだことが主な原因と考えられるという。
ガーブ川周辺の地形はすり鉢の底のように傾いているため、周囲の水が集まりやすいことも原因の一つだ。
また、自然の川のようにくねくねと蛇行しておらず、まっすぐだったことも、速い流れにつながったと考えられている。
ガーブ川では、1987年6月にも、川で遊んでいた子どもが流されて1人が亡くなる事故が起きている。
今回の事故では、調査をしていた人たちが命綱をつけておらず、脱出用のロープなど安全対策が不十分だったとも指摘されている。
また、流された人たちが、ゴムでできた胴長靴という、水が抜けにくい作業着を着ていたため、流された時に水が入って身動きが取れなくなった危険性も指摘されている。
警察が、調査をしていた人たちや会社などに、事故につながる過ちがなかったか調べている。
今回の事故は、ほとんどの人にとって「まさかこんな所で鉄砲水が起こるなんて」と、予想することが難しい事故だった。
しかし、悲しい事故をもう二度と起こさないためにも、水の恐ろしさを十分に知り、雨が降ったらすぐに川から上がるなど、教訓につなげていかなければならない。
出典
『【教えてニュース塾】ガーブ川鉄砲水事故』
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-149093-storytopic-200.html
2011年10月8日付で琉球新報からは、書類送検されていた人が不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、タイトルも修正した)
那覇検察審査会は、7日、業務上過失致死容疑で書類送検され、不起訴となった現場責任者の男性=事故で死亡=と現場責任者補助の男性を、「不起訴処分は相当」と議決した。
同事故では、遺族が、那覇地検の不起訴処分を不服として申し立てていたが、不起訴相当議決によって、刑事責任を追及する門は閉ざされた。
同事件の民事訴訟を受け持つ大城純市弁護士は「遺憾だ」と述べ、「今後は民事で、発注者や受注業者などの組織的な過失責任を追及していく」と話した。
議決書では、死亡した現場責任者の男性は、検察官の不起訴理由と同じく、刑事訴訟法上、死亡した被疑者は起訴できないとしている。
過失については、業務計画書に安全対策として明記した救助用ロープを設置しなかったことを「安全配慮義務違反を軽視した」と判断。
検察が言及しなかった胴長靴の使用を、作業員が死亡した一因とした。
鉄砲水の予見性や作業の中止と作業員の退去判断は、現場周辺の降雨状況から「注意義務を課すことは困難」としている。
現場責任者補助の男性は、安全管理を全く怠ったとは言えないとして、「遺族の心情を思いはかると忍びない」が、事故から生還した男性に責任を負わせるのは「酷」であるとした。
元請け、下請け、孫請け業者の法的責任の追及は困難とし、民事訴訟で責任を明らかにすることを「期待する」としている。
遺族らは、不起訴相当議決に「今は何も言えない」と言葉少なに答えた。
出典
『「責任者不起訴は相当」 ガーブ川鉄砲水事故』
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-182546-storytopic-200.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。